舞台裏日記

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2012.03.31(土) 「春うらら」通し稽古

ついに「春うらら」が完全通し稽古。
全幕通して3時間の超大作。
改めてスゴイ作品だと感じました。
自分の中で新鮮さが薄れてきていますが、
一番最初のテンポ感を信じて、崩さないように気をつけています。
それだけ中身が詰まってきたから「飽き」が生じているのだ、と
自信を持って演じていきます!
いいペースです。

幸田延:作曲「バイオリンソナタ」を初めて全曲聴きました。
日本の西洋音楽史初期にこれほどの才能ある作曲家がいたのか、と感動しました。
そして、その才能が「女性」ということだけで黙殺されていた事実も、違った意味で驚愕でした。

不当な形で東京音楽学校を追われ、上野を捨てた幸田延さん。
その作品全曲を旧奏楽堂で演奏する、ということの意義。
…すごいことだと思います。
天国の幸田延さんがどんな表情でこの演奏を聴いてくれるのか、と思うと胸が熱くなるのです。

明日は広い会場での全員参加の完全通し稽古。
演出の桜田さんも「明日が勝負だ!」と言っています。
今から気合いが入っています。
頑張るぞ!!



2012.03.30(金) トナカイ出演

4月「春うらら」&6月落語オペラ「てんさい」の為に、
浅草まで行って着物を買いました。
男物はあまり種類がなかったけど、一目ぼれしたのがありました。
ついでに帯と襦袢、ステテコも買い、さらに雪駄も別のお店で購入。
これで一式揃いました。
どんと来い!

今日は約一年ぶりにオペラサロントナカイに出演。
レストランのコース料理の合間に僕らが歌います。
全部で3ステージ。
今日は約10名ほどのお客様の前で歌いました。
第1ステージは「春の歌曲集」ということで、
僕は滝廉太郎「花」二重唱と、滝廉太郎&山田耕筰「荒城の月」を歌いました。
第2ステージはモーツァルト中心のプログラム。
「フィガロの結婚」より「もう飛ぶまいぞこの蝶々」と、
「ドン・ジョヴァンニ」より「手と手を取り合って」二重唱を。
第3ステージではヴェルディの「ドン・カルロ」より「私は死にます」を。
その他にも「エーデルワイス」、「こうもり」より「シャンパンの歌」、「メリーウィドゥ・ワルツ」
たくさん歌いました。
お客様には喜んでいただけたみたいで、良かったです。
僕のスケジュール的に、これでまたしばらくは出演する機会はなさそうなので、
次回、出演する際にはぜひぜひみなさんいらしてくださいね。



2012.03.29(木) レッスンDAY

今日は一日レッスンDAY。
お1人キャンセルが入りましたが、6人レッスンしました。
ちょっと声帯や身体が疲れて硬くなっているから、
なるべく歌わないようにしましたが、どうしたって声は出してしまう。
気をつけなくちゃ。

明日はトカナイに出演します。
席はまだ空いていますので…お時間がございましたら、
ぜひぜひお越しいただきたいと思います。
先日歌ったばかりの「フィガロ〜」のアリアを歌います。



2012.03.28(水) 東京スカイツリー

どうやら練習し過ぎて喉と身体が硬くなっているようです。
それでも声を出してしまう自分…理性を効かせなければ。

今日はお1人だけレッスンをした後に、昨日の反省を生かして練習。
頑張って「てんさい」の音を身体に染み込ませています。
もう少しかかりそうだな…。

夜は押上へ。
東京スカイツリーが目の前にそびえたっていました。
それなのに周りは以前と変わらない下町風景。
スカイツリーの完成にも全く浮かれていない江戸っ子気質、万歳(笑)

大きいけど、かなり地味な印象でした…上海のテレビ塔はカッコ良かった…

スカイツリーの近くの公共施設で、オペラ「ラ・ボエーム」の立ち稽古。
今日は児童合唱の皆さんも参加。
第2幕だけを練習しました。
飽くまで合唱団中心の稽古だったので、
僕らは自由に演じていました。楽しかった。
ショナールという役はやっぱり音楽的に空白が多いので、
それだけ動きや間に関してはフリーな役。
それゆえに、そこをどう埋めていくのかは役者自身に任されています。
これはとっても難しい作業なのです。
まだ、他のキャストさんとの関係性では演じられていない感じですが、
少しずつ、距離を詰めていきたいと思います。



2012.03.27(火) 落語オペラ「てんさい」稽古スタート

いよいよ追い込まれてきましたよ〜(笑)
ついに6月の親子会(古澤泉・利人)の練習がスタート。
落語オペラ「てんさい」も今日はいきなり荒通しで音楽稽古しました。
いや〜難しい!!
まだ音も正確に取れずにフニャフニャ歌いになっている段階です。
完全な無調ではないのですが、とにかく難しい!
和物オペラも初めてなので着物のさばきとかも知らないし、
こりゃあ大変だ。
おかげでノドがちょっとおかしくなりました。

今日はその他に、
午前中はハーモニーベルズ、夜は混声合唱団樹の指導をしました。
ときどき厳しいことも言ってしまいますが、
それで上達してくださると、鳥肌が立つほど嬉しいです。



◆チケット発売中◆
3月30日(土) オペラサロン・トナカイ
4月14日(土) 音楽劇「春うらら」
※チケット残り1枚!!
4月30日(日) オペラ「ラ・ボエーム」
5月27日(日) ドヴォルザーク「スターバト・マーテル」
6月20日(水) 古澤親子会 落語オペラ「てんさい」他

チケット申し込み



2012.03.26(月) レコーディング


今日は先日リハをした時に書きましたレコーディングの本番。
飽くまで内々での活動に過ぎないので、作品名等は明かせませんが、
以前に歌って、反省だらけだった役なので、
そのリベンジの為にレコーディングに参加しました。
今日はそのリベンジが果たせたかな…。
リハ録をしてからtakeをいくつか録る形で作業は進みました。
とてもサクサクとうまくいったので、あっという間でした。
(※実際には4時間近くかかった)

今回はそんな私情もあったので無償での参加。
その代わりに打ち上げ代は出してくださいました。
ありがたや。
若い他の参加者の皆さんとも大いに盛り上がり、
とても楽しい時間を過ごせました。
この録音が世に出ることは…たぶん無いです。
あしからず。



3月30日(土)オペラサロントナカイ
まだまだお客さんが少ないようですので、
ぜひぜひ皆さんお越しください。
ワイン1杯サービスの他、出演者との写真撮影も可能です。
詳しくは「出演予定」まで



2012.03.25(日) 公園で稽古

4月の音楽劇「春うらら」の稽古。
荒通し稽古が繰り返されています。
今日は最初に稽古場の近くの公園へ。
いつもより広い稽古場の一つです(笑)
遊んでいる子供や、犬の散歩をしているおばちゃんの前で、
全力で踊る僕たち。
とても可笑しい光景でした。

出番待ち…完全に怪しい人


よほど暇だったのか、小道具の棒で独り遊びを試みる僕


公園での稽古はちょっぴり恥ずかしい…


公園にあった足ツボ遊具…遠巻きに見ている僕はすでに激痛体験済み


稽古場に戻って通し稽古。
今日は全体的にテンション高く演じられましたが、
それがあまり良くなかった。
最初から飛ばしてしまったので、芝居の抑揚がつけられず、
力んでしまいました。
2つ目の役は最もテンションが高い役ですが、
そこも尻すぼみ。
3つ目の役には集中力が持ちませんでした。
改めて全体像をしっかりと捉えて、俯瞰で見れる自分がいなければ。
悔しいけど、それがわかったことが一番の収穫でした。
次の稽古では絶対にリベンジする。
今日の状態でも、芝居としては通っていたのですが、
後は自分の納得の為に、最後まで気を抜かずに頑張ります。
お越しくださる方に、最高の舞台をお見せする為に。
泣いて笑って…今日も熱い稽古場でした。

チケット、あと数枚残っています。
ぜひぜひお越しください!!.



2012.03.24(土) ミニコンサート

午後から江東少年少女合唱団でした。
二週間もお休みしてしまったので、久しぶり。
みんな元気そうで何よりでした。
今日が今年度最後のレッスンだったので、
団内でミニコンサートを開催しました。
飽くまで団内の内輪のコンサートのつもりだったのですが、
驚くほどご父兄の方々がたくさん来てくださいました。

子供たちがたくさん頑張って歌って、
その後には僕も、もう一人の講師の先生と「パ・パ・パ」を歌いました。
最後はみんなでゲームをして、大盛り上がり。
やって良かった…。

夜は池袋で23:30までレッスン。
今日も頑張った!



2012.03.23(金) 久々の作品

あくまで趣味としての活動…なのですが、
某オペラのレコーディングを行います。
今日はその為のリハでした。

たまたま知り合った方からこのレコーディングの話を聞きつけ、
ぜひ僕も参加したい、と名乗り出ました。
10年以上前に演じた役なのですが、
その時は技術も経験もなく、非常に心残りな出来でした。
いつかリベンジしたい!と思っていた役だったので、
このチャンスを逃すまいと食いつきました。
もちろん無償での参加です。

昔やったものというのは、昔の癖が残っていてなかなか歌いにくい。
それを乗り越えて初めてリベンジになるのだと思います。
頑張ります!

夜は大学時代同期の上野くん(今は長谷川大祐)と打ち合わせ。
ミュージカルや舞台で活躍している彼と、熱い話をしました。
気がついたら発声談義になっていたのですが、
すごく勉強になりました。
クラシック音楽の中にいる僕と、外からそれを見ている彼と、
二人の気持ちは同じ。
いいものを作る!そのために全てを注ぎ込む。
がっちり握手をして別れました。
とても良い時間でした。


先日のオペラ「フィガロの結婚」ハイライトより



2012.03.22(木) ていおん会議

今日はレッスンをしてから、夜は「ていおん会議」でした。
いちおう生放送をしていたのですが、誰も観ていなかったようです(笑)
結局、かなり内容に踏み込んだ話もしたので、収録したものは消去しました。
せっかくのガッキー参加という貴重な映像だったんですけどね…。

さてさて、ていおん会議は大いに盛り上がり、
結局のところ、内容についてはあまり進展はなかったのですが、
あーじゃない、こーじゃない…と、絞り出しては消すという話し合いをしまして、
そうこうしているうちに何となく、おぼろげながらに、
各自の頭の中にイメージが湧いてきたようです。
それを基に各自が曲を提出する、という約束をしてお開きになりました。

正直、前回「ていおん!5」があまりにも素晴らしい(やりたい放題)の出来だったので、
それを超えるものを作る…というプレッシャーに襲われています。
だって、ていおんファンの方は、期待してくれていますから、
その期待を見事に裏切って、更に上をいかなければなりません。
それこそが…ていおん魂
さてさて、どんなものが出来上がるのか…。
ワクワクしながらお待ちください。

なお、その他にも宣材写真を撮る話とか、
公演録画を専門家に頼むとか、
グッズ販売の企画とか、
名古屋公演開催推進とか、
久我山商店街とのタイアップとか…
いろいろ計画中です。
皆さんもどうぞ、応援してください。



2012.03.21(水) オペラ「フィガロの結婚」ハイライト

ムジカ・チェレスタ主催
「オペラ・ハイライト」公演が終了しました。
僕はオペラ「フィガロの結婚」のフィガロ役を演じました。

フィガロ:僕 バジリオ:武嶋晃生 伯爵:李昇哲

とても素敵な仲間に巡り合えて、本当に楽しい日々でした。
すごくチームワークも良く、それが舞台にも出ていたから、
演じていて、とても楽しかったです。
終演後、お客様からも「楽しそうに演じていましたね。」と言われました。

舞台照明もかなり力が入っていて、
いろんな効果を見せていました。

オペラ「愛の妙薬」ハイライトのリハーサル中

出演者はみんな若いから元気。
打ち上げも大盛り上がりでした…が、僕は終電で帰る為に途中退席。
他のメンバーのほとんどは朝までコースだそうです。

【クイズの答え】
さてさて一昨日出したクイズの答えです。
オペラ「トスカ」第一幕に登場した肖像画のモデルは…

なんと!僕でした(笑)
自分のプロフィール写真の上にPCでペイントしていった自作です。
 → 
正解者はゼロでした〜。
僕もこんな形で舞台に出演していたのでした。
しかし、常に演出家の顔が舞台上にあるのって、演じていて嫌だろうな(笑)



2012.03.20(祝) 音楽劇「春うらら」荒通し

今日は祝日だったんですね…。
午前中からファミレスで「こうもり」の訳詞をしようと思ったら、
家族連れですごく混んでいました。
家族で来ている人たちが待っている中、
4人掛けのテーブルを占領して仕事をしようとしている自分。
あまりにも居たたまれない気持ちになって断念しました。

午後からは来月の音楽劇「春うらら」荒通し稽古。
公演1ヶ月前に荒通し稽古が出来るだなんて…。
かなり早い段階で立ち稽古をしてきて、
本番に向けて完璧なものに仕上げるべく、
出演者全員気合いが入っています。
僕もここにきて役作りをよりパワーアップ。
まだまだ行けるところまで行きまっせ!!

ここの現場の良いところは、
誰かがすごく厳しい訳でもなく、とても和気あいあいとしているのですが、
役者各自がものすごい努力をしてくる。
だから嫌でも互いにプレッシャーがかかるし、
ちょっとでも気を緩めていると、あっという間に置いていかれてしまう。
すごい真剣勝負を常にしている感じだから、
自然と互いに高め合っていきます。
僕は本当にこのプロダクションに参加してから、
自分の引き出しをたくさん増やしてもらえて嬉しいです。
今回も3つのまったく違う役を色濃く演じます。

さて、明日はいよいよ「フィガロの結婚」ハイライトの本番。
かなり力を入れて作り込んできたので、とっても楽しみです。
いい公演にするぞ!!

【クイズについて】
昨日の日記で出したクイズですが、
どうも皆さんまだわからないでいるようですね。
面白いのでもう一日放置してみます。
回答をお待ちしています。

【先日収録した「りひとの部屋」】



2012.03.19(月) オペラ「フィガロの結婚」オケ合わせ

演出家の仕事を一つ終えましたが、
オペラ歌手としては明後日を本番に控えます。
今日はオペラ「フィガロの結婚」ハイライトのオケ合わせでした。

昨日までの疲労もある程度は残っていて、
いい感じに声は落ちていました(笑)
低音が多いフィガロ役としては良いバランスでした。

実はフィガロ役はやったことがなく、(以前やった時もハイライトだった)
初役ではあるのですが、とってものびのびと飛び回っています。
オーケストラも若いメンバーでとても音がキレイ。
楽しく歌わせてもらいました。
衣裳もちょっと気合いが入っているし、照明も凝っているらしい!
かなり良い公演になりそうな予感で、今から楽しみです。
あとは自分自身の体調管理。
あと一日、頑張ります!!

昨日終演したオペラ「トスカ」第一幕に登場したマッダレーナの肖像画

【クイズ】
第一幕でカヴァラドッシが描いているマッダレーナの肖像画。
作中では、アンジェロッティの妹:アッタヴァンティ公爵夫人をモデルにしたと言っていますが…。
さて、今回のこの絵は誰をモデルにして描いたものでしょうか?
回答は「楽屋で雑談」までお寄せください。



2012.03.18(日) オペラ「トスカ」終演

演出作品第6弾オペラ「トスカ」が終演しました。
今日の出演者の皆さんも素晴らしかったです。
お疲れ様でした。

トスカ役の片岡ひろみさん、必死に生きるトスカの意地らしさを感じました。
スカルピア役の太田代将孝アニキ、スカルピアの純朴な一面が見え隠れする好演でした。
カヴァラドッシ役の木野千晶くん、今回一番の成長株でした。
アンジェロッティ役の井上白葉さん、安定感のある演唱でした。
スポレッタ役の大西啓善くん、微妙な心理変化を見事に演じていました。
シャルローネ役の五島泰次郎さん、圧倒的な存在感でした。
堂守・看守役の中原和人さん、安心感のある演唱でした。
牧童役の橋本沙奈恵ちゃん、純朴で快活。イメージ通り演じてくれました。

特に今回、とても複雑な心理を描きたかったスカルピア役。
本番直前までディスカッションしながら、最後まで役作りに徹した太田代さん。
その真っすぐな想いが全ての幕を結びつける仕掛けを二人で考えました。
純粋にトスカを愛している…故に愛されない苦しみ、破壊への衝動。
死の直前はまっすぐにトスカに手を伸ばしたい…という一途さを描いていきました。

写真が届いたらUPしようと思いますが、
特に第1幕フィナーレの「テ・デウム」の演出はかなり絶賛されました。
映像として美しかった。
テ・デウムが始まると、舞台奥から客席に向けて逆光を当てます。
そしてスカルピアを囲む、ロウソクを持った聖歌隊児童。
後ろに並ぶ合唱団たちは、典礼文を唱え終えたら赤い糸を掲げ、
前から一列ずつこちらへ行進していきます。
合唱団たちが掲げる赤い糸はスカルピアの頭上を通過し、
さらに客席を取り囲む形で頭上を通過していきます。
スカルピアの網は舞台を飛び出し、客席をも捕えるのです。
赤い血、トスカの色、そして運命の赤い糸。人を縛り付ける悪魔の糸。
幕切れは客席の頭上を渡していた赤い糸を合唱団はそのまま放り投げ、
お客さんの足元に落としたまま立ち去ります。
この糸は終演までそのまま放置。
休憩から帰ってくるたびにお客さんはその赤い糸を目にすることになります。

スカルピア、カヴァラドッシ、トスカ。主役の三人は皆死んでいくこの作品。
初演当時は「殺人オペラ」と呼ばれて酷評されたそうです。
人が追い詰められて死んでいく様を観て楽しむ…。
道徳的にはとても褒められたものではありません。
でも人間には、そういうものに心を惹かれる…そんな悪魔的な心理が必ず宿っているのです。
「トスカがかわいそう」…というオペラにはしたくなかったのです。
そんな物語を楽しんでしまう自分自身に対する背徳感。
そして死にゆく者への憐れみ、人間の営みの儚さ、空しさ。
それこそを表現したかったのです。
その象徴として第1幕フィナーレの赤い糸を使いました。

第3幕冒頭は牧童が一人でラテン語の歌を歌います。
これは本来、裏歌(舞台の袖中で歌う歌)として書かれていますが、
僕は舞台上に登場させました。
なぜこの歌がここに挟まれているのか…考えた末に、ラテン語の歌詞に着目しました。
「風を動かすこの葉ほど多くのため息を貴女に送る。
貴女は僕を軽蔑し私はそれを悲しむ。
金のランプよ、お前は私を殺す。」
これがスカルピアがトスカ(もしくは全ての女性)に送る言葉だったように感じたのです。
この少年はスカルピアの子供時代もしくは死後の世界で純化した彼の魂。
男性として重大な欠陥を持ってしまった彼は(今回の演出での裏設定)、
どんなに女性を愛しても、真に愛を表現することができない。
そして誰からも愛されない。
その心の奥深くに閉じ込めてしまった悲しみがここで流れ出て、
彼の魂は深く沈んでいくのでした。

この2つのシーンが特に印象に残ったようでした。
まだまだ他のシーンにもたっぷりと想いをこめましたが、
それら全てを表現するのには、まだ僕には力不足。
ぜひ再演をして、更にすごい舞台を作りたい、という意欲が湧きました。

出演者、スタッフ、関係者の皆さん、ありがとうございました。
そして物語に巻き込んでしまったお客様たち、ありがとうございました。
今後も歌手活動と並行して演出活動も続けていきたいと思います。
これからも応援してください!



2012.03.17(土) オペラ「トスカ」初日!!

ついに初日。
東京シティオペラ協会主催、
古澤利人:演出のオペラ「トスカ」。
徹夜を続けて作り上げてきたオペラがいよいよ開演です。

…っと、その前に明日の組のゲネプロ。
演出家として最後の仕事です。
午前中に会場入りをして、小道具やセットの手直し。
ゲネプロ開始しました。
前回の通し稽古から格段とレベルアップしている様子に感激。
照明も無茶ぶりばかりの僕の要求に応えてくださって、
とてもいい仕上がりになっていました。
ダメ出しをして、ゲネプロ終了。

続々と初日組のキャストさんたちが会場入りしてきて、
いよいよ本番です。
もう僕の仕事はないので、落ち着かないでソワソワ。
いろんな場所に顔をのぞかせるのですが、
「よろしくお願いしま〜す」と声をかけるぐらいしかすることがない。
逆にみんなの邪魔をしてしまうので、客席に待機しました。
開演。

純粋に楽しんで観ることができるかと思ったけど、
「あそこが上手くいくか…」「あそこはお客さんわかってくれるかな」
とか、余計なことばかり考えていて、あまり楽しめはしませんでした。
むしろお客さんの反応が心配で心配で…。
特に第1幕終わりは思い切った演出をしているので、
うまくいくか、どう受け取られるか…ビクビクしながら観ていました。
お客さんを物語に巻き込んでやる!って意気込みで作りました。

それにしてもスカルピア役の清水良一さんの好演が光りました。
特に刺されて息絶えていくまでの演技は、本当に息が詰まっていく様子がリアルで、
思わず身を乗り出して観てしまいました。
トスカ役の岩井理花さんも、要所要所での溜めの芝居がすごかった。
きちんとイタリア語の言葉に反応して演技されているから、
非常に的確な芝居をされていました。
カヴァラドッシ役の川野浩史くんは、とにかくその美声。
2つのアリアも安定感抜群で、高音は本当に心地良かったです。
ナレーションの矢島正明さんの名調子も素晴らしく、
このナレーションだけで十分物語が楽しめてしまうほど。
自然と物語に引き込まれていきました。
脇役陣も個性派がしっかりと演じてくださって、
特にスポレッタ役の川村敬一さんは気弱な警察官を丁寧に演じてくださいました。
アンジェロッティ役の平岡基くんの完璧な身体のさばき。
シャルローネ役の中原和人さんのものすごい存在感。
堂守役の宇田川慎介さんの愛らしさ。
牧童役の青木希衣子さんの純朴さ。
これだけ周りが充実しているから主役陣もその中で光り、
舞台全体が良い厚みがありました。
合唱団も、他ではキャストも演じられる人たちだったりするので、ハイレベル。
キャスト陣との格差がクッキリしていないから全く違和感がありませんでした。

お越しくださった皆さま、ありがとうございました。
出演・関係者の皆さん、お疲れ様でした。
皆さまからのご意見・ご感想をお待ちしております。

アンジェロッティ役:平岡基くんと、カヴァラドッシ役:川野浩史くん…お二人とも素晴らしかった!
↑それにしても平岡氏…外人顔のイケメン…ていおんイエローの時とは全く違う人。



2012.03.16(金) 場当たり&ゲネプロ

オペラ「トスカ」本番を明日に控え、
今日は場当たり&ゲネプロでした。
まずは2時間前に会場入りして、小道具等の準備。
搬入されてきた小道具を廊下の机に並べていきます。
また、届いてから組み立てるものもあるので、その製作。
足りないものがあって助手に買ってきてもらったり、
舞台のセッティングをしたり…あっという間に2時間たってしまいます。
何か問題があったり、確認したいことがある場合は、
それらの報告や質問は全て僕のところに集まってきます。
会場(客席)の真ん中に常にいなければならないのが演出家の仕事です。
僕は敢えて動かず。
ただ、集まってくるものに一つ一つ冷静に対応していく。
これが一番うまくいきます。
…なんてね。

場当たりはなるべく丁寧に。
3時間枠を確保しておいて、2時間半で仕上げました。
1時間休憩をいただいて…(久しぶりにまともに昼食を食べました!)、
ゲネプロに突入しました。

ゲネプロをしていきながら、昨日作った照明を修正していきます。
インカムで照明ブースとやり取りしながら、
芝居の修正も指示を書き込んでいく。
その間にも裏のスタッフからは質問や確認が届きます。
脳みそフル回転…させているように見せかけて、実はあまり考えていません。
自分の感性や勘を信じて、迅速に対応。
後はなるべくスタッフや相手の意見などを信頼して共有していきます。
スタッフが気持ち良く働いてくれていれば、自然と良い仕事が出来ます。
良い仕事をしてくれてさえいれば、きっと良いものが出来上がります。
だから、僕は動かず…。

ゲネプロは最後までスムーズに終わり、
ダメ出しや修正点を伝えて、片づけをしたら会場を後にしました。
渋谷の街で独りでパスタを食べてから帰宅。 /small>



2012.03.15(木) 忘れてた…

完全に忘れていましたが、
昨日はホワイトデーというイベントの日だったのですね!
…これだもんな…モテないわけだwww
お返しできなかった皆さん、すみません。

今日は午前中からオペラ「フィガロの結婚」ハイライトの稽古。
いよいよ来週に本番を迎え、気合いも満点。
良い仕上がりになっております。
他では見られない「フィガロの結婚」。
そして、僕のフィガロ…カッコいいですよ〜。
絶対にお見逃しなく!

午後には渋谷、エレクトーンシティへ。
いよいよこちらも明日にゲネプロを控え、
舞台・照明仕込み作業の為に箱入りしました。
僕と、小屋付きの舞台・照明スタッフさん(お1人)と、
僕の助手を務めてくれている海下くんと3人で5時間の仕事でした。
舞台を本番通り組んで、照明を一つ一つ決めていきます。
どの照明でどこをどの程度照らすか…。
それらをいかに組み合わせるか。
シーンの中のいろんな心象風景を照明で表現します。
一緒に考えながらクリエイトしていく作業はとっても楽しかったです。
でも頭はすっごい疲れた・・・。



2012.03.14(水) 卒業生送別会その他

午前中に確定申告を提出してきました。
やっとこれで他の仕事に取りかかれる…。
ホッとしました。
税務署で1時間ぐらい並ぶことを覚悟していましたが、
「作成」は混み混みでしたが、「提出」は全く並ばずに通されました。
なんだかあっけなくて…拍子抜け。

午後は東京女学館合唱部送別会でした。
すでに1年前に部活を引退している高3生たちを送る会ですが、
実は昨年の3月は例の地震があった為に送別会ができませんでした。
そこで、今日は卒業生と高3の2学年が集まり、現役生と共に楽しく過ごしました。
何だかみんな、あっという間に大人っぽくなっちゃうのね…。
子供たちの成長ってすごいなぁと思いました。
みんなで歌ったり(僕は主に譜めくり担当)、後輩たちが作成したビデオを観たり。
あっと言う間に時間は過ぎてしまいました。
みんな。卒業おめでとう。

夜は両国でオペラ「ラ・ボエーム」の立ち稽古。
水曜日は合唱と合同稽古だったので、主に2幕を練習。
特別に説明も受けないまま、ザーッと通していきました。
まぁ、何も聞かなくてもできちゃうんですよね。
役作りも、動きもだいたい楽譜を読んでおけば限定されていきます。
そんな訳で、今日もショナールを演じてきました。
楽しかった。

帰宅すると仕事が待っているので、重い足取りで帰宅。
まずはメールチェックなどをしてから入浴し、
本腰を入れて照明用の資料を作成しました。
期限は明日なのです…。
…で、5時間かけてやっと完成。
今日も朝4時になってしまった。
午前中から稽古が入っているから、早く寝なきゃ…。
おやすみなさい。



2012.03.13(火) ベル-フィ-打ち-トスカ

午前中はハーモニーベルズの指導。
劇的な変化はなくても、小さな進歩は感じられる。
それを継続できれば、毎回一歩ずつ前へ進める。
これで良い、と停滞を決め込んだ瞬間に進歩は退化の方へ進む。
だからこそコツコツ地道な努力が大切。
今日はしっかりと前へ進んだから、まだまだ伸びそう!!
ミュージカルの曲を中心に、繰り返し練習をしました。

いつの間にか練習スケジュールが変更になっていて、
午前中から練習開始していた「フィガロの結婚」。
急いで駆けつけて、音楽中心の立ち稽古をしました。
指揮者の大浦さんは、音楽はもちろん、言葉の中身や、動きの必然性など、
全ての部分を客観的に的確に指摘してくれるから、とても嬉しい。
僕にはちょっと遠慮して言わない部分もわかるから、しっかりそこは修正したいです。

夕方はエレクトーンシティ渋谷へ。
オペラ「トスカ」の舞台打ち合わせをしてきました。
今回はかなりセットの組み方がややこしい。
照明も凝りたいので、綿密に話し合いをしてきました。
何ができて、何ができないのか。
一つの問題を舞台さんと一緒に頭を捻っていくのは楽しい作業です。
いちおう全て解決。二人の頭の中ではしっかりとビジョンができました。
後はそれが実現可能かどうかは、やってみて…から考えます。
充実した1時間でした。

夜は府中へ。
オペラ「トスカ」の最終立ち稽古。
今日が最後の稽古だったので、一番不安な2幕を稽古。
通し稽古でうまくいかなかった部分を繰り返し稽古して、
最後には2幕のみ通しました。
スカルピアの太田代さんが僕のイメージを基に役作りしてきてくださって、
とっても感激しました。
ここにきて内面の深い部分を探る努力をしてくださっているのが、
何よりも嬉しいです。
ナレーションの矢島さんも、大声優なのにも関わらず、
僕の演出を観て、微妙な言い回しや言葉のさばきを変えてきてくださっている。
何カ所か気になる部分も、遠慮なく相談を持ちかけたら、
一緒になって言葉を探す作業をしてくださって、
本当に嬉しかったです。
一つ一つ形になってきました。
残すはゲネプロ、本番のみ!

そして…僕は明後日までに照明プランを作らなければ…。
ぐはぁ!



2012.03.12(月) 青島広志先生&「トスカ」通し

今日は予定されていた稽古が実はいつの間にかなくなっていたことを知り、
急遽、空いたので×を出してあった別の現場へ。
4月公演「春うらら」の音楽稽古です。
今日は音楽監修の青島広志先生がいらしてくださいました。
山田耕筰の作品を中心に原典楽譜と照らし合わせながらチェック。
僕は「荒城の月」を歌いました。
最後の写真撮影をして、青島先生は別の現場へ飛んでいきました。
相変わらずお忙しいんだな…。

そんな僕もケツカッチン。
夜のオペラ「トスカ」通し稽古の為に、1時間前に稽古場に入り、
バミリや小道具の整理など、稽古場の設営。
本来は舞台監督の仕事ですが、今回は不在なので演出部で行っています。
3月17日組の通し稽古。
声優:矢島正明さんのナレーションでスタートしました。
とても良い感じで進んでいく部分と、おっとっと…となる部分と。
僕のイメージ通りのシーンもあれば、まだまだ演者の独創になってしまうシーンも。
第2幕のエンディングは今回も大迫力でした。
刺し殺されるスカルピアを演じる清水良一さんの迫真の演技。
それに応えて目を剥きつつ息絶えるスカルピアを睨むトスカ。
そしてハッと我に返ると全身の力が抜けてフラフラと歩き出す岩井理花さん渾身の演技。
カヴァラドッシを演じるのは若手テノールの川野浩史くん。
瑞々しい声と、まだ慣れない芝居で、他二人の熱延に必死に食らいついていました。

ダメ出しは帰宅してから。
4時間かかって箇条書きにし、メールで制作部に送信しました。
はぁ…今日も他のことが出来なかったな…。
仕事がどんどん山積みされていっています。まずい…。



2012.03.10(土)-11(日) モーツァルト「レクイエム」@熊谷

実家に一泊したので、二日分の日記を書きます。

【10日:オケリハ】
お1人だけレッスンをしてから一度実家へ。
母が握ってくれたおにぎりをほおばって、父の車で熊谷へ。
熊谷文化創造館「さくらめいと」で、モツレクのリハでした。
オーケストラは埼玉交響楽団。

冒頭の合唱部分もサクサクと練習が進み、
いよいよソリストが入る、"Tuba..."の曲が始まる前にサプライズ!
指揮者の田代先生が突然、父に向かってドイツ語で語りかけます。
「泉さん、今日は何の日か知っていますか?(日本語訳)」
そう…3月10日は父:古澤泉の66歳の誕生日だったのです。
実は数日前に僕がこっそり田代先生にお願いして、
このサプライズ企画が実現しました。
貴重な時間を割いて、快く承諾してくださった田代先生のご厚意に感激。
その後、合唱団もオケの皆さんも一緒に「Happy Birthday to you」を合唱。
一輪のバラをプレゼントされた父はとっても嬉しそうでした。

気を取り直してリハーサル再開。
僕のソロから始まる"Tuba mirum..."。
この曲は低音でずーっと伸ばす部分がまず最大の難所。
最近やっと低音へのギアチェンジの方法がわかってきたような気がするので、
思ったよりもしっかり歌えました。
ホールも意外と歌いやすかったし、まずはひと山越え。
次のフレーズは1オクターブ以上の跳躍が山脈のように上下に続く、
これまた難所。
ここもバランスを取りながら丁寧に歌っていきました。
むしろ簡単に出てしまう高音を、いかに低音と均一にしていくかが難しい。
そこも乗り越え、テノールにソロをバトンパスすると、後はアンサンブルです。

次の曲"Recordare"はソリスト4人による純粋なアンサンブル曲。
ここでのバスはアンサンブルの支えになったり、
逆にアンサンブルに割り込む役になったりと、多数の人格が必要。
1フレーズ毎にギアを入れ替え、厚みや音色を変えながら歌っていきます。
このギアチェンジをノドではなく身体の重心だったり、
発音の性質や、声帯の伸ばし具合などで変化させていくのです。
これが難しいけど、なかなか楽しい。
リハは最後に通し、クッタクタに疲れましたが、充実した練習になりました。

【11日:本番】
イビキはかくし、寝相も悪く、
暑がって布団から出たかと思うと、しばらくして寒くなってクシャミが止まらない…
…と一晩中忙しいハナ(猫:♀)と一緒に寝たおかげで、寝不足ぎみ。
午前中からゲネプロでした。
さすがにここでは声は半分くらいの力で歌いました。
その後、4時間ほどの待ち時間を楽屋で父と二人で過ごし…

楽屋で眠ってしまった父を隠し撮り。鏡越しの僕…楽しそう(笑)

いよいよ本番。
全然緊張はしていなかったはずですが、身体は反応してしまうものです。
前の曲"Dies irae"の後半部分に差し掛かったところから、
急に心拍が早まっていき、身体が脈打つほどに。
…でも、この現象は毎度のことなので慣れっこです。
むしろ「キタ〜!」という感じで、アドレナリン出まくりの状態。
そこを乗り越えると、一気に心が静かになります。

トロンボーンのソロを聞いて、同じフレーズを歌うバスソロ。
以前なら一生懸命トロンボーンの音色を真似しようと力んでいましたが、
今日はそんな力みもなく歌いました。
ややピッチが高くなってしまった箇所もありましたが、
まずまずの出来だったと思います。
その後のアンサンブルもとても楽しく歌えました。
最後に僕の高校時代の恩師:大澤壮吉先生が編曲をした【熊谷市歌】を歌って、
本番を終えました。

この公演は主催団体である熊谷音楽連絡協議会の前会長の野さん、
そして副会長の関口先生が相次いでお亡くなりになり、
その追悼公演として企画されましたが、奇しくも3月11日。

一年前の今日3月11日に、あの東日本大震災がありました。
僕は一年前は新宿でリハをしていて、柳のように揺れるビル群の中で茫然としていました。
帰宅難民となりながらも夜の街を歩く民族大移動の中におり、
翌日と翌々日は津田ホールで心ここにあらずの状態でコンサートに出演していました。
あの記憶がよみがえりつつも、今日は特別な想いを込めずに歌いました。

僕はあの被災地にも行っていないし、
被災した方々、また今も大変な想いで生活をしている方々に対して、
「追悼」なんて言葉を口にするのもおこがましく感じ、
ただただ、真摯に一生懸命歌うことだけに専念しました。
聞いてくれた方が、各々に何かを思いながら受け取ってくだされば、
それでいいのだと思います。
僕自身、歌うことで自分自身の心が癒されていますし、
むしろ今回の機会を与えてくださった方々への感謝の気持ちでいっぱいでした。
父とのオペラ以外での共演も久しぶりでした。
あと何回できるのかな…。

打ち上げでは母校:熊谷高校音楽部がリクエストに応えて3曲も歌ってくれました。
とても素晴らしいハーモニーと、しっかりと受け継がれている伝統に、涙が出そうになりました。



2012.03.09(金) オペラ「ラ・ボエーム」立ち稽古スタート!

こちらも佳境!
3月21日公演のオペラ「フィガロの結婚」ハイライト。
前回の通し稽古を受けて、さらに全てのシーンを煮詰める作業。
より細かい所作まで練習していきました。
かなり楽しいものになってきました!!
例えば、ここだけの話ですが、キスシーンもあります(笑)
見どころ満載、フィガロ大活躍です!!

イケメン演出家Eric氏…真剣なまなざし。

夜は4月30日公演のオペラ「ラ・ボエーム」の稽古。
立ち稽古に初参加です。
僕がデビュー以来お世話になっている直井研二先生の演出。
昨年は長崎でも同作品でご一緒させていただきました。
今日はいきなり第4幕を2回通しました。
きちんと自分で完璧に楽譜とト書きを読み込んできて、
しっかりと役作りをしてくれば、これが出来てしまう!
こんな素晴らしい方たちとご一緒できるのが幸せだなぁと感じました。

しかもいない役は、いる人でローテーションして代役。
僕もマルチェッロをやらせていただいたし、
僕がショナール(本役)の時は、何とテノールの角田さんがマルチェッロを!
すごく面白かったのは、
ロドルフォ役の角田さんがマルチェッロ役を演じることで、
マルチェッロにどう動いて欲しいのかがわかったことです。
これは本当に勉強になりました。
それにしても、いい公演になりそう。
楽しみです!!



2012.03.08(木) 体調不良

体調不良でお休みしました。
夜のオペラ「トスカ」通し稽古は休めず、
頑張って行きました。
でも夕方まで休めたのが相当良かったらしく、
稽古場では全く調子の悪さが出ませんでした。
帰宅してすぐ寝たし、一日で回復できました。
(※この日記は後日書きました)



2012.03.07(水) オペラ「トスカ」通し稽古

結局、訳詞作業がはかどってしまって、
寝たのは朝5時でした…。
いかんなぁ。

お昼からレッスン。
夜はオペラ「トスカ」の別組通し稽古でした。
A組は経験豊かな方が多い組なので、とてもよくまとまっていました。
逆に皆さんお忙しい方ばかりなので稽古回数が少なく、
その為にうまくいかない部分が数カ所あったので、
そこは終わってからしっかりと稽古をして解決しました。
しっかりと役作りをしてきてくださっているので、
多少のミスも、その役の中でカヴァーしていってくださいます。

A組はアンジェロッティ役が、ていおん黄の平岡基くん。
さすが、見事に演じてくれました。やっぱり才能あるわ!
いつもは三枚目の彼も、実は二枚目役の方が上手いのです。
ぜひぜひ「ていおん!」では見ることができない顔を観に来てください。

ダメ出しの時間が足りなかったので、後でメールでお知らせすることに…。
そんな訳で、帰宅してから仕事をするハメになってしまいました。
久しぶりに眠れると思ったのになぁ…結局、朝4時過ぎてしまった。



【お知らせ】
合唱団LICHTのブログが開設されました!!
当面は練習日などのお知らせや、練習の様子等が記載されます。
合唱団LICHT blog



2012.03.06(火) いろいろ

午前中はハーモニーベルズへ。
外語語の曲をとにかく繰り返して歌い、
身体になじませる作業。
発音も少しずつ前に出るようになってきました。
自然と声も揃うし、ハーモニーも美しくなってきました。

午後はオペラ「フィガロの結婚」ハイライトの通し稽古。
前半は確認稽古をしましたが、僕はメタメタ(汗)。
でしたが、最後に行った通し稽古では一気に集中。
ノーミスで、しっかりと集中して演じ切れました。
今回の演出(演出:Eric)は、本当に1フレーズ毎にしっかり動きがついています。
通常のオペラにはないような斬新な演出で、とても面白いです。
それらを一つずつしっかりとこなしていくと、
それだけで舞台が活き活きとするので、楽しい。
他のシーンも、どれも面白かったです。
 

夜は今度はオペラ「トスカ」の通し稽古。
いろいろうまくいかない部分も多々ありましたが、
何とか全体像は見えたと思うので、ここからは出演者一人一人の頑張り次第。
僕は後ろで「ガンバレ!」と言うしかありません。
1回目の通しだったので、出来としてはもう一つ。
次回の通し稽古でどこまで引き上げられるか…期待しています。

ダメ出しの量

練習後は事務所へ赴き、小道具などの打ち合わせ。
お食事もいただいてしまって…今日も終電になってしまいました。
帰宅してから仕事。
9月のオペレッタ「こうもり」の訳詞も開始しました。



2012.03.05(月) 落語オペラ「てんさい」→「春うらら」→合唱団LICHT

昨夜は何だか眠れず…
真っ赤に腫れた目をして朝から東所沢へ出かけていきました。
ついに!6月公演の【落語オペラ「てんさい」】が動き出します。
今日はその打ち合わせでした。
父が長年ライフワークとして続けてきた、嵐野先生の作品【落語オペラ】。
「たらちね」(1〜3)、「地獄のそうべえ」、「芝浜」に続いて、
ついに新作!!「てんさい(原作は「天災」)を初演いたします。
しかも今回は僕自身も落語オペラにデビューです。
そして親子共演。二人の掛け合いがどのような科学反応を起こすか…
乞うご期待です!!

朝食を兼ねた打ち合わせを終えたら、僕は先に失礼しました。
午後は茅場町で4月公演の音楽劇「春うらら」の稽古。
今日は特にダンスパートを中心に稽古してもらいました。
今回は踊りまっせ〜〜〜!!
サルサにワルツ、ラテンまで…様々な踊りをマスターしていかねばなりません。
しかもそれが一曲の中に混在している…から大変。
でも、その試練を乗り越えるステップを組み立ててくださるから、
演出・作の桜田ゆみさんの舞台はいつもすごく勉強になります。
【古澤利人】の引き出しをどんどん増やしてくださる感じがとても心地良いです。

中央奥が作・演出の桜田ゆみさん。ダンスのお相手は【三浦環】役の岩崎由美恵さん。

そして前回・前々回と僕がパートナーを務めさせていただいた坂野由美子さん。
今回は絡みが全くないのですが、相変わらず最強キャラを全開でした。
もう、笑いすぎてお腹がよじれるかと思ったwww

中央が最強:坂野由美子さん。その右隣が北條聖子ちゃん。

夜は合唱団LICHTの指導。
皆さんの積極的な呼び掛けで団員も40名ほどまで増えまして、
Ave verum corpusを練習したのですが、とても素敵な合唱でした。
【音】に【愛】がありました。
とても心地良い合唱に酔いしれながらも、
その後は団員の方々と打ち合わせという名の飲み会。
皆さんのご協力を得て、少しずつ着実に合唱団としての形が出来上がってきました。



2012.03.04(日) モツレク・オケ合わせ

熊谷でのモーツァルト「レクイエム」のオケ合わせでした。
父との久しぶりの共演も楽しみですが、
地元・熊谷で歌わせていただけるのも嬉しいです。
今回は主催団体の理事がお二人も続けてお亡くなりになり、
その鎮魂の意味で企画されたものでしが、
奇しくも本番は3月11日…何かの巡り合わせだと思います。
心をこめて歌いたいです。

曲目は抜粋なので、
1、Requiem-Kyrie
2、Dies irae-Tuba mirum-Recordare-Lacrimosa
…のみを演奏します。
計6曲ですね。
ソロも2曲だけなのでそんなに大変ではないのですが、
それだけ集中して、良いものを届けなければなりません。
むしろ難しい作業なのです。

指揮の田代詞生先生はとても素敵な指揮をされる方でした。
音楽性もお人柄も、またリハーサルの進め方も素晴らしく、
思わず引きこまれてしまいました。

練習後は父とご飯を食べて、
一度実家に寄ってハナと戯れ、
そして終電一つ前の電車で帰ってきました。
帰宅してから確定申告の作業とかしていたら2時過ぎてしまった。
それから6月新作落語オペラの譜読みを1時間やって…
これからお風呂です。
明日も朝から打ち合わせだし、早く寝なきゃ…(汗)



2012.03.02(金) 「春うらら」立ち稽古

さぁ、いよいよ4月の大人気シリーズ「春うらら」公演の、
立ち稽古がスタート!!
僕は2月中の台詞読み合わせ稽古にあまり参加できなかったので、
だからこそ完璧な状態で立ち稽古に臨まなければなりません。
遅れは自分で取り返す!
そんな訳で夜中まで台本を読みまくって、万全の状態で。

最大の集中力と緊張感を保ちながら立ち稽古突入。
もちろん台本は持たずに稽古に挑みました。
台詞はところどころほころびこそありましたが、
集中力は切らさずに、役の中で演じ切れました。
今回は3つの異なる役を演じます。
一人は日本音楽界最初の官費留学生…
幸田延さんのヴァイオリン講師ディートリッヒ。
続いて、「荒城の月」の作詞者:土井晩翠(本名は「つちい」と読む)。
最後は名歌手:三浦環の二番目の夫である三浦氏。
この三者三様の役を演じ分けるのが実に楽しいです。
自分の中の引き出しをたくさん開かせてもらえるのです。

さて、この音楽劇では当時の日本文化を支えた人たちが大集結します。
滝廉太郎、山田耕筰、夏目漱石、与謝野晶子などなど。
もうこの人たちが登場するだけで鳥肌ものです。
いい時代だったのだろうなぁ…と感じるのです。
さてさて、史実に基づきながらも独自のスタイルで描かれる桜田ゆみワールド。
皆さん、絶対にお見逃しなく!
チケットは残りな、な、なんと、5枚です!
しかも他の方からはキャンセル待ちのチケット要望がある中、
僕はまだ5枚だけ確保しているので、早い者勝ちです!!



2012.03.01(木) ジャンニ・スキッキ振り返る

やっと全公演が終わったのでネタバレ解禁。

ロッカールーム(和室楽屋)より


手なずけられた主審


親戚一同…一人レッドカードで退場しています


これを見る限り、オペラの楽屋には見えませんよね。
説明しても伝わらないので、諦めますが、
とにかくこんな衣裳でした(笑)


サッカー選手な訳ではなくて…
サッカー好きな一族、という設定でした。
写真を撮れませんでしたが、ジャンニ・スキッキとラウレッタはテニスウェア。
サッカーとテニスの闘いでした(笑)

遺書はサッカーボールに貼られた金色のテーピング。
読むためならアルファベットだから逆向きにならなきゃなんですけどね(笑)
誰も突っ込まなかったから、いいか…。


公証人と証人は審判団でした…ははは、意味わからん(笑)
↑この三人の登場シーンはかなり破壊力ありましたね。
なんちゃら三兄弟のようでした。

「ていおん!blog」ではイエローのネタをUPしました。
面白いですよ。
ていおんblog

今日は「フィガロの結婚」ハイライトの稽古。
ラストシーンを固めました。
夜は「トスカ」の稽古。
遅々として稽古が進まなかった…僕の進め方がいけないんだな。
あと少し、頑張ります。