舞台裏日記

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2010.5.31(月) オペラ「ラ・ボエーム」オケ合わせ

お昼に一人だけレッスンをしました。
夕方から渋谷のエレクトーンシティでオペラ「ラ・ボエーム」のオケ合わせ。
オケ合わせ…と言ってもエレクトーン2台によるオーケストラ。
スタジオも人工的な残響を加工して、とっても良い響き。

今日はB組のオケ合わせだったのですが、
ショナール役の方がお休みだったので僕が代理で歌いました。
稽古中にピアノ伴奏で感じるテンポ感と、オーケストラの音で感じるテンポ感は、
かなり違うことを感じました。
フレーズ感が大きくなる分、テンポの揺れが大きく感じるようです。
いずれにせよ、ザーッと最後まで通して練習して早めに終わりました。

話は変わりますが、オケ合わせの前に少し時間が空いたので、
渋谷のセンター街をプラプラしていました。
僕が学生の頃のような、やや危険な感じや、何とも言えない熱気がなく、
ずいぶんクリーンで活気のない普通の街になってしまっているのを感じました。
ただ、お店とかは面白みがありませんでしたが、
歩いている人のファッションを見ているだけで面白かったです。
新しい感性から取り残されないように…常に刺激を得ていたいものです。
(っていう発言がすでにおっさんくさいけど…)



2010.5.30(日) レッスンDAY

今日はお昼から夜までレッスン。
スタジオにこもっていました。
計6時間、5人をレッスン。
間には2時間空きがあったので白湯らーめんを食べに行きました。
おいしくてスープを飲み干しました。
生徒さんはみんな満足気に帰っていきました。
みんな口ぐちに「目からウロコでした」とおっしゃるのが面白かったです。
要は技術うんぬんを教えることよりも、
感覚的な勘違いをしていることを修正してあげているだけ。
お一人お一人の悪い癖を除いてあげる具体的なアドヴァイスをしていきます。
あとはそれぞれの人に合った簡単な練習方法を伝えました。
僕もそうだったのですが、先生にレッスンしてもらって良い声が出ても、
次のレッスンの時にはまた元に戻っている…。
レッスン以外の自主練習の際に何をすべきかを教えてあげなければ、
身につくレッスンとは言えません。
この調子でみんな上達していって、歌をもっと愛して欲しいです。
そして、歌を通して自分を愛せるように。人生にちょっとの幸せを加えて欲しいのです。

…なんてな。



2010.5.29(土) B組・荒通し稽古

今日は午後にオペラ「道化師」の音楽稽古。
合唱団の皆さんとの合同練習で、部屋はものすごい熱気。
キャストも両組揃って、すごい人数でした。
僕はお先においとまさせていただいて、ダッシュで移動。

夜はオペラ「ラ・ボエーム」のB組荒通し稽古。
これまでやった全てのシーンをザーっと流してみる練習です。
合唱団・児童合唱団も合同だったので先に2幕・3幕をやりました。
合唱団の皆さんは稽古回数が少ないこともあり、やや不安そう。
それを払拭して前回稽古の時のように伸び伸び演じて欲しいところです。
キャストはその後に1幕と4幕も多少抜粋しながらやりました。
マルチェッロさんが欠席だったこともあり、バラつく場面も多々ありました。
人が揃うのと、揃わないのでは、やはり集中力にムラが出るものです。
いずれにせよ、危ないシーンがいくつか残っていることを確認できました。
これからはそのシーンを重点的に練習していこうと思います。
残りまだ2週間ありますから、充実した2週間になりますように…。
皆さん、頑張っていきましょう!!



2010.5.28(金) 衣裳合わせ&確認稽古

オペラ「ラ・ボエーム」A組の確認稽古。
第1幕と第4幕が薄い(稽古回数が少ない)ので、
今日はこの2つの幕を通してみました。
特別な問題はないようで、スムーズに進んだので安心しました。
あとは全幕を通した時に、冒頭から幕切れまでが一本の筋になるかどうか。
その中で生まれるものを探します。

今日は稽古場にナレーションを担当してくださる声優の矢島正明さんが、
見学にいらしてくださいました。
名声優の矢島さんと同じ空間にいられるだけでも嬉しいのですが、
今日は実際にナレーションも読んでくださいました。
また他の稽古日にもいらしくださるそうです。

稽古の後は衣裳合わせ。
今回、男声キャストの皆さんには自前の衣裳をお借りするので、
候補となる服を持ってきてもらいました。
皆さん文字通り「衣裳持ち」で、どれも素敵な衣裳でした。
これで舞台が具体的に『画』として見えてきました。
舞台稽古が楽しみです。

夜は熊谷へ。ベーレンタール男声合唱団の指導。
来月頭には熊谷ミュージックフェスティバルがあるので、
仕上げの練習をしていきました。
ハーモニーも声も格段に良くなっているので、修正部分も限られてきました。
むしろ時間が余るほど…自信を持ってステージに臨めます。

帰りに実家に立ち寄ると、父とミミ役の船津さんがいました。
(船津さんは父の門下生なんです)
ついでに父:ロドルフォの衣裳もいくつか見せてもらって検討しました。
着々と本番に向けて準備が整ってきましたが、
あと2週間…期待と不安が入り混じった時間になりそうです。



2010.5.27(木) 「あらすじ」書き上がる

現在、深夜(朝?)4時です。
やっとオペラ「ラ・ボエーム」のプログラム用あらすじが書き上がりました。
字数制限が思ったよりも厳しかったので、
ものスゴイ要約をしましたが、まぁまぁの出来だと思います。
これでいちおう提出物関係は全て完了です。

さて、今日は起きてから衣裳(自前)の詮索。
クローゼットの中をゴソゴソと探しながら、何パターンかの衣裳を用意しました。
明日(5/28)が衣裳合わせなんです。

午後はお一人だけレッスンをし、
夕方は空いていたのでファミレスで未提出だったプロフィールを作成。
ケイタイのメールで作れるから、今は便利ですね。
昔は手書きをファックスとか郵送していましたから…。
その後は生徒さんに6月のレッスン予定をメールで配信。
生徒さんからぞくぞくと届く返信メールで決まったレッスン日時を手帳に書き込みます。
同時進行で7月11日のコンサート「古澤家」の伴奏合わせの日を、
伴走者さんとメールで相談。
その他にも別公演の打ち合わせなどをメールで。
本当に便利な世の中…ファミレスで全てが行えてしまう。

そうこうしているうちにあっという間に2時間が過ぎ、
夜は川口市民合唱団の指導へ。
しばらく目の前の演奏会などもないことと、僕のスケジュール調整がうまくいかないこともあり、
ここのところ休みがち…団員の皆さんには申し訳ないです。
木下牧子さんの作品を音取りして2時間の練習は終わり。
とても美しい曲ですが、なかなか木下節とも言えるリディア的和声法に手こずり気味。
慣れると音はハマりやすいし、心地良いんですけどね…。
しばらくは繰り返し音取り作業です。

一方、再来年に控える団結成60周年記念コンサートの準備もやっと動き出し、
団の役員さんたちが構成や曲目などを検討している模様。
団の意向や、思い入れもあると思うのでなるべく団員さんたちに委ねることにし、
傍観しながらもじっくりと模索していくことにしました。
焦っても良いものは生まれませんから、寛容に構えていようと思います。
素晴らしいステージになりますように…乞うご期待(2012年秋予定)



2010.5.26(水) 舞台打ち合わせ

結局、昨日は深夜を越えて朝まで資料作成。
寝たのは朝5時でした。

お昼から池袋でレッスン。
生徒さんがお一人風邪でお休みだったので、
空いたスタジオで1時間ピアノをポロポロと…。
即興で作曲して弾いて遊んでいました。

夕方から渋谷のエレクトーンシティへ赴き、舞台の打ち合わせ。
舞台セッティングのこちらのイメージを図面で説明し、
実際にそれをホールにある機材でどのように組み立てるかを相談。
照明の相談もしたかったのですが、
時間が足りなかったのである程度お任せすることにしました。
昨夜作った資料は使用できず…(涙)
その後は実際の舞台に上がって具体的な相談。
お借りする小道具のチェックをしたり、袖幕の長さなどを確認しました。
思ったよりも舞台を広く使えることがわかり、安心しました。

自作の舞台イメージ図と舞台図面

夜はオペラ「ラ・ボエーム」B組の稽古。
一言一句のレベルで芝居を作りこんでいきました。
やっとこういう稽古まで行き着いた…キャストさんのスケジュールもあるから、
こちらの理想よりも稽古回数に限りがあるので心苦しいです。
あとは演出家から出した要求をどのように吸収して、ふくらましてもらうかは、
キャストさん次第…。
さてさてどんなものが出来上がるのだろうか…。
どうぞお楽しみに。



2010.5.25(火) まるで試験

午前中はハーモニーベルズの指導。
新宿区合唱祭まで今日を含めてあと2回の練習。
大ホールを意識しての練習をしました。

午後は杉並区民オペラ「道化師」の音楽稽古。
バリトンの大久保眞さん。
テノールの五十嵐修さん。
テノールの大野光彦さん。
…という大スターの方々との共演です。
お三方が揃うと、さすがにすごい迫力。
その方たちの前で歌うというのはなかなか刺激的でした。

シルヴィオ役は音程も高く、技巧的に難しいので、
変に力まず、リラックスして音楽に集中するように常日頃から意識していますが、
今日も緊張する状況の中で、非常にフラットな精神状態で歌えました。
まだ解消できていない部分もいくつかありますが、
身体が疲労しているとは言え、しっかりと自分の力を出せたと思います。

夜は混声合唱団「樹」の指導。
こちらも埼玉県合唱祭まで残り2回。
大ホールを意識しながら歌うと共に、仕上げを綿密に行うことができました。
衣裳合わせもできたし、あとはのびのびと歌って欲しいです。

今夜は「ラ・ボエーム」の稽古もあったのですが、
こちらは草川マエストロと演出助手の海下くんに任せて、
僕は欠席させていただきました。
助手からメールがあり、なかなか充実した稽古ができたようで安心しました。
演出家が睨みをきかせていない稽古の方が良く出来るときもあるんですよね。
明日また稽古がありますから、楽しみです。
明日は照明・舞台の打ち合わせがあるので、その準備の為にまだまだ眠れません。
現在午前3:00…。
いったい何時に眠れるんだろう…。休憩がてら日記を書きました。



2010.5.24(月) 「ラ・ボエーム」稽古再開

しばらく助手に任せてあったオペラ「ラ・ボエーム」の稽古に復帰。
結局またしても第3幕だけの稽古になってしまいましたが、
かなり綿密に出来上がってきて、ほぼ仕上がりました。
あとは他のシーンを…もっと稽古しなければ。

今日は身体が疲労でガタガタでした。
身体中に乳酸が溜まっている感じです。
明日には身体が動くようになるかしら???



2010.5.23(日) オペラ「魔笛」B組本番

入間市文化創造館アミーゴでの、
オペラ「魔笛」〜森の物語〜が終演。

さすがに身体にはガタがきていましたが、
(右足のかかと、首、右肩がつっている状態でした)
気合いで乗り切りました。
公開ゲネプロを含めて4日連続の公演でしたが、
声には支障はなく、我ながら大したものだ…と思います。

今日は外も大雨でした。
客席から見て舞台背景はガラス張りで、
外も舞台装置の一部として活用していましたから、
毎日同じことをやっていても違った様相になる今回の演出。
そういう意味では本当に不思議で楽しい舞台でした。
 
昼間と夜で全く様相が変わる舞台

とは言え、お客さんの雰囲気というのは天候・気候にも左右されるもの。
雨の日はどことなく重い感じになります。
今日は冒頭からゆるやかに物語が進んでいく雰囲気がありました。
今まで稽古してきたことを信じて、自分のやるべきことを一つ一つ。
二幕の後半になると一気にストーリーが加速していきます。
20番のアリア(「恋人か女房が」)から「首吊りのアリア」、「パパパ」と、
駆け抜けていき、パパゲーノ自身の運命も大きく変化していきます。
毎回そうですが「パパパ」では幸せすぎて涙が出ます。

初めてパパゲーノを演じたのはオペラデビュー2本目でした。
終演と同時にあふれる涙を止められなかった、あの感動を、
いつまでも味わいたくて、毎回全力を振り絞っています。
今回も終演の少し前から胸が熱くなっていました。
終演後、カーテンコールが終わると…
←子役のみんなから寄せ書き
これを子供たちから手渡され、思わず涙があふれてしまいました。
嬉しかった〜〜〜(涙)

合唱団の皆さんと、プロ・アマ関係なく同等に力を合わせて舞台を創り上げた今公演。
もちろん参加者の皆さんからたくさん気を遣っていただきましたが、
オペラの稽古とは異例の6カ月間の共同稽古。
最後はまるでファミリーのような雰囲気で、みんながステップアップしていく感じでした。
僕も皆さんの熱意に勇気づけられて最後まで集中できたし、
僕自身が今回本当に成長できたと思います。
本当にありがとうございました。
今回の公演に関わってくださった全ての皆様に感謝いたします。
そして四日間お越しくださったお客様の皆様、本当にありがとうございました。
また…近いうちに皆さんに再びお会いすることができますように…。
 
左:昨日A組の皆さんと  右:今日B組のパミーナ&タミーノさんと

 
左:パミーナの絵姿とパパゲーノの口かせ  右:魔笛と魔法の鈴



2010.5.22(土) オペラ「魔笛」A組本番

 
入口やロビーにも木などが飾られ、森の中に入っていくような雰囲気

2日間の公開ゲネプロを経て、今日はいよいよ本番。
なるべく特別な意識をせずに、練習通りのテンションで淡々と準備しました。
とは言え、なんだかんだで疲労もたまっているし、
やはり本番というのは特別な意識が働きます。
なぜか朝から首と肩が痛くて、右を向くことができません。
そんなこんなで不安を抱えつつも冷静に舞台に立ちました。

実は序曲で小道具のトラブルがあり、
その処理を僕が最初のアリア中にこっそり行うことになりました。
その小道具をバレないように探しながら歌っていたのですが、
見当たらず…「???」と思いながら次のシーンまで演じて退場。
結局、僕が登場する前のシーンで他のキャストさんがうまく処理したそうでした。

狭い空間。お客さんも少なからず緊張している感じが伝わってきました。
シーンを重ねる毎に徐々に会場全体がほぐれていくようでした。
僕は相変わらず汗との戦い。
退場してはティッシュで汗を抑え、登場しては汗をかき。
今日も下着を何度も着替えました。
第2幕になると台詞が多く、場面もどんどん進行していくので、
演者も物語に引き込まれていきます。
パパゲーノはお客さんと絡んでアドリブ芝居をするシーンも多く、
緊張しながらも、その緊張感を楽しみながら演じていきました。

首つりのシーンでは「死なないで!」の声が客席からかかりました。
いくつか対応策は用意していたのですが、あんなに何度もたくさん声がかかったのは初めて。
アドリブで返していきながらも、頭ではものすごく計算をしていました。
まぁ…なんとか切り抜けましたが、演出の三浦さんには後で褒められました。
「かわしたり逃げたりしないで、正面からお客さんと向き合ってやり合ったのが素晴らしかった」

実は今日は父が客席に観に来てくれていて、
終演後はメールでたくさんダメ出しや、講評をしてくれました。
明日の本番に生かしたいと思います。
チケットは発売して即日完売だったのに、僕のお客様もたくさん来てくださって、
本当に嬉しかったです。
明日はついに最終日…悔いを残さないように頑張ります!

気づきましたか〜?黄色のマニュキアをしていました。



2010.5.21(金) オペラ「魔笛」B組公開ゲネプロ

公開ゲネプロ2日目。
嵐だった昨日とは真逆の快晴。
会場入りすると、ものすごい気温…。
すでに「試練」が始まっているようでした。

昨日と同様、静かにスタンバイ。
詰めの稽古をB組さんではあまりやっていないので、
少し不安はありましたが、とにかく自分の仕事を全うするのみ。

案の定、全体的に集中力に欠いている感じで、
セリフのテンポなどが今一つうまくいかない。
冷房が入らない会場にお客さんも少し苦しそうで、
なかなか会場の(心の)温度が上がらない感じでした。
2幕に入ると天井のファンが回り、気温も少しはマシに。
それでもちょっとしたミスやトラブルはあり、
グッとガマンしながら集中を保って演じていきました。
最後のフィナーレぐらいからようやくエンジンがかかり、
「パ・パ・パ」は今までで一番気持ちが入りました。

今日もなんとか最後までキレずに演じきれました。
ゲネプロ…とは言え、満席の客席ですから本番同様。
ギリギリのテンションで明日、明後日の本番に備えます。
あと二日!!
体力・気力との勝負!!



2010.5.20(木) オペラ「魔笛」A組公開ゲネプロ

いよいよきました。
今日は公開ゲネプロ。
ゲネプロとはいえ、お客さんが入る形なので本番と変わりません。
いい緊張感を本番にもっていく為に、
午後の稽古はなるべくニュートラルな状態にしていました。
部分稽古なので、その瞬間だけグワーっと本番のテンションにスイッチON。
そのシーンが終わったら一気に落として静かにしていました。

稽古が終わればあとはメイクと衣裳を自分で用意して、
静かに開演を待ちました。
会場はお客さんも入り、すごい熱気。
照明機材もたくさんあり、四方から照明が入るので暑い暑い。
尋常じゃない汗の量でした。
開演後に外では雨が降り始めました。
袖移動は外を使うので、ビニール傘をさして移動したり、
実際に外で芝居したりもするので、他ではあり得ない体験もしています。

不思議な空間。
あの空間でしかできない「魔笛」が繰り広げられているので、
演じていてもとっても楽しいです。
唯一、『敵』は『暑さ』!!!
公演中に下着のシャツを3回着替えました。
途中の水分補給に気をつけて、脱水症状を防ぎながらの公演でした。
終演後は…飽くまでゲネプロでしたので、ダメ出しや変更点のチェック。
まだあと3日続きますから、とにかく最後まで体力勝負。
頑張ります!!



2010.5.19(水) オペラ「魔笛」場当たり稽古

今日はオペラ「魔笛」の場当たり稽古。
数日かけて仕込みが行われた舞台は素晴らしい出来上がり。
客席にいても森の中にいるような雰囲気いっぱいの舞台です。
それにしてもこの空間によくぞこれだけの仕掛けが仕込まれたものだ。
照明の数もすごいし、その配線を仕込むだけでも相当なものだったと思います。
これだけの雰囲気でパパゲーノを演じられるのは幸せです。

稽古のときよりも舞台にある装置は増えているので、
それらを避けながら、うまく利用しながら場当たり稽古をしていきました。
今日は雨が降っていたこともあり、
舞台裏の移動や、出番を控えている間の居場所などをチェック。
結構これが大変な作業でした。
いわゆる『楽屋』がありませんから、
(更衣室はあっても舞台上の音が聴こえないから、そこで出番待ちはできません)
人がいない場所、通らない場所を探して居座りながら、
汗びっしょりの衣裳を乾かしたり、汗を拭いたり、着替えたりしていました。

今回はかなり特殊でありながら緻密に作られた演出なので、
アドリブや勘ではない芝居が要求されます。
とにかく今日は淡々と、1シーンずつ丁寧に演じていくことを心がけました。
『間』や『テンポ』が全て必然になるよう、一分のズレなく芝居を整理。
あとはこれまでの稽古で仕上げたものを正確に表現していくのみ。

明日から公開ゲネプロ(身内のみ)が2日連続。
その後、本番が2日間。
計4回!!
全てをムラなく演じきれるよう、頑張ります。



2010.5.18(火) 新境地

午前中はハーモニーベルズの指導。
団員さんも増えて、音にずいぶん厚みが出てきました。
表現もとてもシンプルになってきて、清潔感があって良いです。
今日はドイツ語の内容について練習をしました。

午後はレッスン。
お一人だけだったので、スタジオに残って自分の練習。
その後は時間がかなり空いていたので、
ご飯を食べたり、楽譜を買ったり、お茶をしたりして時間つぶし。
夜は混声合唱団「樹」の指導。
言葉(発音)の扱い方や、声の距離感やお腹の使い方など、
技術面の強化をはかりました。
その結果、今までにない声質が出来上がりました。
新境地に驚きましたが…団員さんたちはあまり実感がないみたい(汗)
自分たちの音の違いを聴き分けられるようになったら、
もっと安定するのになぁ。



2010.5.17(月) 第3幕ほぼ完成

今日は午前中に歯医者と耳鼻科に行って、
午後は一人だけレッスン。
夜はオペラ「ラ・ボエーム」の立ち稽古でした。
ミミ、ロドルフォ、ムゼッタ、マルチェッロという出席メンバーだったので、
第3幕を中心に稽古しました。
ここ3日間稽古してきたので、第3幕はかなり良い形になりました。
そろそろ通し稽古に向けてのラストスパート。
まずはしっかりとした形にしたいです。



2010.5.16(日) 合唱合同稽古

今日はお昼から池袋でずーとレッスンをし、
夜はオペラ「ラ・ボエーム」の立ち稽古。
2回目のソリスト&合唱合同稽古でした。

合唱の皆さん、児童合唱の子供たちも本当に頑張ってくださっていて、
僕が決めた「だいたいの」動きにたくさん色をつけてくれているので、
少ない人数ながら、個性的で立体感のある舞台になっていると思います。
非常にエネルギッシュで、こちらがパワーをもらっているような気分です。

合唱の皆さんを帰した後は、ソリストさんに残ってもらって、
昨日やった第3幕の復習と修正。
本当に時間が惜しいのですが、とにかく詰め込んでいくしかありません。
僕の時間配分がもっとしっかりしていれば良いのですが…
皆さんに本当にご迷惑をかけています。
明日もソリスト稽古があるので、
別のシーンも含めてさらに深めていければと思います。

いずれにせよ、昨日の「魔笛」稽古で風邪をひいたようなので、
体調を戻さねば…。



2010.5.15(土) ふらぁ〜

疲れもピークですね(笑)
先日、歯医者にいって歯を削って仮のフタをしているのですが、
削った部分が鋭利になったままなので、舌が当たって痛いです。
というか激痛です。
そんな訳でご飯を食べるのも辛い。
ツバを飲むのも痛い。
むしろ何もしていなくても常に舌が歯にひっかかって痛いんです。
そんなこともあって精神的にもやられています(汗)

今日も朝からオペラ「魔笛」B組の通し稽古。
まずは午前中に気になる部分の返し稽古をしました。
…というかほとんどパパゲーノは絡んでいるから休みなし。
お昼休みを挟んで、通し稽古。
衣裳をつけていたのと、部屋がものすごく蒸し暑かったので、
まるでサウナ…汗が止まらず、2時間半の間に3回もシャツを替えました。
とにかく体力が最後までもったのが我ながらスゴイ。
1幕フィナーレでは一瞬「ふらぁ〜」となりました。
でもでも、最後まで全力投球。
根性で乗り切りました。

ダメ出しがかなり押したので、慌てて稽古場を後にしたのですが…。
夜のオペラ「ラ・ボエーム」には遅刻。
駅からタクシーに乗ったのですが、運転手さんとプロ野球の話で盛り上がりました。
…ていうか最近野球を(むしろテレビを)観ていないので…。

夜の「ラ・ボエーム」は、かなり突っ込んだ部分まで稽古しました。
時間が全然足りなかったのですが、キャストさんとも体当たりでディスカッションしました。
作品と真正面から向き合っているからこそ様々な意見が出るし、
僕もキャストの皆さんを信じているからこそ無遠慮に指示が出せる。
絶対に良いものが出来上がる自信があるから、本気になれる。
とっても良い環境で舞台を創り上げられている実感が僕にはあります。
明日、あさっても稽古があるから、ここが本当に勝負ですね。
明日は合唱合同稽古です。



2010.5.14(金) 期待

今日は午前中に歯医者に行き、
午後は池袋でレッスン。
お一人お休みしたので、空いたスタジオで一時間自主練をして、
夜は熊谷ベーレンタール男声合唱団へ。
組曲「月光とピエロ」と、「Ave verum corpus」と団歌を練習しました。
本当に上達して、今日はさらに良いハーモニーでした。
アンサンブルもだいぶ感覚的に身についてきたし、
これが毎回できたら本当に素晴らしい。
今後に多大な期待を抱かずにはいられませんでした。
来週はお休みするので、代理の先生にお任せしますが、
いま伸び盛りだから楽しみです。



2010.5.13(木) オペラ「道化師」スタート&オペラ「魔笛」通し稽古

午前中は方南町というところへ。
杉並オペラ「道化師」の音楽稽古スタートです。
今日は別組中心の稽古でしたが、
スケジュール的に空いていたので早起きをして行きました。
日本語での「道化師」は初めて。
パッションの高さと日本語のまったり感のギャップを埋めていくのが難しかった。
意外と自分の中にぎこちなさが残ってしまう感じでした。

午後は池袋で2人レッスンをして、夜は入間へ。
いよいよオペラ「魔笛」の通し稽古です!
衣裳をつけての通し稽古…汗だくになりました。
後半は自分自身もノッてくるんだけど、なかなかスロースターター。
冒頭から前半部分がやや慎重すぎて、むしろテンポが作れないでいる。
そんな自己分析をしつつも、なかなかそこを処理できないでいます。
ここから長丁場。体力勝負だから、どうしてもペース配分を考えてしまいます。
土曜日にも別組の通し稽古があるから、そこではロケットスタートを試してみよう。
ラストの首つりシーンは、今まで演じたことのない作り方をしてみました。
ほんの微妙な変化でしたが、心の中では大きな変化がありました。

さ。とにかく疲れを残さずに、一日一日を丁寧に過ごしていこうと思います。
この一週間はとっても大事になってくるでしょう。



2010.5.12(水) 小道具そろう

午前中に歯医者に行き、仮のフタを歯につけてもらったのはいいけど、
フタはすぐに溶けてきて、削った歯の鋭利な部分がむき出し。
舌が傷だらけで痛いです…(涙)

午後はレッスンを一人だけして、夕方には府中へ。
東京シティオペラ協会の事務所へ行き、
オペラ「ラ・ボエーム」の小道具を全てチェックしました。
やっとほぼ全ての道具が揃って、稽古でも使えるようになります。

夜はそのまま稽古場へ。
今日は2幕、4幕をザーッと流し稽古。
とにかく動線を早く覚えていただいて、細かい部分にまで進んでいきたいです。
今はしばらく足踏み。外枠がまだ固まっていないので僕もガマンガマンです。
回数をこなして固まってきたシーンはとても良くなってきたので、
残りのシーンはこれから!
次回から奥深い部分まで言及していきたいです。



2010.5.11(火) 雨

今日は一日雨でした。
寒かった〜。なんだかちょっと鼻声です。

午前中はハーモニーベルズの指導。
二人も新入団員さんが入ってくださって嬉しいです。
今日は6月の合唱祭の為の練習をしました。

午後は池袋で二人レッスン。
二人のレッスンの間に1時間空きがあったのですが、
たまたまスタジオでバリトンの和田ひできさんに出会い、
ロビーでお話をさせていただきました。
とっても頭がよくて、いろんなことを知っていて、
また現在の日本のオペラ界の動向や、社会の状況をとても客観視されていて…
そんな話をたくさんしてくださいました。
僕は日本のオペラ界が社会情勢や世相を、
きちんと捉えられていないように思えて、とっても危惧しています。
いわゆる「オペラ界は世間知らず」という状況…。
もっと世間から親しまれる環境を作らないと、いつか破たんする。
そんな視点から和田さんのお話にはとっても共感できて楽しかったです。
また、その中で積極的に様々な問題に向き合って、
実際に行動して前に向いて進んでいらっしゃる和田さんを心から尊敬します。
僕ももっと勉強して、もっと動かなきゃ…。

夜は混声合唱団「樹」の指導。
訃報もあり最初は何とも言えない雰囲気でしたが、
歌って不思議なもので、歌っているうちにまた活気がみなぎってきます。
お亡くなりになった団員さんの為にも、
もっともっと楽しく歌える環境を作っていきたいです。



2010.5.10(月) 納骨

今日は祖母の納骨。
越生という場所へ行きました。

越生駅にて

お墓にお骨を入れて、みんなでお祈り。
周りの植木や石にお水をかけて、お別れをしてきました。
また会いに来るからね…。

その後は家族でご飯を食べに行き、実家へ。
まだ赤ん坊の甥っこや、猫のハナと遊んできました。

甥っこ爆睡

夕方には実家を出て、帰宅。
実家の駅に例のものがあったので、いちおうお決まりの写真撮影。



2010.5.9(日) ソリスト・合唱合同稽古

久しぶりに川口市民合唱団の指導へ。
ソプラノの出席率があまり良くなかったけど、
とても柔らかく、キレイなハーモニーができました。
これが毎回できるようになるといいなぁ。

夜はオペラ「ラ・ボエーム」の合唱合同稽古。
児童合唱、大人の合唱、そしてソリストが勢ぞろい。
合唱団の皆さんにとっては初のソリストとの合同稽古。
とても熱気がある…というか稽古場の人口密度が高くて暑かったです(汗)
ちょっと僕一人で見渡せないほど複雑なシーンでしたが、
時間との戦い…一分一秒をなるべく有効にと、奔走しました。

稽古後は打ち合わせを兼ねて、制作&公演監督とお食事。
たまたま同じ店に居合わせたマルチェッロ役の清水さんと、
楽しくお食事できました。



2010.5.8(土) 揃う

今日は朝10時から夕方5時までオペラ「魔笛」の稽古。
いよいよ本番まで稽古も数えるほどになり、佳境に入ってきました。
パパゲーノ走る!走る!叫ぶ!泣く!笑う!
まぁ、いつものことですが身体の限界を超えながら頑張っています。
お昼休みには会場前の緑がたくさんの公園でお弁当を食べるのが楽しいです。
合唱の皆さんもすごく頑張っていて…とにかく僕は体調管理を気をつけねば。

稽古が終わったら駅までダッシュ!
電車を乗り継いで移動をして、夜はオペラ「ラ・ボエーム」の稽古。
5分ほどの遅刻で済みました。
結局ご飯も食べれずに6時から9時まで立ち稽古をやりました。
マルチェッロ役のお二人も合流して、ついに全役揃い踏み。
本格的な稽古になりました。
今日はとにかく流し稽古…決められた動線を追ってもらう稽古をしました。
細かい部分はこれからこれから。
でも4月からずーっと稽古してきた部分は本当に素晴らしく、
かなり良いところまで仕上がってきています。
僕もやっとこれからショナール役に集中できますし、
本番まで一気に駆け上がっていきたいです!

明日はついに合唱との合同練習。
大人数を仕切っていかなければなりませんから大変ですが、
ここが勝負!一つの山を迎えようとしています。
頑張らねば!!!



2010.5.7(金) 上達したなぁ…

今日は池袋で1時間レッスンをしてから、
実家に寄って車を借り、熊谷へ。
ベーレンタール男声合唱団の指導に行きました。
「Ave verum corpus」(男声ア・カペラ版:古澤利人編曲)と、
「ベーレンタール男声合唱団・団歌」と、
男声合唱組曲「月光とピエロ」を練習しました。

ずいぶん声が揃ってきてハーモニーもはまるようになってきました。
厳しく指導してきた甲斐があります。
ここのところ僕が欠席することが多く、いろんな代理指導者に指導してもらったことで、
様々な角度から課題を指摘されて、クリアしてきたことが大きな自信になっているようです。
たまにゃぁ里子(さとご)に出した方が成長して帰ってくるものです…なんて。

話は変わりますが、お笑い芸人の山田花子さんが結婚されるそうですね。
お相手はトランペット講師!

実は僕がたまり借りている某スタジオで、山田花子さんと何度かすれ違いました。
トランペットを習いに来ていたんです。
しょっちゅう会うし、頑張って通ってるんだな〜と感心していました。

花子さんにとってはプライベートな時間だし、その熱心さに心を打たれていたこともあり、
話しかけないようにしていました。
当然日記などにも書かないようにしていたのです。

で、今日の発表!

いや〜そりゃあ熱心に通うわ。
すごいですね。
彼女の熱い気持ちに、講師の先生も応えていたのが、
こういう形でゴールインしたのかと思うと、何だか嬉しいです。

心から…
おめでとうございます!
末永くお幸せに!



2010.5.6(木) 次のステップへ

今日は午前中に歯医者に行って、午後はレッスン。
その後に夕方は東京女学館で指導する予定でしたが、
ちょっと体力的にきつかったのと、
G.W.明けで部活自体も親睦会をするとのことだったので、お休みさせてもらいました。

夜はオペラ「ラ・ボエーム」稽古。
いよいよ5月に入り、本格的な稽古に入っていきます。
一通りの外枠は出来ているので、ここからは深部に入っていきます。
あとはキャストの皆さんとのディスカッションによって、
より高いところ、より深いところを目指していこうと思います。
その中で僕からも難しい注文や、無理な提案をしていくことになり、
なかなか苦しい作業に入っていく訳ですが、
自分を信じるのと同時に、演者を信じて互いに考え抜いていきたいです。
こだわりは持たず…ただただ楽譜と芝居の間を読み込んでいく。
客観性が演出家としての僕に与えられた唯一の使命です。
素晴らしいキャストさんと合唱さん、そしてスタッフ。
6月の公演にはどこの劇場にも負けないものが創り上げられればと思います。
頑張ります!!



2010.5.3(月・祝) 連休なんですね

忘れていましたが、世間はゴールデン・ウィークなんですね。
どうりで今日はオペラ「ラ・ボエーム」の稽古だけでした。
今日はとても大事な稽古だったのですが、
予想外の欠席があり、やりたかった練習はできませんでした。
これからも計画通りには進まないだろうから、
それに流動的に対応していかなければなりません…。
その辺りが今後は不安…。
明日は一日オフ…でしたが、急きょ一人だけレッスンが入りました。



2010.5.2(日) アマチュアパワー

今日は…
朝9:30から夕方4:00までオペラ「魔笛」の稽古。

合唱は地元のアマチュアの方々なのですが、
今回の台本では合唱の方にも個々にセリフがあったり、
キャストのアリアや場面転換等の際にも様々な役回りで登場するので本当に大変。
案の定なかなか形にならず…
正直「本番までに間に合うのかな…」と心配していたのですが、
幕ごとの通しに入った前回の稽古あたりから急にお尻に火がついて、
まったく見違えるようでした。

今や安心感すら感じる。
アマチュアパワーの凄さに脱帽です。
こういうエネルギーは逆にプロにはない部分です。
むしろ見習わなくちゃ。
いい意味で合唱の皆さんからプレッシャーをもらっている感じです。

一方、夜は僕が演出をするオペラ「ラ・ボエーム」の稽古。
府中へ移動しました。

今日は合唱の初立ち稽古でした。
どの程度できるのか?
どこまで導けるか?

不安だらけの稽古スタートでしたが、
フタを開けてみれば、皆さん芸達者。

少ない稽古回数でどこまで作れるのかわかりませんが、
少なくとも初日としては満足。
とてもエネルギッシュな舞台が作れました。
これで良いんです。
毎回全力投球。
そうやって積み上げていったもののゴールは予測できません。
皆さんの可能性と底力を信じて、突き進んでいきたいと思います。
本番が楽しみになってきた。



2010.5.1(土) 5月になっちゃった!

時の経つのは早いもので…。
まだまだと思っていた5月がとうとうやってきました。

この4月までは公演も緩やかなスケジュールだったのですが、
5月にはオペラ「魔笛」2日公演をシングルキャストで務めたり、
6月のオペラ「ラ・ボエーム」の稽古を演出家として牽引していく意味で、
立ち稽古が本格化します。
さらには7月以降のオペラ等の練習も一気にスタート。
ここから2010年半ばの大きな山へ向かっていきます。
何より体力勝負!…体調管理には気を遣わねば。

そんな訳で、今日はオペラ「魔笛」の稽古。
いよいよ幕ごとの通し稽古が前回から始まっているのですが、
特に物語冒頭の部分が難しい!
不思議な世界へとお客さんを一気に誘わなければならない…。
それにはかなりセリフが凝縮されていながら、
芝居の流れとしては分散しているので、
これをうまくつなぎながら自力でシーンを創っていかなければなりません。

今日、通してみると…
冒頭のシーンさえうまく流れてくれれば、あとは一気にパパゲーノとして持っていけるのですが、
どうも最初のシーンが「パパゲーノ」として人物像が確立していない…。
他の役や動物や物語の舞台である「森」との関係性が全体的に希薄のまま、
うまく波に乗っかれないでいる感じです。

さてさて…稽古も残りあと数回。
ペース配分もわかってきたし、いよいよ仕上げの段階。
特に最初のシーンに集中して頑張っていきたいと思います。
今日は10時から17時半まで稽古。
その後は池袋でレッスンをしてきました。