舞台裏日記

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2009.11.30(月) 小道具

午前中は完全に熟睡。
午後からオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」の稽古。
いよいよ明日は通し稽古ですから、
今日は整理できていないシーンの確認稽古でした。
不安だった部分もキッチリ埋まって、一安心。
とても良い稽古でした。

移動して新三河島から新浦安へ。
…あれ???
ポケットに何か入っている…。

↑コレ

コ、コレは…ドラベッラの下着…。
芝居の中で彼女の下着をポケットに突っこんだまま、出てきてしまったようで、
電車に乗っている間もずーっとポケットからはみ出ていたようです。
恥ずかしい(>.<)

夜はIKSPIARIカウントダウン第九の合唱指導(第2回)です。
発音と発声を中心に、パート毎の練習など、細かい練習をしました。
今までのような「勢い」だけで作るのではなく、
アンサンブルや一つ一つの音にまで神経を使って歌えるようにしたいです。
それにしても、この曲はやればやるほど、その奥深さを毎回発見します。
まだまだ吸い尽くすことはできない、歴史的な大曲です。
残りあと2回。しっかりと指導していきたいです。





2009.11.29(日) 坂戸&父共演

●お昼から埼玉県の坂戸でオペラ「ラ・ボエーム」ハイライトの稽古。
地元合唱団の皆さんとの合同立ち稽古でした。

児童合唱の子供たちに絡まれて大変でした。
どうやら僕は子供から「絡んでもいい人」だと思われてしまったらしい(汗)
まぁ…子供好きだから、良いんですけどね。

●夜は府中でオペレッタ「こうもり」の音楽稽古。
来年2月。再度、父との共演です。
一回り成長した息子(僕)と父の対決をお楽しみに。
今日はセリフも入れて、合唱さんも合同で全てのシーンを通しました。
ファルケ役は…セリフが難しい…来月には立ち稽古。
覚えられるか???

でも、まずは来週の「コジ・ファン・トゥッテ」に集中せねば。
チケット…まだありますよ〜。
8日(火)夜…たくさん
10日(木)昼…少し
11日(金)昼…少し





2009.11.28(土) 「コジ・ファン・トゥッテ」オケ合わせ

本来はA組のオケ合わせでしたが、お邪魔させていただきました。
(というのも絶対に不可能な日にB組オケ合わせを設定されてしまったから)
2曲のグリエルモのアリアだけ歌わせていただいて、
あとは見学をしながらテンポ等を確認しました。

オーケストラは若い方が多かったですが、とてもいい音。
こちらが歌いたいように歌うと、しっかりとのっかってきてくださって、
とても嬉しかったです。

チケット…まだまだございます。…ありすぎます(汗)
ぜひぜひ一人でも多くの方にお越しいただきたいです。
チケット申し込みページ





2009.11.27(金) 「コジ・ファン・トゥッテ」

今回の「コジ・ファン・トゥッテ」は現代新演出です。
原作の筋とは大きく変わり、もはや別のオペラになっています。
その辺を楽しんでいただけると、とっても面白い作品になると思います。

グリエルモとデスピーナが本来の恋人同士です。
グリエルモは異常なまでの女好きで、フィオルディリージとも関係を持ちます。
ゆきずりの恋…ひと時だけの快楽に身を焦がす若い男女。
本当の愛の形を知らない彼らは、
退屈と寂しさを持て余しているだけなのかもしれません。
女性の不貞を確かめる為というよりも、金が目当てで、
フェッランドとグリエルモはカフェのマスター:アルフォンソの賭けにのります。
実はアルフォンソは若い男たちに抱かれた姉妹の父親に脅されているのでした。
アルフォンソの指示に従い、芝居をうつフェッランドとグリエルモ。
さてさて、物語の結末は??

悪〜くて、セクシーな「りひと」をお見逃しなく。
たぶんもう二度とこんな姿をお見せすることはできないと思います(笑)

チケットのお求めはこちらまで↓
チケット申し込みページ





2009.11.26(木) ショナール久しぶり

今日は12月13日公演の坂戸ガラ・コンサートの練習。
二期会のスタジオで「ラ・ボエーム」のハイライト立ち稽古がスタートしました。
ショナール役は十八番だと思っていましたが、
考えてみたら、最近はマルチェッロばかりやっていたのでショナールは久しぶり。
間違えてマルチェッロの歌とごっちゃになります。
でもしばらくするとすぐにショナールに戻ってこれました。
もはや演出の説明を聞かなくても、勝手に身体が動きます。
そのシーンでの自分の役割と、周りとのバランスを見ていけば、
必然的に動きが全て決まります。
今日はあっと言う間に全てのシーンを稽古し、完成。
ついでに代理で3幕のマルチェッロも演じさせてもらいました。
やはり、どっちの役も魅力的。…いいオペラだ…。

夜は川口市民合唱団の指導。
12月5日が演奏会の本番ですが、今日が実質最後の練習。
集中力を高めて通し稽古。
しっかりとした目標を持って、良い演奏を目指していきたいです。
たくさんの方々のご来場をお待ちしています。





2009.11.25(水) 助演立ち稽古&「第九」合唱練習スタート

午後から二期会愛好家クラス・アドヴァンスドコースの助演。
アマチュアの方がオペラのアリアや重唱を勉強されているクラスで、
助演としてお付き合いさせていただいています。

数回の音楽稽古を経て、今日から立ち稽古がスタート。
演出の澤田先生とは7月の杉並「ラ・ボエーム」でお世話になって以来。
研修所時代にも授業を受けていましたが、
今でもいろいろなことを教えてくださいます。
今日もとても良い勉強になりました。
「ランメルモールのルチア」のエンリーコと、「ドン・パスクァーレ」のマラテスタを歌いました。

夜は新浦安へ。
いよいよ年末のディズニーリゾートIKSPIARI第九の合唱指導スタート。
全4回のうちの第1回目の練習です。
今年は募集開始からあっと言う間に定員に達してしまい、
お断りした方も多かったのですが、149名の参加者が集まりました。
…とは言え、今日来なかった方もいらしたようですが…。

1回目の練習ながら、かなり中身の濃い指導ができました。
何年もご一緒しているだけあって、僕の要求にも瞬時に応えてくださるようになりました。
でも、今日はまだ序の口です。
これから残り3回ですごいものを創っていきたいです。





2009.11.24(火) 合唱&レッスンDAY

この日記を読んでいる方には、僕がとっても忙しそうに見えるみたい。
意外とそうでもないんですよ。
暗譜やら譜読みやらは大変ですから、
脳みそは常に追い込まれている感じはありますが、
僕なりにマイペースに生活できていますから、大丈夫ですよ(笑)

とか言いつつ、今日はビッシリでした。
午前中はハーモニーベルズの指導。
午後は5人連続レッスン。
夜は混声合唱団「樹」の指導。
ご飯を食べる時間を確保しないスケジュールを組むのが悪い癖。
これからは気をつけなければ…。

とにかく暗譜が…明日までに2曲覚えなければいけないのを忘れていました。
やばい…。今夜は眠れないかもです(自業自得)





2009.11.23(祝) さぁ!「コジ・ファン・トゥッテ」!!

11月の全てのステージを終え、いよいよ2009年もラストスパート!
今年最後のオペラ。
12月8〜11日の オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」 にやっと全力投球できます。

今日は2時から9時までみっちり稽古に参加しました。
1幕冒頭から2幕フィナーレまで全て稽古できました。

今回の「コジ・ファン・トゥッテ」は、現代の若者文化を揶揄すると共に、
警告を与えるメッセージ性の強い演出になっています。
女ったらしで最低の男:グリエルモが、アラブの石油王に変装して、
友人フェッランドと恋人を交換して口説きます。
嘘はどこまでが虚構なのか?
何が真実で、何が真意で、何が現実なのかすら麻痺していく若者たちの感覚。
それをみんなで笑い飛ばしてやってほしいと思います。

今日はC組フェッランドの島田さんと初めてお会いしました。
あの「カンツォーネ!」のギャグでおなじみのお笑い芸人「島田夫妻」の、
島田さんです。
さすがは芸達者。
今日、一緒に演じさせてもらっても、こちらが何か芝居をかければ、
必ずしっかりと返してくださるし、常にこちらにコンタクトを取ってくださるので、
互いにリアクションし合いながら芝居を作っていける感じで、
共演していてとっても楽しかったです。

今日やっとこの演出による作品の全体像が見えました。
これは今まで演じたことのないタイプのオペラです。
そしてとっても挑戦的だし、いずれにせよ話題になる公演になりそうです。
僕もとってもやりがいのある新しいグリエルモ像に、しばらくは浸ることができそう。
僕の新たな挑戦をぜひ観に来てほしいです。

う〜ん、燃えてきた!





2009.11.22(日) バッハ「カンタータ」終演

アンサンブル光のオルガン主催
「J.S.バッハ カンタータの午後」本番。

お越しいただいた皆さん、ありがとうございました。
関係者のみなさま、お疲れ様でした。

会場は要町(西池袋)の閑静な住宅街にひっそりと佇む教会。
午前中は通常礼拝が行われていたので、会場入りすると人でごった返していました。
12時集合、12時45分からゲネプロ。
ゲネプロは本番と逆の曲順で演奏しました。
まずは「カンタータ第99番」…これは僕のソロは2曲目のレチタティーヴォのみ。
あとは1曲目と6曲目のコラールを歌います。
(合唱はいないので、コラールはソリスト4人で歌う)

続いて「カンタータ第167番」…こちらも僕のソロは4曲目のレチタティーヴォのみ。
5曲目のコラールを歌って終わりです。

レチタティーヴォは1〜2ページほどの短い曲。
ですが、その内容は数ページに渡るアリアと同じ、もしくはそれ以上の表現が要求されます。
アリアは流れに乗っかって、それを利用して自分自身も進んでいけますが、
レチタティーヴォは自分の力で進んで、自分の力で展開していかねばなりません。

最後(本番では最初)の曲は「カンタータ第56番」。
これはバス・ソロのみの…演劇でいえば『一人芝居』。
1曲目は厳しい表情の長大なアリア。
2曲目はドイツリートの雰囲気を持つ歌曲風アリア。 3曲目はスピード重視のメリスマ・アリア。
4曲目は「死こそ真の安らぎ」と歌う現世を飛び越えたレチタティーヴォ。
5曲目はコラール。

リハが終わり、おにぎりを食べたら本番です。
客席は80席ほどでしたが、満席でした。
僕は集中力を高める為に、眼鏡をはずしました。
本当は楽譜が見えないことは不安極まりないのですが、
その不安の中で自力で集中して歌うことを選びました。
絶対に自分の中にすでに音楽は入っている…それを信じて。

案の定、本番は今までで一番集中して歌えました。
バッハの音楽が僕を引っ張っていってくれました。
若干力みは入り、完璧だったとは言えませんが、
バッハ(バロック)の入口までは入れたような気がします。

「コジ・ファン・トゥッテ」、「魔笛」…モーツァルトもバロックの延長にあります。
特に「コジ・ファン・トゥッテ」はモーツァルトが仕掛けたバロックのオマージュ(パロディ)です。
明日から「コジ〜」に本腰を入れることができます。
今日の経験をこのまま「コジ〜」までつなげていきたいと思います。
今年最後のオペラ…どうぞお楽しみに。





2009.11.21(土) 「カ」の日

午後からオペラ「ルメン」の音楽稽古。
今日は合唱さんとの合同稽古でした。
男声のエキストラで以前共演した子たちがいたので、ご挨拶。
僕の出番は最初だけなのでフルで歌いましたが、
その後もエスカミーリョさんがいなかったので、
代わりに「闘牛士の歌」を歌わせてもらいました。
…実はエスカミーリョは一度もやったことないんですけどね(笑)

夜は明日本番のバッハ「ンタータ」のリハ。
昨年からソリストとして呼んでくださるようになったこのコンサート。
前回は自分の歌い回しを主張して、
バロック音楽をロマン派音楽に引っ張りこんだような歌い方をしてしまいましたが、
それではいけない。
今回はしっかりバロック音楽を勉強して、バッハの音楽に身をゆだねました。
音価の扱い方がロマン派とバロック・古典では全然違う。
そこをしっかりと読み込んで歌ってみたら、何と音が生き生きとしていることか…。
音が笑っている。音が泣いている。
まるで音と戯れているようです。
明日の本番はぜひお楽しみに。
※当日券ございます。





2009.11.20(金) パンしか…

午後から池袋でレッスン。
発表会が終わって、一からスタートの生徒さんたち。
ますます熱意を持って、目標を高く頑張っている様子。
教える側も熱が入ります。

夜は熊谷へ。
ベーレンタール男声合唱団の指導です。
今夜も帰宅は日付が変わる頃。
フラフラです。

…あれ?

あ、考えたら今日はパンしか食べてない。
朝食べず、昼食はマック。レッスン後に電車の中でパン食べたっきり…。
慌てて帰る前にコンビニでお弁当のパスタを買いました。
食生活がめちゃくちゃだな。





2009.11.19(木) 先を見据える

今日は寒かったです。
夕方から東京女学館合唱部のコーチ
2月の演奏会での曲目を模索しました。
今歌える曲、そしてこれから歌う曲。
先を見据える作業というのは最も難しく、最も重要です。
でも、生徒たちの見据えるはるか先を見ているのが指導者です。
どう導いていってあげれば良いのか、行き先をどこに見据えるのか。
それを冷静に見定めることが一番難しい作業とも言えます。

夜は川口市民合唱団の指導。
こちらは本番間近。
本番に向かってあと少しでラストスパート。
12月5日(土)が本番です。
皆さん、ぜひぜひお越しください!
【マル秘情報】
僕もちょこっとだけソロを歌いますよ〜。





2009.11.18(水) 無意識の疲労

どうやら昨日の疲労で身体が痛い…。
緊張していないつもりでしたが、無意識に身体に力が入っていたようです。

お昼過ぎまで意識を失ったように爆睡。
起きてからも身体が重くて、出かけるのがしんどかったです。
午後から新宿のスタジオ:芸能花伝舎へ。
二期会愛好家クラス・アドヴァンスドコースの授業で助演。
「ドン・パスクァーレ」と「ランメルモールのルチア」のデュエットと、
「清教徒」のアリアのバックで歌うアンサンブルを歌いました。
少し早退させていただいて、今度は入間市(仏子)へ。

来年5月のオペラ「魔笛」の音楽稽古。
異例の早い時期からの稽古開始ですが、それだけ濃密な稽古を積んでいただいています。
発声、発音から、モーツァルト作品の演奏様式に至るまで
細かく指導していただけて、とっても勉強になっています。
今日もたくさん収穫がありました。
今回、モーツァルトの音楽を極めることが最大の目標です。
この調子でもっともっと上達するぞ!


↓昨日の収録について、号外を出しました。




号外 昨日の話

昨日の収録について、公表を許可していただきましたので、
さっそくご報告。

昨日のテレビ収録は、
『JASRAC70周年
日本人が愛した歌〜時代を創った作家たち〜』

という番組の公開収録でした。

会場はNHKホール。
僕は「The JADE」という二期会歌手4人のユニットに、
今回出演できなかった成田先生の代役として急きょ参加。
黒田博さん、高野二郎さん、樋口達哉さんといった、
二期会のスターの皆さんとご一緒させていただきました。

他には演歌・歌謡会の大御所の皆様が出演。
台本を開いた瞬間にビビリました。
船村徹(JASRAC会長)さん、平尾昌晃さん、舟木一夫さん、都はるみさん、
五木ひろしさん、由紀さおりさん、安田祥子さん、北原ミレイさん、
小椋佳さん、石川さゆりさん、島津亜矢さん、夏川りみさん、秋川雅史さん、
ザ・ジェイド、KOBUDO-古武道-(デビュー年月日順)

お昼にリハーサルをして、楽屋回りをしました。
すごい方々ばかりなのですが、皆さんとても自然体。
とにかく皆さんほんっとうに優しかったです。

そのままカメリハ・ランスルー(通し)をして、いざ本番。
ちょっと違う世界だから勝手が違うのかな…と思っていたのですが、
意外といつものステージとそれほど変わらない感じでした。
舞台裏の雰囲気、楽屋の雰囲気…マイクを持って歌うこともあり、
むしろオペラに出演するよりもリラックスしていられました。

打ち上げも出させていただいて、秋川さんとお話ができました。
帰り際にも、どうしてもお話がしたくて、
ずうずうしくも安田さん由紀さんのところへ行ってお話させていただきました。
日本の歌について熱いお話ができ、本当にうれしかったです。
夏川さんとも握手してもらったし…夢のようでした。

本番の内容は放送をご覧ください。
12月28日(月)21:00〜22:58
NHK BS2
JASRAC70周年
日本人が愛した歌
〜時代を創った作家たち〜





2009.11.17(火) テレビ収録

予告通り、テレビ収録をしてきました。
ライブをそのままテレビで放映するのですが…
詳細はまだ発表できないそうで、ストップがかかっています。
いずれきちんとご報告できると思いますが、しばしお待ちください。
テレビ放映は12月末ですので、放送までにはお知らせします。

とにかく感激の一日でした。
素敵な方たちとたくさん出会いました。
まるで夢のようです…明日には全て忘れてしまいそう…。

関係者・スタッフの皆様には、
このチャンスを与えてくださったこと、より良い環境で仕事をさせていただけたこと、
心から感謝しております。
いつかまた、どうぞお声掛け願います。

ではでは、毎日日記を読んでくださっている方々には、
とってもモヤモヤしたご報告しかできず、心苦しいです。
お会いした方にはお話できると思います。
いずれにしても数日お待ちください。すみません。





2009.11.16(月) 明日はテレビ収録

明日の日記で詳細はお話しますが、
明日は超スゴイことになっています。

今日はその練習のために夜9時に赤坂のスタジオへ。
4人のアンサンブルグループの一員として歌うのですが、
アレンジがどう考えてもコーラスグループ系となっています。
しかも僕のパートはベース。それもマイクを使わねばなりません。
普通の合唱のバスパートということではなく、
ポップスのア・カペラグループのベースとしての役割が要求されています。

つまり、深くまろやかな音でホールの共鳴を利用する発声法ではなく、
マイクを使ってエレキベースのような音を出さねばなりません。
それはクラシックの発声法とは全く違うのです。
口の形、空気の振動の作り方、共鳴のさせ方等、今までの技術は通用しません。

そこで、この数日間はネット検索や動画サイトなどを片っ端から調べて、
発声法などを勉強しまくりました。

そこから自分なりに導き出した方法で、いちおうそれらしい音が出せるようになりました。
ただそれが実際に使えるのかどうかは半信半疑…のままスタジオ入り。
そんな経緯もあって、僕の中では今日のテストはとっても重要でした。
で、実際にスタジオでマイクを使い、4人で歌ってみた結果、
今日使ってみた声がかなり有効であることがわかりました。
…これなら何とかイケるだろう…明日は思い切って歌ってきます。

明日、無事に収録が終えたら、放映日などをお知らせできると思います。
どうぞお楽しみに。





2009.11.15(日) カンタータ&カルメン

昨日の疲労を取る為に、午前中いっぱい寝て、
午後から要町でバッハ「カンタータ」のオケ合わせ。
今月頭に一度合わせをした3つのカンタータ。
一つ一つが小さなオペラぐらいの分量が詰め込まれた内容。
集中力と体力が要求されます。
今日は、自分的にはもう一つの出来。
来週の本番までには何が何でも仕上げなければなりません。
頑張らねば。

少しオケ合わせが押してしまったので、慌てて移動。
夜は川口でのオペラ「カルメン」の練習。
慣れ慣れのモラレス役ですが、
毎回演出家さんのイメージを言葉を交わさずに汲み取っていく作業。
・ホセとの対比で軽い人格に作っていくのか?
・ミカエラに身の危険を感じさせるほど危ない男に作るのか?
・軍人らしさを強調して硬さを取り入れるべきか?
・それとも美しさのみを前に出すモラレスにするか?
これまでも同じように見えて、様々なモラレスを演じ分けてきました。
さてさて今回は???…まだ完ぺきには演出家さんの頭の中は読み切れず。
こういうときはとにかく出された要求を淡々とこなしていくに限る。
そうこうしているうちにその言葉の一節一節から滲み出てくるものに反応できてくるはず。
それを信じて2月まで待ちます。
…とか言いながらも、実は僕のスケジュールが稽古日と合わなくて、
次回の稽古参加は来年1月です(笑)
それまでモラレスはタンスの隅にしまっておきます。



2009.11.14(土) 門下生発表会

今日は…
第2回 利人門下生発表会でした。
僕のところにレッスンに通ってきてくださる生徒の皆さんに、
1年間の勉強の成果を発表する場を設けることが最大の目的です。
もちろん緊張で本来の力は発揮できないかもしれませんが、
それでもこの経験を糧に、次のステップに進む為の足がかりになればと思います。

9時から仕込み・会場設営。
公民館のホールなので、いちおう会場付きのスタッフさんもいて、
仕込み等は全てスタッフさんがやってくれました。
10時からリハーサルをして、昼食をとったらいよいよ本番です。
生徒さんのご家族・ご友人の方もたくさんお越しくださり、
120席ほどのホールに70〜80名ほど(生徒さん自身も含む)が入場しました。

僕は本番中は生徒さんお一人お一人の歌の前にMCで解説を入れました。
…これがめちゃくちゃ緊張した…。
生徒さんたちもめちゃくちゃ緊張していました。
でも、この発表会に向けてすごく上達が見られた方もいたし、
うまくいかなかったことで、これから改めて自分を見つめ直すキッカケになるであろう方もいました。
いずれにせよ、今日の自分をしっかりと受け止め、次につなげてくださればと思います。
僕も舞台袖で、ずーっとハラハラしたりしていましたが、
総じて皆さんの演奏を笑顔で聴けました。
とにかくすっごく疲れたけど、気持ちの良い疲労です。

参加した生徒さんは27歳から74歳まで。
曲目はイタリア・フランス・ドイツ歌曲からオペラ・アリア、日本の歌や、
シャンソン、カンツォーネ…と様々なジャンルの曲を思い思いに歌いました。
ヴァリエーションが多彩で、とっても楽しいプログラムになりました。

また、今回の発表会は新たな試みとして、デュエットを皆さんに歌ってもらいました。
男声は全員で「O sole mio」を歌ったのですが、
女声は2人1組で、曲目も自分たちで選んでもらって演奏しました。
これがなかなか面白かったです。

最後に僕も2曲歌いました。
・イタリア近代歌曲:Luigi Denza作曲の「Occhi di fata」(妖精の瞳)
・武満徹「小さな空」

開演前と終演後に、お客様も一緒に歌いました。
オープニング「もみじ」/エンディング「今日の日はさようなら」
お客様も皆さん温かくて、拍手もたくさんしてくださったし、
歌も大きな声で歌ってくださって嬉しかったです。
お客様も送り出した後に全員で写真撮影。

 ↓
少しくだけて…


会場を後にしたら、移動してお客様もご一緒に打ち上げをしました。
生徒さん同士の交流も深めて、また新しい関わり合いができたらいいなと思います。
打ち上げは大いに盛り上がりました。


来年も第3回を開催できたらいいな、と思います。
生徒さんはまた一からスタート。
今回、出れなかった生徒さんもたくさんいますので、
来年はもっともっと盛り上がって楽しい会になることでしょう。
皆さん、これからも一緒に頑張っていきましょうね!

お越しくださったお客様には感謝の言葉を尽くせません。
今年の発表会から来年の発表会まで、各々がどれだけ上達できるか、
どうぞお楽しみに。また来年もぜひ応援にいらしてください。



2009.11.13(金) さっぱり

午後に入っていた「コジ・ファン・トゥッテ」の稽古が取りになり、
空いた時間を有効に使おうと頑張りました。

まずは明日の門下生発表会のMC原稿を数時間かけて作成。
直前になってから仕事をするから、こんなに追い込まれるんだ…。
その後は美容院へ行って、髪を少し軽くしてきました。
来週のテレビ収録の為に、あまりイメージが変わりすぎてもいかんので、
見た目にはほとんど変わりませんが、自分的にはすごく軽くなりました。

夜は熊谷へ。
しばらくお休みしていましたが、久々にベーレンタール男声合唱団の指導。
8日(日)に熊谷音楽祭がありましたが、僕は東京女学館合唱部のステージがあったために、
ベーレンタールさんの演奏の方は代理の指揮者の方にお願いしてありました。
(先に日程が決まったのが東京女学館だったので、そちらを優先させていただきました)
また一からスタートですが、特に差し迫ったステージもないので、
地道に基礎づくりに専念していきたいと思います。
まずは楽譜をしっかり読めるように勉強してもらわねば…。

さて、明日は1年に1回の大イベント。
「第2回 古沢利人門下生発表会」です。
昨年は喫茶店の小さなステージでしたが、今回は小さいながらも公民館のホール。
人数も増えたし、今年は一人1〜2曲のソロとデュエット・アンサンブルを歌います。
準備もしなきゃだし…早く寝なきゃ! 



2009.11.12(木) オペラの行く末

午後からオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」の稽古。
疲労がだいぶ残っていて足が重かったのですが、稽古場へ。
今回の演出はかなり衝撃的で、原型が残らないほどの新演出です。
ですが、僕はこれまでたくさんオペラをやってきましたし、
過激な演出もたくさん経験してきましたから別に驚きもしません。

今回のグリエルモはとっても女ったらし。
実はデスピーナと付き合っていたのに、フィオルディリージと情事。
その現場を彼女であるデスピーナに目撃されるところから物語が始まります。
あ、ちなみにグリエルモはレゲエ系の若者です(笑)


この演出は正直、公演後に賛否両論が出そうですが、
現代社会のリアルはこんなものではないのかもしれません。
ドラッグが出回り、恋人をとっかえひっかえ。
家族内で殺人が起こり、自殺が毎日のようにどこかで行われている。
めちゃくちゃです。

でも、実はモーツァルトの時代も似たようなものでした。
貴族たちの生活は毎夜、夜通し舞踏会という名のバカ騒ぎが行われ、
男女は入り乱れ、酒や薬でめちゃくちゃでした。
そういう時代に貴族たちの横行を描いた作品が、
「フィガロの結婚」であり、「ドン・ジョヴァンニ」でした。

モーツァルトの音楽は美しさばかりが取りざたされていますが、
そこで描かれた内容は、その美しさの裏に潜む闇や毒気でした。
芸術というのは「美しいもの」ではありません。
もちろん表面的にはとっても美しいです…ですが、
その後ろに隠れているものを感じ取れなければ、
その人は芸術を真に理解しているとは言えません。

影を描くための光。
光を描くための影。


その両面を見い出し、表現できて初めてオペラはオペラになります。
無駄に汚すことは不当かもしれませんが、
美しいものにしか目を向けられないことは、
ある意味では真実から目を背けていることになるのかもしれません。

今回のグリエルモは最低の人間です。
僕のファンの方はショックを受けるかもしれません。
でも、そんな最低の人間を僕は全力で演じたいと思います。
そうすることで、この最低の人間の心のどこかに残っている美しさが、
わずかにでも輝けば、彼はきっと救われるのだと思うからです。
どうぞ、皆様お越しくださいませ。


日記に戻ります。
夜は川口市民合唱団の指導でした。
うん…順調です。12月5日までこのまま駆け抜けていきます。



2009.11.11(水) 発表会伴奏合わせ

今日は一日スタジオに缶詰。
今週土曜日にある「利人門下生発表会」の為、
生徒さんとピアニスタの岡田さんによる伴奏合わせ。
先週の土曜日に前もって4人お願いしましたが、
今日は残りの9人を30分ずつ。
僕自身の合わせも含めて、計5時間。
岡田さんには長時間に渡ってお付き合いいただきました。

僕は付き添いながら、アドバイスをしていきました。
生徒さんは皆さん頑張っています。
少しずつ緊張度も高まっています。

生徒さんお一人お一人にとって、
大切な思い出の一つに残るような発表会になったら良いな、と思います。



2009.11.10(火) 長い一日

今日は本当にしんどかったです。

朝10時から夜11:30まで4つの仕事をハシゴ。
キチキチのスケジュールでした。

今日は本当に頑張ったので、『24』形式で書き留めておこうと思います。

【8:30】
起床

【9:20】
出発

【10:00】(千川)
ハーモニーベルズの指導

【12:00】
指導終了→移動

【13:00】
昼食

【14:00】(西日暮里)
オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」立ち稽古

【17:00】
稽古終了→移動

【18:00】(千駄ヶ谷)
オペラ「ラ・ボエーム」ハイライト音楽稽古

【20:30】
ガラ・コンサート(ソロ合わせ)

【21:00】
稽古終了→移動

【22:00】(赤坂)
某テレビ収録リハ

【23:30】
リハ終了→帰宅

【24:50】
帰宅


…頑張った。根をあげずによく頑張りました。
今日ばかりは自分を誉めたいです。



2009.11.9(月) こうもり稽古

今日は午後からレッスンを3人して、
夜は「こうもり」の音楽稽古。
「奥様女中」と同じ、東京シティオペラ協会の主催なので、
なんだか同じ稽古が続いているような錯覚でした。
いずれにしても雰囲気の良い稽古場で、歌っていても気持ち良いです。

さ、今日は久しぶりに楽なスケジュールでした。
なんだか忙しさにマヒしてきた。



2009.11.8(日) 東京女学館記念祭&発表会伴奏合わせ

この4月から指導してきた東京女学館合唱部。
今日は学校の文化祭で50分弱のステージをしました。
このステージが一年間のメインイベントでもありましたから、
部員のみんなの想いもひとしおでした。

4月に初めて指導をしに行った頃はギクシャクしていた僕と部員の関係。
合宿を経た辺りから気持ちも通じ合い、一致団結して今日に向けて頑張ってきました。
最後の方は僕が何か指導をするまでもなく、どんどん上達。
聞けば、毎日朝練やパート練をしていたそうです。
英語の曲も多く、暗譜だって大変だったと思います。
僕の目の見えないところで、個々がどれだけの努力をしてきたのか…
想像を絶するほどの一人一人の「想い」が、そのままステージに表れていました。

【Opening】
1、校歌

【第1部】
2、Wolcum Yole! (Britten)
3、島唄

【第2部】
4、ミュージカル「レ・ミゼラブル」メドレー

【高2ステージ】 5、Sing

【第3部】
6、やさしさに包まれたなら(「魔女の宅急便」より)
7、いのちの名前(「千と千尋の神隠し」より)
8、ひとつの朝

【Ending】
9、For the beauty of the earth
どの曲も魂がこもっていて、一つ一つ丁寧に歌ってくれました。
「レ・ミゼラブル」で照明を使う演出をするため、天盤(反響板)をはずしました。
これは響きの悪いホールでは暴挙とも言えます。
一種の賭けでした…。
それでも生徒たちのエネルギーとパワーがあれば、大きなリスクにはならない…
と信じた結果です。そして、それは見事に成功しました。

何よりも部員の一人一人が笑顔で歌ってくれて、
笑顔でステージを終えてくれるように導くことが僕の仕事だと思っていました。
涙をこらえながら、心の奥底からあふれる笑顔を見せてくれた部員のみんな。
僕の方がむしろ感動させてもらいました。

インフルエンザ対策の為、文化祭は外部のお客様が入れなくなってしまいましたが、
思ったよりもたくさんのお客さんが客席に入ってきてくださいました。
300人以上の人が、歌に引き寄せられていらしてくださったそうです。

終演後の反省会。
涙・涙の反省会になるかと思いきや、部長をはじめ高2のみんなが笑顔で語っていました。
合宿ではあんなに泣き虫だったのに…この数カ月でこんなにも成長したのかと感心しました。
まだまだ今日の終演が次へのスタート。
逆に気が引き締まる想いになりました。


学校を出て、池袋へ。
奥さんと待ち合わせをして買い物。
…えっと、そのうち公表しますが、近日中に必要になる為に『オシャレジャケット』を買いました。

その後はスタジオにピアニスタの岡田真歩さんをお呼び立てして、
今度の土曜日にある僕の生徒さんたちの発表会の為の伴奏合わせをしていただきました。
今日は4人だけでしたが、次々と生徒さんとの合わせをしてもらい、
生徒の皆さんも嬉しそうでした。
本番もこの調子で頑張ってくれるといいなぁ。



2009.11.7(土) オペラ「奥様女中」終演


ウベルト:僕 セルピーナ:西田さん ヴェスポーネ:岸上くん

注:長いです↓

【発想・訳詞】
今回は演出も仰せつかり、自由奔放に自分の信じる【オペラ】を形にすることができました。
まず考えるのは「何がしたいか?」よりも、「何ができないか」ということ。
どんなにアイディアが生み出されても、それを実現できなければ机上の空論です。

今回は予算も少なく大がかりなセットは組めないし、豪華な衣裳は用意できません。
そんな訳で、ウベルトが召使い2人を雇う大金持ち…という説得力は見た目では出せません。
そこで、彼が医者…それも一人で切り盛りしている【開業医】という設定にしました。

次に、召使いの一人ヴェスポーネは言葉がしゃべれません。
これは障害者がまともな人権を得られずに召使いとして雇われているという、
当時の社会的常識に彩られた設定なのですが、僕はそれを嫌いました。
それでは彼が言葉を発することができない理由づけをしてあげなければならない…。
…ということで、【ヴェルポーネ=犬】という設定が生まれました。

次に二幕でヴェスポーネが【骨】につられてセルピーナに操られるシーン。
セルピーナのアリアを【お医者さんゴッコ】にする発想。
フィナーレを結婚式にする、聖書に手を置きヴェスポーネを神父にする…
等といったアイディアがどんどん湧いていきました。
それに合わせて、訳詞も空いた時間にどんどん進めていって、
一番忙しかった8月に、空いた時間全てを費やして完成させました。
(完成したのは東京女学館の秩父での合宿最終日でした)


【稽古開始】
上海から帰ってきた9月末から稽古がスタート。
音楽稽古をしながら頭の中では具体的な動線をイメージしていました。
自分の訳詞が、プロの演奏家の方々にどのように受け入れられるのか心配…
戸惑いながらも一生懸命に僕の訳詞を身体に取り込もうとしてくださる西田さんに感激。

10月に入ってから立ち稽古がスタート。
ヴェスポーネ役の岸上くんは声優志望…なのに今回は一切言葉を発しない役。
…しかも「犬」。
申し訳ない気持ちもあったけど、犬の動きを一生懸命研究してきてくれて、
とても熱心に芝居をしてくれたので嬉しかったです。
僕から指示しなくても、どんどん新しいアイディアを自分の芝居に取り入れてきて、
すごく芝居心もあるし、素晴らしい役者さんでした。
今回の成功は彼の功績によるところも、とっても多いです。

1幕は当初の演出が、半ば「机上の空論」的な部分が多々あったり、
「あいまいな」部分が多く、共演者さんたちをやや戸惑わせてしまい、反省。
2幕はとにかく全員が忙しく、常に何かをやっていなければいけないから、
逆に動線は必然的に決まっていたし、動きを全て指示して、
あとはその大変な作業をひとつひとつ整理しながら演じてもらうのみでした。
最初は大変でしたが、慣れるまでとにかく繰り返していきました。
最終的には少し余裕も生まれ、そっから更に芝居を増やしたりしていました。

1幕は二人のアリアが交互に並んでいる形。
僕の持論で「アリアは歌っていない人が重要」という考えがありますから、
とにかく複雑に動きをつけていきました。
何よりも一つ一つにテーマをつけていき、それをペタペタと貼り付ける作業。
「クシャミ」「お医者さんごっこ」「SMプレイ」など、様々なネタを順序良く並べていきました。

稽古場でも、どんどんみんなでアイディアを出し合って、
コラージュ風にネタが折り重なっていく感じ。この時点で公演の成功は確信していました。
エレクトーン合わせを経て、通し稽古、そしてG.P.、本番…と、
良い形で公演に向けて高めていけたのは、温かく見守ってくださった公演監督:川村敬一先生のおかげです。
またスタッフの皆さん、無償でお手伝いをしてくれた方々には感謝の言葉を尽くせません。


【そして本番を終え…】
今日、幕が開いた途端に(犬のヴェスポーネを観て)客席から笑いが起きてから、
最後のシーンまで手を叩いて笑ってくださったお客様たちのおかげで、
僕の頭の中で生まれた「演出」は、ようやく完成することができました。
つくづくオペラというのは一人の力では作り得ないモノだし、
逆に一人一人の力が終結して完成するものなんだということを感じました。

お越しくださったお客様が、より一層「オペラ」を好きになっていただけたら…
という目標で作ってきた、この「奥様女中」公演。
むしろ僕がこの経験を通してオペラをより一層好きになりました。

まだまだ掘り下げていきたい…もっともっと楽しいものを作りたい。
…今はそんな気持ちが満ち溢れています。
これからも頑張ります!
いつかまた再演…できたらいいな。


※ぜひお越しくださった方々からのご感想をお聞かせください。
【楽屋で雑談】までお願いいたします。


2009.11.6(金) 「奥様女中」場当たり&通し稽古

ついに本番まであと一日。
日に日に、これまで感じたことのない緊張感が高まってきます。
演出家として名前を出されるワクワク感と、不安感。
歌い手としては味わったことのない感覚です。

今日は本番の会場で場当たり稽古。
歌い手としてだけなら、稽古開始時間に会場入りすれば良いところですが、
演出家として舞台のセッティングにも立ち会わなければなりません。
小道具、舞台装置のチェック。
衣装と小道具を所定の位置にセッティングして、その他の細かい打ち合わせ。
これだけのことをしなくてはいけないところが、兼任の辛いところ。
気が付いたら共演者の皆さんもすでに会場入りしていて、
あれよあれよと言う間に「場当たり稽古」がスタートしました。

場当たり稽古中も、照明位置や共演者の立ち位置などをチェック。
なかなか自分のことに集中できませんでした。
つつがなく場当たりが終わると、5分だけ休憩をとって「通し稽古」。
発声もできなかったので声がなかなか温まらず苦労しましたが、
なんとか最後までテンション高く演じられました。

今日は、舞台スタッフさんや照明さんも観ている中で演じるので、
何よりも今回の演出がどのように受け入れられるかが心配でした。
僕のこだわりで、内輪ウケや、笑いを誘う小ネタを最小限に抑えているので、
稽古場では最初こそ笑いが起きても、二回目以降はそれを忠実に再現するため、
それ以降は同じネタで稽古場に笑いが起きることはありません。
稽古後半はただただ緊張感を大事に、盛り込まれた作業をこなす稽古になりました。
だから、今日初めて僕らの舞台を観た人がどんな反応をするのかを、久しぶりに測る機会になりました。

で、評価は上々。
皆さんから「これは面白い」と言っていただくことができました。
これで安心した…明日は自信を持って演じられます。
どうぞ明日お越しくださる皆さんはお楽しみに。
オペラの新しい価値観と可能性を見出していただいて、
オペラをもっと好きになってもらえますように…そんな舞台を目指します。

チケットがまだ残っています(泣)
一生懸命作った舞台ですので、どうぞ一人でも多くの方に観てもらいたいです。
お時間のある方はぜひ当日申し込みでも良いのでお越しいただけると幸いです。
(当日チケットをご購入の際は僕の名前を必ず出してください)



2009.11.5(木) カラカラですね…

乾燥してカラカラな一日でした。
声楽家にとって大敵な気候です。
飴ちゃんを常に口にしながら、ペットボトルの水をチビチビと飲みまくり。
ちょっと胃をやられてしまった。

お昼から夕方まで5時間連続レッスン。
ノドは気を使っていたので大丈夫でしたが、生徒さんが持ち込んでくる花粉が原因なのか、
口の中から気管まで、どんどん炎症していく感じ。
危険を感じ、1時間ごとにトイレでウガイをしましたが…。
結局全員のレッスンを終えて、スタジオの外に出たら治りました。

夜は川口市民合唱団の指導
先週はオペラの稽古で休ませてもらってしまったので、合唱祭以来の指導です。
いよいよ演奏会本番まで一カ月になったので、
ここで練習の傾向もシフトチェンジし、仕上げの段階に入ります。
荒削りに形成してきたものを、細かくディティールつけていく作業。
具体的に言うと、【音→声→言葉】という作業の最終段階です。
今年の夏までは第一工程。【音に言及】
合宿以降は第二工程。【発声を固める】
そしてついに第三工程。【発音を明確に】
さぁ、あとは数回の練習…頑張って仕上げていくぞ!



2009.11.4(水) 間違えた

昨年に引き続き、
二期会愛好家クラス・アドヴァンスドコースの助演をすることになりました。
で、西新宿の「芸能花伝舎」へ行ったのですが…
…あ、行く途中でテノールの西岡くんにバッタリ会いました。
それは良いとして、スタジオに元気良く「おはようございます!」と入っていったら、
主任の前澤先生や、アドヴァンスドの生徒さんが「?」の表情…。
あれ???
よくよく聞いたら、今日はまだ来なくても良い日だったそうです(汗)
間違えて先走って来てしまったのですが、せっかくなので歌っていくことに。
「ドン・パスクァーレ」の二重唱や、
「清教徒」のアリア中のアンサンブル、
最後には「ランメルモールのルチア」の二重唱を歌いました。
ノドは疲労でガリガリいっていたので、抜き抜きで歌わせていただきました。
くぅ…不本意。

少し早めに失礼して移動。
西武池袋線で仏子まで行きました。
夜は入間市「魔笛」の音楽稽古初日。
松井マエストロのもと、テンポが良く、とっても素晴らしい練習が進められていきました。
歌っていても、どんどん力を引き出してもらえる感じがして、気持ちが良かったです。
…で、止せば良いのに欠席されていたザラストロも歌ってしまったりして…。
いかんいかん、しっかりノドを休ませねば。

メルマガ「りひとweb通信」第23号を配信しました。
届いていない方がいらっしゃいましたら、ご連絡ください。



2009.11.3(火) タフになったなぁ…

今日もハードスケジュールでした。
午前中は渋谷のエレクトーンシティで11月7日の公演の稽古。
まずは第1部で歌う「赤とんぼ」のエレクトーン合わせをしました。
あの名作「赤とんぼ」をどんな風にオーケストラ・アレンジしてもらえるのか、
ずっと楽しみにしていましたが、期待以上。
素晴らしいオーケストラ伴奏による「赤とんぼ」をお楽しみに。

午後から「奥様女中」のエレクトーン合わせ。
セッコ(朗唱部分)以外の曲を全て歌いました。
その後、小道具を全て揃えて、通し稽古。
今までで一番のテンションと集中力で演じきりました。
終わった後は汗だくで、グッタリ…。

でも時間は流れていきます。
夜は「コジ・ファン・トゥッテ」の立ち稽古に初参加。
これまでに第1幕はすでに埋まったそうで、今日は第2幕からでした。
現代版の演出はなかなか過激!
昨年の【クリニック版フィガロの結婚】も結構すごかったのですが、
それに次ぐぐらいの衝撃演出です。
中には戸惑っている出演者さんもいるようですが、僕はもう慣れたもの。
エッチなシーンもノリノリで演じました。
相手役(ドラベッラ)の南さんも、今年春の「子供と魔法」でご一緒した仲。
濃厚デュエットも息がぴったり合って、楽しく演じられました。
これも面白いですよ〜。お楽しみに。

さすがにノドは疲れて炎症気味。
身体も疲労で熱っぽかったのですが、敢えて電車の中ではしっかりと身体を温めて、
自己治癒でメンテナンスしました。
う〜ん、ずいぶんとタフになったもんだ…でもまだ油断は禁物。
明日もハードだけど気を抜かずに頑張ります。



2009.11.2(月) 東京女学館GP&オペレッタ「こうもり」初稽古

今日はまず池袋でレッスンをして、
夕方は東京女学館音楽部のコーチ。
今度の日曜日に催される記念祭(文化祭)ステージのゲネプロでした。
照明や裏方を、すでに引退している高3が手伝ってくれています。
本当に素敵な先輩たちですね…その姿に感動してしまいました。

部員たちは3日連続で練習をしましたが、
今日はかなり緊張感もあって、ピリッとした良い演奏をしてくれました。
やればできるんじゃん。本番も期待しています。

夜は府中へ。
まだ「奥様女中」が終わっていませんが、同じ団体の次回公演が始動。
来年2月のオペレッタ「こうもり」の初音楽稽古。
日本語訳詞で歌っていきます。
古い訳詞なので、音楽と言葉が合っていなくて歌いにくい…。
ファルケはやっぱり全体的に音が高くて難しいです。
今日はほとんどがB組(僕はA組)でしたが、とても良いメンバーが揃っていて楽しそうでした。

…この一週間は「カンタータ」に「カルメン」、「こうもり」、
そして明日は「コジ・ファン・トゥッテ」初立ち稽古、
あさっては二期会愛好家クラスの助演と、入間「魔笛」の稽古。
新しいものが次々と始動していく…譜読みが全然間に合いません。
あぁぁぁ、頑張れ僕!



2009.11.1(日) バッハ「カンタータ」&オペラ「カルメン」初稽古

今日は朝9:00から、東京女学館合唱部のコーチ。
照明合わせから通し稽古まで一気に駆け抜けて指導しました。
この間のエネルギー源は、朝電車の中で食べたパン1個のみ。
ヘトヘトで学校を出ました。

午後はバッハ「カンタータ」の初稽古でしたが、稽古の入り時間が遅くなったので、
新大久保のスタジオを急遽借りました。

「バスソロ・カンタータ」という大役を授かったのに、
忙しさにかまけて音取りをしたのが昨夜…。
しかもCDで聴いただけなのに、いきなりオケ合わせ。
ヤバすぎる…。

お腹空いたので、おにぎりを頬張りながら譜読みをしました。
いざ、バッハ「カンタータ」のオケ合わせへ。
練習の成果が出て、ほぼ完璧に歌えました。
バッハの歌い方やメロディ構造がようやくわかってきました。
(一部、無調状態になったのはご愛嬌)

なんだかここまで来ると、かなり良いテンションになってました。

オケ合わせ会場だった要町の教会から池袋まで走り、
カロリーメイトを口に押し込んで、夜は「北とぴあ」へ。

今日が「カルメン」稽古に初参加でしたが、いきなり立ち稽古でした。
…といっても、もうしこたま演じたモラレス役。
演出もオーソドックスだったし、サラリと演じられました。
出番は終わったのに、他の役が揃っていなかったから、
ついでにエスカミーリョとダンカイロも歌ってきてしまいました。

喉は調子良いけど、さすがに歌いすぎた…。
明日に疲れが出なけりゃ良いけど。