舞台裏日記

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2011.9.29(木) 久々

午前中は劇団青年座研修所の授業。
みんな楽しそうに歌ってくれるから嬉しいです。
いよいよミュージカルの練習に入り、歌を指導しています。
ちょっとしたアドバイスですぐに良くなるんだけど、
次の瞬間には元に戻ってる…(汗)
ここでいかに積み上げていけるかが、プロになる絶対条件。
このセンスが一番の才能だと僕は思っています。

午後は東京女学館合唱部の指導。
「ハレルヤ」を徹底的に練習しました。
1ブロック毎にねちっこく指導を重ね、やっと完成。
あとはこれをしっかりと浸透させることができれば良い演奏になるでしょう。

夜は久々に川口市民合唱団の指導。
もうずーっと出れなかったので心配でしたが、
団員の皆さんも温かく迎えてくださってホッとしました。
市民合唱祭の為の練習をかなり綿密にやりました。
ヴォイトレ法も新しい方法論を取り入れて、
だいぶ声も良い傾向になった気がします。
またしばらくお休みさせてもらうことになるので、
申し訳ない気持ちでいっぱい…。
身体があと3つは欲しいです。



2011.9.28(水) オペラ「泣いた赤鬼」@川越市民会館

「川越音楽」の例会でオペラ「泣いた赤鬼」を上演しました。
制作は僕がデビュー当時からお世話になっているオペラ彩。
この「泣いた赤鬼」も10回以上参加させてもらっている作品です。
直井研二先生の演出があまりにも見事で、ほぼ完成形。
身体に染みついた芝居を繰り返して演じているだけなのですが、
それでも毎回作品や役に対する感じ方が違うのは、不思議なものです。

今日は1000人を超える満席のお客様の前で青鬼を演じました。
さすがに大きなホールだと表現の仕方も変えなければならなくて、
ゆったりと大き目に動き、語るように気をつけました。

お客さまの反応はとってもホットで、何をやっても反応してくれる感じ。
笑い声が飛び交い、時には手拍子までいただきました。
ラストシーンはどのように伝わったのかはわかりませんが、
赤鬼役の父:古澤泉との共演は、物語の筋とも重ね合って感慨深いものがあります。
いつもラストは舞台上で本当に泣いてしまう父。
そんな父を袖から見ていて涙がこみ上げてしまう息子。
終演後、父から「利人が青鬼だとなんか特別に泣けちゃうんだよね…」と。
オペラで共演して互いに泣いている…そんな変な親子です(笑)

終わってから観劇に来ていた母と親子三人で食事。
しばらく会っていなかった母は相変わらずいい笑顔をしていて、
なんだかとってもキレイでした(※マザコンではない)。
これからはもっと父にも母にも親孝行をしなきゃなぁ…なんて思った、
初秋の夜でした。

上左から…赤鬼:父 木こり:伊東剛さん 青鬼:僕
娘:飯尾玲子さん 百姓:大橋正明さん ナレーター:梅津碧さん 妻:和田タカ子さん



2011.9.27(火) オペラ「泣いた赤鬼」リハ

午前中はハーモニーベルズの指導。
発音・発語をメンテナンスしていくだけで声の通りが変わる。
ピッチもだいぶ良くなってきました。

午後は池袋でレッスン。
11月の発表会まであと1、2回しかレッスンできないから、
時間を惜しんで指導しています。
10月のスケジュールが壊滅的だから…ここが勝負。

夜はオペラ「泣いた赤鬼」のリハでした。
明日が本番(一般公開なし)なので、最終チェック。
今日もノーミスでいけました。
父が演じる赤鬼が新技も増えてパワーアップしていました(笑)
最初は思わず一緒になって楽しくなってしまいましたが、
危うくキャラクターがぶれていきそうになって、慌てて立てなおしました。
明日は父に負けないように(引きずられないように)頑張ります!!



久々に「りひとの部屋」を収録しました。よかったら観てください。



2011.9.26(月) レッスンDAY

今日はレッスンDAY。
午後は池袋で3人レッスンをした後、
夕方は東京女学館合唱部の指導をしに広尾へ。
かなり熱い指導をしたせいで汗だく。
夜は再び池袋で4時間レッスン。
終わったのは23:30…いや〜疲れた〜。



2011.9.25(日) オペラ「泣いた赤鬼」稽古&理事会

オペラ「泣いた赤鬼」の稽古。
もう歌い慣れた作品だけど、未だに上手く歌えた実感がない。
青鬼…深い役です。

夜は東京シティオペラ協会の理事会。
とても有意義な議論ができました。
来年、再来年の公演も続々と出揃ってきて…
ますます忙しくなりそうです。
すっかり演出家業が充実。
こりゃあ、来年いっぱいも休みはなさそうだなぁ。



2011.9.24(土) 「仮面舞踏会」連日稽古

江東少年少女合唱団…
先月、ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」を含む
サマーコンサートを終え、
今月頭にはJr.オーケストラとの共演も果たしました。
これで1学期が終了。
今日から2学期です。
久しぶりに会った団員の子供たちは自信に満ちているのか、
とてもキラキラしていました。
声も断然良くなっているし…子供の成長ってすごい。

合唱団は途中で早退させてもらって、
夜はオペラ「仮面舞踏会」のソリスト稽古。
まだ荒立ちがついていなかったシーンを埋めていきました。
キャストさんによって内容の把握の仕方がまちまちなので、
そこを注意しながらも、システマチックに動線を覚えてもらう作業。
深い内容については後回しです。
…というのが僕のやり方。
先日終演した「ラ・ボエーム」でも、
キャストさんの中にはこの手順に戸惑った方もいたようですが、
中から外ではなく、外から中へ…という形で本番に向かっていきます。
すぐに結果や説明を求められても、それはじっくり各々が考えていただいて、
その上で、最終的な決断を僕が下す…それが演出家の役割です。
その為には多少空っぽでも、まずは動きを覚えてもらう。
そしてその動きの中に僕が意図しているものがある。
それをどう読み取るか、を鋭い視線で僕は見ています。
さてさて、本番まで練習回数も限られてきました。
各々がどのような仕上がりになるのか、今から楽しみです。

練習の終盤はダンスパートの稽古でしたが、
どうも上手くいっておらず(クリエイティブな作業なのでそれで良いのです)、
練習後に振付&ダンサーの遠藤さんと打ち合わせ。
アメリアの人生や、女性の恋愛観などを語りながら分析しました。
アメリアはなぜウルリカのところへやってきたのか?
そもそもなぜリッカルドを愛してしまったのか?
ウルリカの本当の意図は?
語り出すと止まらなくなりますが、そんなことを内包したダンスを要求しています。
【無茶振り王:古澤利人】健在です。
あとは任せまっせ。期待しています。



2011.9.23(金) 仮面舞踏会ソリスト稽古

午前中から東京女学館合唱部のコーチ。
少なからず上達しているのがわかって嬉しかったです。
講堂での練習でも、よく声が通ってきて、
あとは言葉と音楽の処理…といったところ。
でもこれが一番難しい。
残り1カ月半。しっかり指導していきます。

夕方4時まで練習するとさすがにクタクタ。
まず足がめちゃくちゃ痛くなりました。
声も枯れちゃったし。。。

夜は昨日に引き続きオペラ「仮面舞踏会」の稽古。
主要キャストがほとんど揃う今日が最大の山場でした。
しかも昨日の時点で合唱を取りにしたことで、
初の純粋なソリスト稽古ができました。
できる重唱を全てやって稽古終了。
これでほとんどのシーンの荒立ちがつきました。
あと2シーンで完成(※荒立ちが…)。残りは明日仕上げます。

それにしてもとても素晴らしいキャスト陣。
これはお見逃しなく!!



2011.9.22(木) オーディションの末に

午前中は劇団青年座研修所の授業。
先週行ったオーディションの結果を言い渡さなければなりませんでした。
心苦しいものだけど、研修生たちは意外に淡々と受け入れていました。
…まぁ、心情まではわからないか…。
早速、それぞれの役で練習開始。
脇役にも必ず見せ場を作れるように工夫してあげるのが、
せめてもの愛情かな。

午後は池袋でレッスンをして、
夜はオペラ「仮面舞踏会」の稽古。
昨日、台風の為に貴重な稽古が一回中止されたので、
練習スケジュールがかなりキツイことになりました。
とにかく、今日から3日間でできるシーンを全てつけなければ…。
助手と綿密に打ち合わせをしてから、稽古開始。
合唱の皆さんはかなり完成度も高くなってきました。
ソリストがあまり集まっていなかったので、合唱中心の稽古になりましたが、
とりあえずできる範囲のシーンはできたので良かったです。
さ、明日が山だぞ…頑張ります。



2011.9.21(水) 稽古に台風なんて関係ない

台風が関東上陸。
家を出ようにも、あまりの雨量と風速に足がすくみました。
お昼から池袋で1時間だけレッスン。
僕が連絡した時にはすでにスタジオに早々に着いていた生徒さん。
この方の為には何が何でもスタジオにたどり着かねば…。
他の方には安全の為、お休みいただきました。

午後には台風が本格的に。
それでも稽古はあるのです。
「サッちゃんとツトムくんの物語3」の稽古。
夜にある予定だったオペラの稽古が取り(=なし)になったおかげで、
夜まで時間が空きましたから、
4時から8時半までガッツリ稽古をしてもらいました。
僕は新しいキャラクターの役作りの為、【型】を覚えなければなりません。
言葉のリズムもこれまで演じてきたものの中にはないタイプですから、
とっても難しいし、身体がそれを掴んでくれるまで時間がかかる。
とにかく練習をしまくって、全身で言葉を発することができるよう努力が必要です。

汗だくになった立ち稽古。
外では強風と土砂降りの嵐…そんな中で稽古場は熱気に満ちていました。

稽古も終わり、帰宅…でも電車が止まっている。
仕方なく茅場町の駅から徒歩で大手町へ。
そこから丸ノ内線に乗り、止まったり動いたりしながら池袋へ。
西武線のホームは人が溢れかえっていたので、
少し空いている各駅停車でのんびり帰りました。
結局いつもなら1時間で帰れる道のりを、2時間半かけて帰りました。

帰宅してからは、明日発表しなければいけない、
劇団青年座研修所のミュージカル(声楽試験)の配役を検討。
なかなか決められないで悩んでいましたが、いちおう全役あてまめました。
正直、実力の差なんてほとんどありませんから、
心苦し想いをしながら、キャスティングを決定しました。

最近、忙しすぎて日記も書けないでいたので、2日分書きました。
もう限界…眠いです。
おやすみなさい。



2011.9.20(火) コテンパン

昨日の余韻にひたる間もなく、
午前中からハーモニーベルズの指導。
ここしばらくお休みさせていただいていたのですが、
快く皆さんに迎えてもらえて嬉しかったです。
またこれから頑張ります。

お昼はレッスン。
そして夜はオペラ「魔笛」のマエストロ稽古でした。
ついに登場!星出マエストロ。
一昨年の「カルメン」、今春の「ラ・ボエーム」とお世話になりました。
この方と「魔笛」をどうしてもやりたかったから受けたオーディション。
合格することはできたものの、マエストロとお会いすると緊張が走ります。
稽古開始前にご挨拶をすると…
「コテンパンにするから覚悟しとけよ」と言われました。
気合いを入れて臨んだ音楽稽古でしたが、
マエストロに予言された通り、コテンパンにされました。
う〜まだまだ勉強が足りないんだ…。
音符や言葉の隙を、重箱をつつくかのごとくつっつかれて、
最終的には自分の未熟さが重くのしかかる…。
星出マエストロとの現場では毎度のことですが、
このプレッシャーに正面から立ち向かえなければ世界では通用しない。
この3カ月、徹底的にしごいてもらえるよう、
こちらも限界以上の努力で食らいついていきます。
11月19日のオペラ「魔笛」は僕のオペラ人生の結晶です!
絶対にお見逃しなく。

帰宅してからは明日稽古のオペラ「仮面舞踏会」の演出プランを練りました。
一手置いて、進めてみては全てを破棄し、また違う一手を打ってみる…。
まるで詰将棋のようです。
そうこうしているうちに夜中になりました。おやすみなさい。



2011.9.19(祝) オペラ「ボエーム」終了

僕が最も影響を受けたオペラ作品を演出させていただきました。
昨年の6月公演の再演…という形でしたが、
今回は演出コンセプトも全く違い、
ナレーション台本も一から作り直しました。
動線なども敢えて白紙の状態から練り直し、
遠慮がちだった前回の反省を生かし、
今回は一切の妥協なしに徹底的に作り込んだ芝居を求めました。

特にエンディングは賛否両論あると思いますが、
今回のコンセプトを何度も練り直した結果、あのようなエンディングになりました。


東京シティオペラ協会の公演は
『字幕なし、ナレーション付き』という形式が定着していますが、
今回はそのナレーションを物語の一部にしたいと考え、
ナレーションの矢島正明さんを【老齢のロドルフォ】に設定。
ロドルフォの回想と、それを綴った彼の小説作品を朗読していく形式にしました。
それは、ロドルフォがあの通常の幕切れの後にも、
しっかりと生き続けていることを前提にしたかったからです。

幕開き…仕事をしているマルチェッロとは対照的に茫然と窓の外を眺めています。
文章を書く霊感を失っているからです。
第1幕中盤で友人たちが街へ繰り出そうとしている中、
ロドルフォだけは部屋に残り、仕事を片付けようとします。
その仕事とはゴシップ誌『カストロ』の記事…およそ文学的な内容とはほど遠い。
「気が乗らないや…」金稼ぎの為の仕事。
彼は今の生活に疑問を感じ、詩人としての霊感すら薄れています。
そこへミミが現れ、彼女の存在をもってしてロドルフォは詩人として復活します。

やがてミミと別れるとまたロドルフォは詩が書けなくなっています(第4幕冒頭)。
そして彼は彼女と再会をし、最終的にミミの死を目の当たりにして幕となります。

ロドルフォはミミの死後、時間が止まったような悲しみを経て、
その思い出を小説に書くことで悲しみを乗り越えます。
その作品をもって彼は小説家として一人立ちし、
怠惰に夢を追っていたボヘミアン生活と決別します。

その後、彼はミミとの思い出を胸に大切にしまいながらも生き続け、
やがては家庭を持ち、平穏な老後を過ごすのでした…。


…これはプログラムの挨拶文にも書いたことですが、
あの未曾有の大災害を目の当たりにし、
「芸術なんてものが一体なんの役に立つのだろうか?」
という強烈な空しさに直面したアーティストは多いと思います。
そして被災地の方々が心に負った傷の深さや、
いま現在、そして今後の困難な状況は想像を絶します。

しかし報道や、現地に赴いた人からの話を聞く、
そんな状況の中でもたくましく生活をしている方々の力強さには、
本当に頭が下がる想いです。

だからこそ…ロドルフォの時間はあそこで止まって欲しくなかった…。
彼はたくましく生き続け、そして幸せにならなければならない、と思ったのです。
それこそがリアリズムであり、決して劇的な「悲しみ」に酔わないで欲しい…
というメッセージを送ったつもりです。


会場ロビーに季節はずれなクリスマスツリーを飾ったことも、
オペラのフィナーレで老年のロドルフォとその孫たちを登場させたことも、
幕間の転換を敢えて見せたままにしたことも、
全てはこれは客席の皆さんと別世界の話ではないし、
それでいてあくまでもこれは作り物の世界であること…という、
コントラストを表現したかったからです。

…と、まぁ解説をしてしまいましたが、
この物語の幕切れは敢えてオープンエンドにしました。
お客様お一人お一人が、純粋に感じたものをエンディングとしていただければ、
それでこの演出は完結します。

という訳で、お越しくださった皆さまありがとうございました。
出演者、スタッフ、関係者の皆さんには本当に感謝しています。
特に、僕の無茶な注文を形にしてくださった舞台・照明スタッフの皆さんには大感謝。
またあらゆるセクションから下働きを請け負い、僕の下で懸命に働いてくれた、
演出助手の海下くんには心からお礼を述べたいです(本人には直接言ったけどね)。
指揮者の草川さんとは毎日一緒に電車で帰り、たくさんお話ができました。
いつも楽しく、大らかに現場を盛りたててくださりありがとうございました。
僕にチャンスを与えてくださり、育ててくれた東京シティオペラ協会の川村先生にも、
感謝の言葉を尽くしきれません。どうぞ、これからも皆さん、よろしくお願いします。

B組&C組キャストさん、お疲れ様でした。
ものすごい勢いで成長を遂げた若手の皆さん。
安定感を揺るがすような難しい注文を理解し表現してくださった中堅・ベテランの皆さん。
ありがとうございました。とても幸せでした。
また、皆さんとお会いする日まで…。

第1幕スタンバイ中の舞台…まだ作り途中ですし、照明が入らないとこんなにシンプル。


下手花道から見た様子。反響板を舞台装置として使ったのが目玉の一つです。



2011.9.18(日) オペラ「ボエーム」初日本番

お昼からC組のゲネプロ。
舞台や照明の最終直しを施して、出演者にはダメ出し。
これで僕の仕事は全て終了。
あとは本番を待つのみです。
本番になれば僕のすべきことは何もなくなる。
いちおう何か問題があったり、確認すべきことがあると、
基本的には僕のところに全てチェックは集まり、
僕がGOサインやダメサインを出すのですが…。

夜はA組の本番。
僕もスーツに着替えて客席へ。
休憩中にはキャスト・合唱・舞台・音楽・メイク・演出など
各セクションの様子を見に回ります。
何か問題は起きていないかを確認しながら、
修正すべき部分をチェックしていき指示を出していきます。

客席でお客さんの反応を見ながら舞台を眺めるのは、
なかなか怖いです。
自分が出演していればいろいろフォローできたり、
うまくいかないのも自分の責任になりますが、
演出家としては何の手助けもできないし、全責任は自分のものに。
このプレッシャーがなかなかのものでした(笑)
今日の本番はどうだったんだろう?
稽古をしていく中でとても頑張って成長した方や、
見事に舞台で演じてくださった方もいて、嬉しかったです。
どうしたって練習通りには運ばないのが本番です。
うまくいかなかった部分も含めて、本番として受け止めねばね。

さ、明日はB組&C組の二つの本番です。
心臓が持つかな…(笑)



2011.9.17(土) オペラ「スザンナの秘密」本番&オペラ「ラ・ボエーム」GP

大畑裕江さんのリサイタル後半にゲストとして呼んでいただき、
オペラ「スザンナの秘密」に出演させていただきました。
訳詞・演出も僕が手掛けて、「りひとワールド」満載です。
午前中にリハをして、サウンドチェック。
本番はとても楽しめました。
お客様もたくさん笑ってくれたし、とても嬉しかったです。

終演後は着替えてただちに東京へトンボ返り。
新幹線で大宮へ、大宮から武蔵浦和。
武蔵野線で西国分寺。中央線に乗り換えて国立へ。
国立からタクシーで『くにたち市民芸術小ホール』に入りました。

夜はオペラ「ラ・ボエーム」B組ゲネプロ。
照明もだいぶ仕上がってきて、あと少し。
B組キャストも良い感じに仕上がってきました。
残すは明日のC組ゲネプロのみ。
本番になれば僕は何も手助けできませんから、
明日までが僕の仕事です。
皆さん頑張ってくださいね。



2011.9.16(金) 軽井沢へ

オペラ「スザンナの秘密」のために軽井沢へ。
もっと遠いかと思ったら、新幹線を使えば2時間で着くんですね。

軽井沢駅のプレート
軽井沢に着いたらすぐ会場の『大賀ホール』入り。

池の向こうにある大賀ホール
しばらくホールの中を散策したり、響きを確認したりしてから、
舞台のセッティング&場当たり。
その後、通し稽古をしました。
か、完璧だった…。
気を良くして夜はいっぱい食べて、コテージへ。
ツインの部屋に一人で泊まるのはさびしかったけど、
本番の前はしっかりと眠らなきゃね。
明日は頑張ります。



2011.9.15(木) オーディション&「ラ・ボエーム」ゲネプロA組

今日は午前中に劇団青年座研修所の授業。
これだけの人数を一人で授業するのは大変…。
オペラ研修所だったらこの半分の人数を5、6人の講師が指導する。
…と愚痴っても仕方がないのですが、今日はオーディション。
後期は3つのミュージカルのハイライト発表をしてもらいます。
そのキャスティング・オーディションをしました。
これも審査員は僕だけなので、完全に僕の主観で決めなければなりません。
あぁぁ…どの子も一生懸命だし、着実に成長の跡が見えるだけに、
このキャスティング選考は心が痛む。

午後はオペラ「ラ・ボエーム」のA組ゲネプロ。
ゲネプロ開始2時間前に入ってセッティングやら何やら。
全てのセクション(舞台・照明・小道具・キャスト・音楽)から、
矢継ぎ早に要望や質問が飛んでくるので、
それを一つ一つ解消するだけで2時間は簡単に過ぎてしまいます。
もちろん予想外の問題も発生したりするもので、
とにかく頭がフル回転でした。

ゲネプロが開始してからは、照明さんや舞台さんへのリクエストをしつつ、
出演者へのダメを書き留め、修正箇所も検討しつつ、
そんな中でもいろいろなトラブルや質問が飛んでくるのに応え…。
とにかく僕のいる場所がこの舞台の操作盤の一つみたいなものですから、
(もう一つの操作盤はオケピにいるマエストロ:指揮者)
何をするにも必ず僕の確認や許可がいる訳です。
この重圧感がたまらなく楽しい反面、全責任を負う覚悟でやっています。
こっちを立てればこっちが立たず…全体のバランスを見ながら、
全てが一番良い方向に進むよう、頭の中のスイッチを入れていく感じです。
そして、ある部分では大雑把でなければいけない。
本当に難しい仕事です。そしてやりがいのある作業です。

A組ゲネプロはいろいろ(たくさん?)ミスがありながら終了。
本番を安心して迎えられる感じではないのですが、
それが僕の考えるゲネプロのあり方。
ミスをして良い最後の稽古ですからね…本番は緊張感を持ってのぞめそうです。

帰りは今日もマエストロ草川氏と夕飯を食べてから。
最近、毎日マエストロとディナーだなぁ。
まるで恋人か女房だ(笑)



2011.9.14(水) 「ラ・ボエーム」通し稽古終了!

今日は午後と夜と2組、
オペラ「ラ・ボエーム」の全幕通し稽古をしました。
本番と同じ進行で、ただし衣裳やメイクなどはなしで、
通常の稽古場で行う最後の稽古です。
このあと、本番の会場で、本番通り通すゲネプロがあり、
最後に本番一発勝負に挑む訳です。

中堅主体のC組の安定感も素晴らしいのですが、
若手主体のB組もとても熱くて素晴らしいです。
B組ラストシーンでは…出演者が泣いていました。

かなり緻密に組み立てた演出なので、
動きそのものに関してはほぼ完成。
特に直す部分もありませんでした。
あとは中身…役作りや物語一本を通した心の変化など、
深く掘り下げた部分を構築していくのが、この通し稽古とゲネプロ。
最後の最後で自分を見つめながら、このオペラを完成させて欲しいです。

さて…明日はいよいよA組ゲネプロ。
舞台・照明美術も含めて、どんな仕上がりになるのか?



2011.9.13(火) 「サッちゃん〜」&「ラ・ボエーム」

午後は「サッちゃんとツトムくんの物語3」の稽古。
出演者として、全力で稽古しています。
今日はいわゆる【型】の練習をしました。
ネタバレしてしまうので詳しくは言えませんが、とある【型】を練習中。
結構身体を使うものなので、ちょっと腰にきてしまいました。
こりゃあ、身体をきちんとメンテナンスしとかないとだ…。
  
※なんだかわかっちゃうかなぁ…内緒…

夕方からオペラ「ラ・ボエーム」の場当たり&通し稽古。
今回はホールの特性を生かした演出になっていて、
舞台自体は非常に簡素です。
合唱団も少ないので、舞台上はやや寂しいですが、
その分、たくさん動かして、見どころを満載にしています。
たぶん一回観ただけじゃ、全体像は把握しきれないかも…。
苦労をしてきたキャストさんほど、伸び率がよく、
「努力すれば実る」というのを心から感じる仕上がりです。
もちろん努力をしなければ停滞します…停滞したらプロとしては失格です。
だからみんなで一歩でも高いところを目指す。
そんなエネルギーを感じられる舞台にしていきたいです。

2日目の昼公演はチケットがもうほとんどないそうですが、
他の公演はまだ大丈夫です。
どうぞどうぞ、お見逃しなく!



2011.9.12(月) 通し稽古の集中力

今日はオペラ「スザンナの秘密」通し稽古。
最後の稽古です。
毎度のことながら、この通し稽古を一番大事にしている僕。
今日はいい集中力と、いい客観性で演じ切れました。
今までで一番良い出来。ほぼ完璧に演じられたと思います。

夜はオペラ「ラ・ボエーム」の稽古。
組によってだいぶ仕上がりに差が出てきましたが、
あとは個々の頑張り次第。
どこまで真剣勝負で舞台にのぞめるか…それが公演の質を決めます。
最高の「ラ・ボエーム」を目指して、気を引き締めて頑張ります!



2011.9.11(日) オペラ「ラ・ボエーム」三昧

今日は午後&夜とオペラ「ラ・ボエーム」の稽古。
午後はA組、夜はB組でした。
両組とも全幕稽古ができたし、
全体的な流れはかなりよくなってきました。
あとは個々の煮詰め方によって完成度は変わっていくでしょう。
個々の芝居の問題点だけを指摘していく作業。
外側から作っていって、最終的に一番芯の部分を固めていく形で、
ステップアップしていきたいと思います。
あと一週間。
キャスト・合唱の皆さんの進化を楽しみにしています。

ところで今日はマルチェッロさんがお休みだったので、
ショナール役の平岡くん(ていおんイエロー)が代役を務めてくれました。
僕の意図を完全に読み込んでくれて、完璧に演じてくれました。
改めて「ていおん!」メンバーってスゴイなぁと思いました。



2011.9.10(土) 新記録

今日は12:30から22:30まで。
休憩一切なしで連続10時間レッスンしました!!
新記録です。
…お腹(横隔膜)がつりました…。



2011.9.9(金) オペラ「泣いた赤鬼」@川越→始動!

久しぶりに午前中に何もなく、ぐっすり眠れるかと思ったら、
意外と早くに目が覚めてしまい、何となく寝不足。

午後から、いよいよ新たにもうひと作品、
オペラ「泣いた赤鬼」の稽古がスタートしました。
もうずーっと演じてきている青鬼役。
周りのキャスティングもだいたい同じメンツなので、
今日はいきなり立ち稽古で通しました!!!
少ない時間で一気に譜読みをし、歌ってみると、
意外と身体が覚えてる。
しかも毎度のことながら、前回よりも歌いやすく感じました。
役が自分のものになってくると、
身体が反応して勝手に歌ってくれる感じ。
とても素直に、楽しみながら歌えたと思います。

夜はオペラ「ラ・ボエーム」のB組場当たり稽古。
とにかく時間が足りない!
単に通していっただけでも3時間はかかる代物。
稽古3時間ではどう考えても足りません。
そんな訳で、結局最後までできませんでしたが…。
かなりたくさんの課題が見つかったので、その辺は後日の稽古で。
意外と舞台で演じると粗が目立つ。
フと気を抜いた瞬間がものすごく目につく。
油断大敵…完璧な芝居を目指して頑張ります。

それにしても、最近毎日マエストロ(指揮者)と一緒に帰っています。
オペラについて語り合うこの時間が本当に楽しい。
つくづく僕たちはオペラが好きなんだなぁ…と感じる日々です。



2011.9.8(木) 「パーフェクト!」と言われる

今日から劇団青年座研修所の授業:後期がスタート。
そんな訳で昨夜は深夜まで準備の為の譜読みで頭クラクラ。
その甲斐あって、なんとか授業は中身も濃く指導できたと思います。
後期はいくつかのミュージカルをハイライトで演じてもらいます。
キャスティングもしなければいけないので、オーディションもしていかねばなりません。
あぁぁ…酷な役目だ…。
今日はオーディションの予習として「ウェスト・サイド・ストーリー」をやりました。
名指揮者バーンスタインが作曲したこの作品ですが、
楽譜を読み込めば読み込むほど奥が深い。
作曲者自身も生前に主張していましたが、この作品は間違いなく「オペラ」です。
音楽の作り方や、技術をアドバイスしていくとどんどん変化していく若者たち。
しかし、すぐ忘れて自己流に走ってしまうのも若さゆえ。
この音楽的な深みを見事に掬い取ってくれることを期待しています。
そして、そういう指導をしていきたいと思います。

午後はオペラ「魔笛」の稽古。
ディクション・音楽稽古の2回目です。
ちょっと喉の調子は良くなかったけど目いっぱい歌って、
とある部分の発音で「パーフェクト!!!」というお褒めの言葉をいただきました。
ほんと、とある一つの子音だけのことなんですけど、
やはりその一つ一つに魂を込めて、全てを完璧にしたい…。
その第一歩を踏みしめることができたような気がして、
とてもうれしかったです。
もう一つは、パパゲーノが自分の中に確実に「生きている」のを感じます。
これが本当にうれしい。
音が鳴り、歌い出すと、身体の中でうれしそうにパパゲーノが飛び跳ねています。
だから歌っていても楽しい。そして声も活き活きする。
このオーディションに受かって、本当に良かったです。
11月までに自分をどこまで成長させられるか…ワクワクしています。

夜はオペラ「ラ・ボエーム」の立ち稽古。
昨日の場当たり稽古を踏まえて、かなり細かい濃密な部分を稽古しました。
我ながら、とても良い稽古になったと思います。
キャストさんも不安要素が少し和らぎ、さらなる挑戦に向かっている感じがして、
少し頼もしく感じました。
まだまだ詰め込むべきこと、切り離していくこと、そして乗り越えることが多々ありますが、
この1日の伸び率をもって本番まで向かっていって欲しいです。



2011.9.7(水) 場当たり稽古その他

午前中は歯医者。
治療ではなく歯をキレイにしていっています。
お、お金がかかる…けど、自分への投資は大事。
身体が資本ですからね。

午後はオペラ「スザンナの秘密」の稽古。
昨日の「サッちゃん…」で声を枯らしたこともあり、
ちょっと精彩を欠いていました。
なるべく声を休めて治さないとな。

夜はオペラ「ラ・ボエーム」の場当たり稽古。
実際の舞台で練習をしました。
舞台セッティングの打ち合わせの方が時間がかかってしまい、
出演者の皆さんの為の練習にはならなかった…反省。
やはり実際の舞台に入ってみると、
いろいろ想像通りでなかった部分が見つかるもので。
これから修正しなければいけないことがありそうです。

帰宅してから明日の為の準備。
これまで全く時間がなくてできずに溜めこんだ仕事が、
結局ギリギリに自分を追い込むことになっています。
まるで夏休みの最後の日(宿題が終わっていない)のような感じ。
しかもそれが毎日続いている感じです。
今日も限界まで頑張って楽譜の製本と譜読みと、Youtube観賞。
睡眠時間が…。



2011.9.6(火) バタバタ

午前中。
ついに始まりました「サッちゃんとツトムくんの物語3」の稽古。
池忍(いけ・しのぶ)として前回初参戦したカンパニーですが、
メインキャストの一人としてまた登場します。
今回はなんと江戸時代にタイムスリップ!!です。
はてさてどんな物語になるのかは…どうぞお楽しみに。
…というか弾け過ぎて声が枯れました。
あぁぁ。

午後はレッスン。
生徒さんとディスカッションしていく中で、
こちらの方が学んだことや発見したことがありました。

夜は混声合唱団「樹」の指導。
1カ月ぶりぐらいお留守していたのですが、
代講の先生のおかげで、声がとてもよく整っていました。
また1カ月ほどお休みするので、団員さんには申し訳ない。

深夜…とある打ち合わせ。
なんか前のめりになりすぎて、ちょっと空回りしていまった…。
うまく話が進むといいなぁ、と思います。

そんな訳で、今日は朝10時から深夜0時まで…よく頑張った。



2011.9.5(月) 指導者は辛いよ

今日は午後から駒込は滝野川で、オペラ「スザンナの秘密」の稽古。
音楽的にも芝居的にもかなり充実してきたし、
現時点ではまだ外枠を固める段階でも十分。
相当良いペースで仕上がってきています。
特に今日はケンカのシーンも冷静に悠然と歌えた。
このフラットな状態ができるようになればしめたものです。

夕方は東京女学館合唱部の指導。
今日はちょっと一喝してしまいました。
本当はそんなこと言いたくもないけど…
それでもより良くなる為には僕も心を鬼にせねば。
誰かを甘やかすことは、誰かを傷つけることにもなりかねない。
全てに平等なんてありえないけど、全てに平等に厳しくすることはできる。
そんな辛い役回りなのです…指導者というものは。

夜は新浦安で合唱団LICHTの指導。
…ところが間違えて京葉線通勤快速に乗ってしまったらしく、
東京方面から、新木場を過ぎて一気に蘇我まで行ってしまいました。
千葉の中腹じゃないか…汗
慌てて引き返しましたが遅刻していました。
早く着く予定だったのに。
今日は「千の風になって」の音取り。
実は僕自身による編曲なのですが…なかなかよく出来ている。
(↑自画自賛)
ちょっと市内の他のイベントと重なってしまい、参加者が少なかったですが、
皆さん意欲的にとてもよく歌ってくださる。
1カ月に1回。次回10月が最後になりますが、精一杯頑張ります。



2011.9.4(日) 合唱稽古順調

午前中は入間市仏子のアミーゴで、
合唱ワークショップの第2回目を開催。
今回は徹底的に音取りをしていきました。
第3回への布石をしっかり置いておかねば…。
皆さん楽しそうに歌ってくださるので、こちらも気分が良いです。

午後は田町で、オペラ「仮面舞踏会」の立ち稽古。
合唱がまだやっていない2つのシーンを荒立ちしました。
なかなか難しいシーンだし、僕の要求も矢継ぎ早でしたが、
皆さん一つ一つこなしていってくださり、確実に形になりました。
合唱の皆さんの意欲が高いオペラって良いですね。
それだけで舞台が締まります。
それでいて歌も演技も皆さんお上手。
すっかり感心しながらも、どんどんアイディアが浮かんできて、
こちらもたくさん刺激を受けました。

夜は池袋でレッスンを3時間して今日は終わり。
なかなか充実した一日でした。



2011.9.3(土) 子供たちの進化

お昼からレッスンをして、
夕方からはティアラこうとうへ。
明日は、江東ジュニアオーケストラのコンサートに、
僕が指導する江東少年少女合唱団が出演します。
先週サマーコンサートを終えたばかりの子供たちですが、
売れっ子なので大変です。本当に頭が下がる想い。
でも、子供たちもプロ根性があるらしく、
疲労の顔も見せずに頑張っていました。

江東ジュニアオーケストラの指揮者は海老原光。
なんと大学時代に仲が良かった同期生です。
不思議なめぐりあわせで再会。まさかの共演です。
彼の音楽に対する情熱は学生時代から熱いもので、
今回もとっても楽しみでした。
相変わらず熱い指揮を振る…大好きなタイプです。

子供たちも多少オケの音に飲み込まれそうになるものの、
自分たちのペースで歌えるようになってくると声ものびやかに。
数カ月前に別の公演で、同じ会場で歌ったときとは、
比べ物にならないほど成長している姿に感動しました。

明日の本番は観に行けないけど、みんな頑張ってね。



2011.9.2(金) プロフェッショナル

来年のとある企画コンサートの合唱指導を手伝うことになり、
今日は新宿でその打ち合わせ。
企画のコンセプトなどを説明してもらい、
指導陣で練習内容や構成などを話し合いました。
僕はちょっとだけしかお手伝いできないけど、
精一杯頑張ります。

夜はオペラ「ラ・ボエーム」の稽古。
今日から組ごとの稽古になるので、かなり集中して練習できるはず。
うまくいっている部分とうまくいっていない部分がありますが、
とにかく僕は自分の仕事をしっかりやるだけ。
プロフェッショナルですから、お互いを信用して、
自分の仕事に集中する。
あと少し…最後まだ頑張ります!



2011.9.1(木) レッスン&仮面!

いよいよ怒涛の9月に突入!
ご迷惑をおかけする皆さんすみません。
精一杯頑張ります。

今日はたくさんレッスンをしてから、
夜はオペラ「仮面舞踏会」の演出。
キャストさんの立ち稽古は初日だったのですが、
ちょっと予定が狂ったこともあり、スムーズに練習を運べませんでした。
いかんなぁ…出鼻をくじかれた。
次回は挽回せねば。
良いキャストが揃っているので、きちんと稽古を進めて、
良い舞台を作りたいです!

練習後は演出部(僕・助手・振付)で打ち合わせ。
あぁじゃない、こうじゃないって言い合いながら作るのが楽しい。