舞台裏日記

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2012.9.30(日) 二期会オペラ研修所予科前期試演会

今日は二期会オペラ研修所予科の前期試演会でした。
研修生たちによる重唱試験。
オペラのワンシーンをハイライトで演じていきます。
僕は助演として「フィガロの結婚」の3つのシーンで伯爵役を務めました。
研修生たちはとても成長していました。
立派に演じている様子に、ちょっと感動してしまいました。
僕もかなり緊張しましたが、まずまず仕事を果たせてホッとしました。

台風も近づいている、ということで、
そのまま真っすぐ帰宅。
すごい風です…皆さんお気をつけて。



2012.9.29(土) 昭和のうた

今日は江東少年少女合唱団が出演する、
「昭和のうた〜抒情歌 名曲コンサート」本番でした。
ロシアや韓国からもゲスト歌手が呼ばれる豪華なコンサートでしたが、
その第2部の冒頭で、
「気球に乗ってどこまでも」「瑠璃色の地球」の2曲を歌わせてもらいました。
元気良く、そしてしっとりと…2つの表現が出来る合唱団をアピール。
まだまだ表情は硬いけど、声や表現はかなりのびのびできるようになりました。

大切にしていることは、子供の感性を大切にすること。
「こう歌いなさい」ではなく、「どう歌ったら良いと思う?」と問いかけること。
たくさん練習することも大切だし、その一方で練習以外の部分も大切にしたいです。
…って、僕自身がここのところ本番やリハーサル続きで、
あまり練習に行ってあげられていないんですよね…。
10月もゲネプロや本番だらけだし。
うぅ…。



先日の「こうもり」の写真ページをこちらにうつしました。
どうぞご覧ください!
こうもりギャラリー



2012.9.28(金) 新幹線

午前中は合唱曲のアレンジをしたり、
事務的な仕事や、溜めこんでいた書類処理などをして、
午後はレッスン。
夜は熊谷でベーレンタール男声合唱団の指導。
その前に実家に寄って、甥っ子と遊びました。
今日は約束通り、甥っ子に新幹線のオモチャを買っていきました。
すごく喜んで、一生懸命遊んでくれました。

甥っ子はしばらく会わないうちに、すっかりおしゃべりが達者に…。
以前は、よくわからない会話にこちらが合わせてあげていたのですが、
今日はちゃんと会話になっていたし、僕が質問するときちんと答えてくれました。
活舌も良くなっていたしね。
子供の成長って凄いですね…。

ベーレンタールは今日もとても良いハーモニーでした。
声が柔らかくなってきたなぁ。
来週末には秩父で「男声コーラス大会」があります。
「月光とピエロ」より「月光」と、「ベーレンタール男声合唱団団歌」を歌います。

…そんな訳で、今日も終電で帰宅。
眠い〜〜〜。



2012.9.27(木) 13時間半労働

朝から劇団青年座研究所の授業。
ミュージカルに取り組んでいます。
どうも今年の研究生はのんびりしてるなぁ(笑)

午後はオペラ「奥様女中」の音楽稽古。
みっちりと音楽作りをしました。

夜は池袋でレッスン。
23:30まで。

結局、帰宅は午前様。
10:00〜23:30の13時間労働でした。
そして帰宅してからも、山のような仕事。
現在2:00。
まだまだ眠れそうにありません。
…眠い〜〜〜。



2012.9.26(水) 足がつる 首もつる

早朝に左足がつって、激痛で目が覚めました。
しばらく悶えてから二度寝し、起きたら今度は首も痛い。
身体がカチコチの一日でした。

午前中に髪を切り、
午後はオペラ「奥様女中」がいよいよ立ち稽古開始。
2年ぶりのウベルト役ですが、
今回は【再演】なので、思い出す作業がメイン。
今思えば、なんでこんな演出をつけたんだろう?みたいな、
若干、未熟さを感じる演出…。
それを修正しながら、今の自分によるアレンジをほどこします。
それにしても、足も首も肩も痛い。
思うように動けなくて、欲求不満でした。



2012.9.25(火) いろいろ

午前中は合唱団指導の予定が、
二期会オペラ研修所の試験前最後の授業ということで、
合唱団を急遽お休みさせていただいて、研修所の授業へ。
グァーっと3演目歌って、最後の授業を終えました。
試験は土曜日…集中力を切らさずに頑張ります。
※もちろん僕には成績はつきません(笑)

午後は池袋でレッスンをし、
夜は上福岡の合唱団樹の指導。
だいぶ曲が仕上がってきました。
年配の方の歌っていいですね。
言葉に自然と年輪が刻まれる…というか、深みがあります。
高校生や中学生が卒業式で歌う「旅立ちの日に」という曲も、
おじさま、おばさまが歌うと何とも深みのある曲になります。
これが歌の面白さだなぁ…と思いました。



2012.9.24(月) レッスンDAY

一日レッスンDAY。
お昼から夜遅くまで一日中スタジオに籠っていました。
途中の空き時間で、合唱編曲を2曲仕上げて、
やっとこさ一日が終わりました。
まだまだ「こうもり」の余韻から抜け出せない…。



2012.9.23(日) 「こうもり」終演


※前日ゲネプロの様子

二日目公演にして千秋楽です。
昨日に引き続きの雨天…雨男健在です。
ゆったりとではありますが、やはり早い時間に会場入り。
つまりは舞台が好きなんですよね。
スタッフさんたちも朗らかに淡々と準備を進めていました。
その様子を眺めながら、することもなく…
桟敷席で寝ようと試みるも、できず。
結局、楽屋付近でウロウロしていました。

キャストさんたちは、ちょっとずつ会場入りすると同時に、
メイクルームへ。
僕もちょくちょく覗かせていただきながら、
最後ですから、僕も気になったことやリクエストはハッキリと伝えます。
キャスト陣の体調もさりげなくチェック。
誰も問題はなさそうでした。
舞台裏は本当にのんびり朗らかムード。
初日公演を無事、事故もなく終えた自信と余裕が漂っていました。
いい雰囲気です。

いよいよB組公演開幕。
のっけのファルケの前口上からお客さんはたくさん笑っていました。
そこからはお客様もどんどん物語に引き込まれていって、
大いに笑ってくださいました。
幕間にはホワイエでお客様とお話をしたり、声をかけていただいたりしました。
1〜2〜3幕と進み、今日もカーテンコールで舞台上へ。
今日も拍手をたくさんもらいました。

終演後は再びホワイエへ出て、いろいろ声をかけていただきました。
お越しくださった皆さま、本当にありがとうございました。
打ち上げも盛り上がって、たくさん笑いました。
楽しい「こうもり」とこれでお別れ…というのも寂しいのですが、
またいつかあの鳥たちが舞い戻ってくるでしょう。

ご意見・ご感想などは「楽屋で雑談」までお願いします。



2012.9.22(土) 「こうもり」開演!

ついに、ついに…

東京シティオペラ協会オペレッタ「こうもり」

開演です。
…まずはその前に明日組のゲネプロ。
いてもたってもいられなくて、予定の1時間前(9:00)に会場入り。
すでにホールでは照明の修正などが行われていました。
昨日のゲネプロ後に指示を出させていただいた修正を、
スタッフさんが早朝から行っているのです。


それにしても僕のわがままをスタッフさんたちが笑顔で対応してくれるのが、
本当に嬉しい…この人たちはホンモノのプロだなぁ…と感じるのでした。

僕も立ち会ってシューティングチェック。
その頃に出演者たちが順々に会場入りし、メイクルームへ入っていきます。
メイクのチェックもしつつ、小道具の確認など。
そうこうしているうちにあっという間に時間になり、
12時からゲネプロが開始しました。
始まってしまえば進むのみ。
その裏で照明さんと意見を出し合いながら、さらなる修正を加えていきます。
ここでも新しいアイディアが飛び交います。

B組のゲネプロが終わり、メイクや衣裳を落としているところを回ってダメ出し。
一方、ほぼ同時に今日本番組のキャストさんたちが楽屋入り。
タイムスケジュールに沿ってメイクルームへ。
それぞれのキャストさんたちに声をかけながら、何となく体調等をチェック。
もし体調が悪そうな方でもいれば、念の為対策を打たねばなりません。
幸い、皆さん調子は良さそう。あとは開演を待つのみです。

A組本番開始。
僕は客席の一番後ろで立って観ていました。
舞台上の様子よりもお客さんの様子を観察したいからです。
なかなかこちらの思惑通りの反応がなかったりするのですが、
一様に楽しんでいただいている様子でした。

今回の演出では、登場人物を全て鳥に置き換え、
メイクもほぼ特殊メイクに近い状態に仕上げてもらいました。
年配の方や「こうもり」を良く知っている方等は最初は戸惑っているようでしたが、
2幕の野外シーン(本来は舞踏会場)では、美しい光景に皆さん吸いこまれていました。

ラストシーンまで見終えたら、カーテンコールの為に舞台袖に待機。
カーテンコールではたくさんの拍手をいただきました。
終演後もロビーで声をかけてくださった方もいて、嬉しかったです。
A組キャストの皆さん、お疲れ様でした。



2012.9.21(金) 場当たり&ゲネプロ1

「こうもり」の場当たり&ゲネプロ。
お昼に会場の府中の森芸術劇場へ。

どんな舞台が組み上がったか?
メイクはどんなものになるのか?
照明はどんな仕上がりか?
楽しみで、いてもたってもいられなくなり、
予定よりも早く会場入りしました。

各セクション、それぞれ素晴らしい出来栄えでした。
一つ一つ修正や追加をお願いしながら、
スタッフさんと舞台を仕上げていきます。

衣裳と小道具の搬入も行い、舞台上の位置関係のチェック。
メイク・ヘアメイクの確認と修正。
とにかくたくさんのスタッフの皆さんとコミュニケーションを取りながら、
全てをチェックしていきます。

客席に設けられた「演出机」より

まずは出演者全員を舞台に集合かけて、諸注意をし、
それから場当たり稽古を開始しました。
2組同時に行うので、一気につけたり、交互につけたり。
出入りや立ち位置、小道具の処理を確認します。

場当たりと同時進行でメイクも施されていきました。
すごいメイク!!
さすが中野先生…イメージ通りのメイクでした。

場当たり稽古が終わったら、少し休憩をしてゲネプロ開始。
本番通りにリハーサルします。
リハーサルをしながらも照明さんや舞台さんと修正を重ねていき、
また、キャストさんの動きやメイク、または音響などを全てチェックしていきます。
全てが終了したら、片づけをしながら修正部分を各部署に伝えていき、
明日の準備をして退館。
いよいよ本番です!!



2012.9.20(木) 「こうもり」通し稽古2

午前中は劇団青年座研究所の授業。
ミュージカルの練習に取りかかりました。
まだパートの振り分けの段階…。
道のりは遠いです。

午後は少し時間が空いたので、ファーストフード店へ。
気がついたら椅子に座ったまま熟睡していました。

夕方はオペラ「奥様女中」の音楽稽古。
少し立ちをつけながら練習しました。
【再演】なので、以前にやったものを思い返しながら作ります。
これはこれで、「生」で作っている感じがしないので、
生理的には気持ちが悪いのですが、
まずは再現を果たして、それから新しいアイディアを出します。
次回から本格的に立ち稽古です。
暗譜せねば…。

夜は「こうもり」通し稽古B組。
最後の稽古です。
舞台監督さんと照明チーフさんとも打ち合わせをしつつ、
演技をチェックしてダメ出し。
頭がフル回転でしたが、何とか通し稽古終了。
さぁ!いよいよ明日から会場入り。
今度はスタッフたちとの作業になります。
実質、総合監督の立場に座らなければなりません。
気合いは十分!頑張ります!!



2012.9.19(水) 「こうもり」通し稽古

久しぶりにのんびり起きることができました。
本当にこの数カ月間、休みがなかった…。
今日はお昼過ぎから「こうもり」の稽古。
ついについに!
通し稽古です。

しつこいようですが…
僕は通し稽古を一番のピークに持っていくようにしています。
ここで本番同様の緊張感の中、しっかり通すことができれば、
あとは会場での調整のみに集中できますし、
とてもクールに本番を迎えられます。

そんな訳で朝からピリピリモード。
会場に早目に入り、セッティングを済ませ、
舞台スタッフさん等を迎え入れて、静かに準備をしました。
ついに通し稽古開始です。
稽古場はほど良い緊張感に包まれました。
キャストさんたちも、いつもよりやや高めのテンションで、
一つ一つのシーンをこなしていきます。
ミスも多々ありましたが、何とか全てのシーンが終わり、
ダメ出しも済ませて、片づけ。
3時間半の稽古が終わりました。
これにあとは照明とメイクが加わるとどんな舞台になるのか…
今回は優秀なスタッフ陣に委ねている部分が多いので、
出来上がりは、僕自身も想像ができないところです。
とっても楽しみです。

その後は、「第九ミリオーネン音楽会」で舞台監督を務めてくださる方との打ち合わせ。
実は「こうもり」のスタッフの一人でもあるので、
稽古後にそのまま流れていき、打ち合わせをしました。
僕のざっくりとしたイメージを伝えると、興味を持ってくださり、
いろいろアイディアも出してくださいました。
頼もしい限りです。
本当に厚意で今回は引き受けてくださり、
また一つ「心の柱」が増えました。

クラシック音楽情報誌「ぶらあぼ」に、
「第九ミリオーネン音楽会」の合唱団員募集記事を掲載しました。
団員まだまだ募集しています。
ぜひぜひご参加ください。

掲載された記事


団員募集のチラシ


団員募集要項はこちら
※お電話・ファックスでもお申込みいただけます



2012.9.18(火) 研修所GP&「こうもり」最終稽古

午前中は二期会オペラ研修所の授業。
月末の試験に向けて、今日はゲネプロでした。
超緊張!!舞台に上がってしまえば腹が決まるのですが、
それでも普通の本番以上に緊張します。
何せ、評価されるのは自分ではなく研修生たち。
僕がしくじる訳にはいきません。
恐怖に打ち克ってゲネプロは通せましたが、
それでも通常のオペラの稽古とは違うプロセスで本番に向かいますから、
この怖さはなくなることはないでしょう。

ドッと疲れた状態で、池袋へ。
午後は自分の生徒さんをレッスン。

それから夜は府中へ。
オペレッタ「こうもり」の最終稽古です。
いよいよ本番を今週末に控え、
通し稽古の前、最後の練習をしました。
ほぼ流し稽古ですが、通さずに止めながらラストまで進めました。
まだ不安な箇所はあるものの、いちおう形にはなりましたから、
あとは通し稽古をどれだけ緊張して演じられるか。
ノーミスで通せれば、自信になります。
「人事を尽くして天命を待つ」のみです。

まだチケットはわずかに残っているそうです。
ぜひぜひ皆様、お越しください!!



音楽劇「KAIDAN」(2012.9.15)よりスナップ写真

【牡丹灯籠】オープニングの「紅葉」三重唱


お露に花を手渡し歌う「勿忘草」
…時代劇だろうがカンツォーネを歌う…これぞShow劇場!


青島広志作曲「猫」…この曲を歌いながら萩原は狂っていく



2012.9.17(月) 休日練習と「こうもり」

朝から東京女学館へ。
寝不足です…。
朝9時から夕方4時まで合唱部の指導をしました。

夜は「こうもり」の稽古。
A組は通し稽古前の最後の練習。
甘い部分が目立つほど、他の部分は安定してきました。
いい仕上がりだと思います。



2012.9.16(日) 美術鑑賞&「こうもり」

お昼から知人に招待してもらった美術館観賞へ。
東京美術館に行ったのですが、
何故か僕が行った時間は全く混んでいなくて、並ばずに入場できました。
…奇跡だ。
さすがに中は混んでいましたが、じっくり絵を堪能できました。
特にジョルダーノの「アルキメデス」、レンブラントの「黄金の兜をかぶる男」
そしてフェルメールの「首飾りの女」
それぞれ絵具の塗り込み方が全く違って、面白かったです。
画集ではわからない、筆のタッチを見るのが目的だったので、
満足です。

夕方から「こうもり」の稽古。
まずは合唱団のみの稽古をじっくりやって、
夜からはソリストも合流して合同練習。
全シーンの流し稽古ができました。
形になってきたな…あと少し!!頑張ります!



2012.9.15(土) 音楽劇「KAIDAN」終演

すごい舞台でした…。
本当に全身全霊をかけました。

午前中に会場入りをしてリハの残り。
それから一気に本番の準備をして、開演を待ちました。
楽屋は異様な雰囲気でした。
すごい緊張感が漂っていました。
でもそれは自信のない緊張感ではなく、
これまでやってきたものへの自信がみなぎったものでした。
稽古通りやれば、絶対いいものになる。
だからこそ、ミスはできない!という全員の気持ちが伝わってきました。
舞台袖でも互いを励まし合いながら、気合いを入れていきます。
しかもこの舞台の第一声は僕の声。
気張らず…いつも通り…。

昼公演と夜公演がありましたが、
客層の違いからか、全く違う反応が返ってくるのが不思議でした。
同じ物語でも、観る人やタイミングによって、
いろんな角度から楽しめるんだなぁ…。

夜公演はとにかく一度気持ちをリセットして、
集中力を切らさないことが大切。
僕自身は極限まで集中力を研ぎ澄ませて演じていたような気がします。
猫のシーンは我ながら、すごい場面に仕上げられたと思うし、
実は殺された後のシーンでは、自分でも相当入りこんでいたのか、
疑似・死後硬直を体験しました。
※それでもそのシーンが終わったらケロッとできる自分…成長したな。

ラストシーンは涙が出そうなのをこらえながら、歌いました。
本当にいい舞台だった…自分の全力が出せた。
ここまで導いてくださった桜田ゆみさんの演出…そして台本。
良きライバルであり、最高の仲間でもある共演者の皆様。
支えてくれたスタッフの皆様。
そしてお越しくださったお客様。
さらにはどこか(近く?)で見守ってくれていた、目に見えない力。
全ての人に感謝をしたいと思います。
またこんな舞台に出会えたら…いいな。

萩原新之丞の気が狂っていくシーン…汗で水たまりができていました


終演後 みんなすごくいい表情
※写真提供:川島廣子



2012.9.14(金) ゲネプロ

午前中に二期会研修所の助演でしたが、
完全に頭が違うところにいっていて、
歌詞も動きも全部吹っ飛んでしまっていました。
あんな感じになったのは初めて…。
正直ショックでしたが、それだけすでに萩原新之丞になっていたのです。

午後から会場の深川江戸資料館に入り、
舞台の仕込み完了を待ちつつ、小道具のチェック。
それから場当たりをザーッとやっていき、
夜はメイクと衣裳をつけてゲネプロです。
ゲネプロとは思えない緊張感と集中。
個人的にはかなり集中してできました。
ほぼ完璧。むしろさらに新しい挑戦に足を踏み入れました。
狂乱のシーンは特に、目を使った芝居にトライ。
うまくいきましたが、とにかく疲れた。
本番日の入り時間が早まったので、急いで帰りました。



2012.9.13(木) 審査

午前中は劇団青年座研究所の授業。
後期に取り扱うミュージカルのオーディションを兼ねて、
一人ずつ歌わせて審査をしました。
荒削りだけど、センスのある子はたくさんいる。
そのセンスを生かしきれていない子がほとんどなのですが。
…キャスティングが難しいなぁ…。

午後はオペラ「奥様女中」の音楽稽古。
これは2009年にやったものの再演なので、
あれからもっともっとグレードアップしたものを作っていきます。

それから小道具のことやら何やら諸々の打ち合わせをしてから、
夜は「こうもり」の稽古
全幕をいちおう流しながら、細かい部分を作りこんでいきます。
だいぶ形にはなっているものの、ここにきてやや乱れが見える。
少し油断してしまっているような気がするので、
ここで気を引き締めていきたいと思います。



2012.9.12(水) 六道輪廻

午後から音楽劇「KAIDAN」の最後の稽古。
ついに完成しました。
全ての話が一つにつながり、
演者の心の中で何かが結ばれました。
互いに讃えあい、プレッシャーを掛け合い、
共に創り上げた舞台。
六道輪廻を描いた壮大なスケールと共に、
時代を越えて生きる人間たちの心のドラマに、
思わずラストシーンでは涙が止まりませんでした。
どの役者の顔を見ても、泣ける。
全ての役者が心の旅をし、いい表情でそこに立っている。
だから、たくさんの「愛」が舞台を満たしていき、
思わず涙が出るのです。

最後の通し稽古が終わった時、ほとんど全員が泣いていました。
この作品に出会えたこと。
全員が死力を尽くしきれたこと。
素晴らしい仲間と出会えたこと。
何だか嬉しくて、ありがたくて、涙が止まりません。
昨日に引き続き、泣き過ぎて疲れました。

夜は「こうもり」の臨時追加稽古。
台詞の部分を、徹底的に練習しました。
素振りをするように何度もくり返し練習できましたし、
とても有意義な稽古になったと思います。
これで、少し遅れを取っていた方の組も並んだ感じ。
さ、これから仕上げに入ります。



2012.9.11(火) 涙の稽古場

今日は午前中にハーモニーベルズの指導。
出席者が少なかったですが、「笑顔で歌う」を課題に、
明るく歌いました。

午後は音楽劇「KAIDAN」の稽古。
僕が登場する『牡丹灯籠』は、完成度も高まり、
今日はラストシーンで出演者まで泣いてしまうほどでした。
本当にいいものが出来上がったなぁ…。
牡丹灯籠のシーンが終わった時は、共演者たちが拍手をしてくれました。
その拍手が数分間止まらなかった…。
すごい雰囲気でした。
僕自身は1カ所だけミスしたのが悔しいです。
今までで一番集中して出来ていただけに、残念。

夜は混声合唱団樹の指導。
学校の卒業式歌でおなじみの「旅立ちの日に」を練習中。
皆さん、とても若々しく歌っていらっしゃいました。
いいなぁ…やっぱり年配の方の歌には独特の味わいがある。
そこを生かせる演奏をしていきたいです。

帰宅して「こうもり」の照明用楽譜を作成。
気付いたら朝の4時過ぎになっていました…。



2012.9.10(月) いろいろ

昨日の通し稽古の疲労がダメージとして残っています。
全身全霊で演じますから、回復は一晩では無理なようです。
…でも本番は1日2回公演なんだよな…。

お昼から池袋でレッスン。
生徒さん同士で仲良くなったそうで、みんなで近くの喫茶店でお茶をしながら、
ローテーションしてレッスンにお越しになっているのでした(笑)
でも、歌を通して新しい出会いが生まれた、というのは嬉しい限り。

その後、夕方は東京女学館合唱部の指導。
合宿以来でしたが、よく自分たちで練習している成果が出ていました。
みんなちゃんと努力していて偉い!

夜は12月23日の「ミリオーネン第九プロジェクト」の会議。
実行委員会を集めて、報告と対策を議論します。
といっても、緊張と緩和がいいバランスを保ち、
しっかりと話し合いながらも、和気あいあいと楽しく打ち合わせしました。

今日の話し合いも、とっても有意義だったし、楽しかったです。



2012.9.9(日) 通し稽古

お昼から月島にて、
音楽劇「KAIDAN」の最後の通し稽古。
毎度のことですが、稽古は最大級の緊張感の中で行われます。
今日はノーミスで演じられました。
ここまで漕ぎ着けた…最大級の努力で創り上げた舞台。
あとはシステマチックな修正や処理を稽古するのみです。
人事を尽くして天命を待つ。
この桜田劇場のモットーですが、
今回もこのメンバーで成し得る最高の舞台をご提供できそうです。
※昼公演のチケット…パイプ椅子席ならまだあるそうです。

爆笑と涙の通し稽古が終わったら、
池袋へ。レッスンです。
11月の発表会に向け、終盤戦に向かいつつあります。
皆さん声も良くなってきて、音や言葉も身体に染み込んできた模様。
ここからは表現の為のレッスンが中心になります。
歌詞の意味を考えたり、
どんな場面で歌っている曲なのか等をイメージしながら、
それを表現する方法を伝授していっていきます。
とにかくレッスン後は笑顔で帰ってもらえるのが一番の喜びです。
これからも楽しく、のびやかに歌えるようになっていただけるよう、
頑張ってお手伝いをします。



2012.9.8(土) 炎天下稽古

今日の音楽劇「KAIDAN」の稽古は、
桜田ファミリー恒例の【公園稽古】でした。
本来の稽古場が狭いため、
実寸で練習すべく、スタジオ近くの公園へ。

しんどかったけど、何だかみんな楽しそう

もう野外で大きな声で歌うのにも慣れてしまった…。
むしろちょっとこの快感は病みつきになりそう(笑)
いずれにせよ、この一体感は他の現場にはないんですよね。
みんな一緒に作っている感じ。
最高の舞台にしますよ!!!
※昼公演はすでに完売しております。

夜はオペレッタ「こうもり」の稽古。
合唱とダンサーも入っての勢揃い稽古でした。
なるべくたくさんのシーンを回数繰り返してやりたかったのですが、
なかなか上手くいかないものですね…。
現場の空気を作るのも、もう少し上手くなりたい。
今日は指揮者の勇太さんに助けてもらっちゃいました。
もっと頑張るぞ!



2012.9.7(金) 今日も朝から晩まで

最近、日記を書く前に堕ちて(寝て)しまって…
更新が遅くなってすみません。

午前中は二期会オペラ研修所の助演。
朝一で歌うオペラはなかなかハード。
かなり形になってきて、ダメもあまり出ない状態に。
研修生の皆さん、頑張っています。

午後は「こうもり」の稽古。
若手とベテランが同格に演じられるようになってきました。
こちらも若手のみんなが本当によく頑張っています。
中身の濃い「こうもり」にしたいです。
撮影:川島廣子

稽古場で一緒だった父と一緒に実家へ。
甥っ子とカレーを食べました。
僕のことを待っていてくれたようで、大はしゃぎ。
自分を待ってくれている家族がいるって…いいですねwww

夜は熊谷へ。ベーレンタール男声合唱団の指導。
「月光とピエロ」や、僕が編曲した四季の唱歌も、
よく歌ってくださっています。
以前は力任せに歌っていたのが、
最近は柔らかい音色になってきたのは、本当に嬉しいです。

車で実家に帰宅すると、まだ甥っ子が起きていました。
甥っ子といっぱいおしゃべりをして、いっぱい遊びました。
最後はおやすみのチューまでしてくれて…
は!男とチューしたのはこれが初体験だ…(笑)
終電で帰ってきたら、そのままバタンキュー。
翌朝、この日記を書いています。



2012.9.6(木) 朝から晩まで

午前中は劇団青年座研究所の授業。
こちらも新学期開始です。
後期はミュージカル作品を手掛けます。
僕も、勉強が必要…大変だ。

午後は、10月のオペラ「奥様女中」の音楽稽古初日。
2009年に僕が初めて演出をした作品の再演です。
久しぶりに歌うウベルト役は、以前よりも断然演じやすくなっていました。

夜は「こうもり」の稽古。
A組はほぼ通し稽古ができるまでになりました。
まだ3幕が薄いので、これから力を合わせて煮詰めていきます。
とりあえず、いよいよ本番の背中が見えてきたので、
ラストスパート!
慎重に、そして大胆に進めていきたいです。



2012.9.5(水) 青島広志先生監修

9月15日公演の音楽劇「KAIDAN」では、
作曲家の青島広志先生が監修で入ってくださっています。
今日はその青島先生がスタジオにいらして、
それぞれの歌にアドバイスをいただきました。
僕も青島先生の作品を歌って、ヒントをもらい、
その他にも3曲みてもらいました。

夜は「こうもり」の稽古。
一瞬たりとも妥協せずに、緻密に粘り強く稽古できました。
出演者の皆さんも食らいついてきてくれました。
この調子で高めていきたいです。



2012.9.4(火) 新学期

二期会オペラ研修所の授業も授業再開。
今日は僕は別の仕事があったのですが、
「どうしても」と頼まれて、急遽授業に参加することになりました。
お休みしてしまったハーモニーベルズの皆様、すみませんでした。

「フィガロの結婚」の重唱で伯爵役を演じていますが、
少しずつ余裕が出てきて、正直遊びたくなっている自分。
でも研修所ではあまり自由気ままには出来ませんから、
自制…自制。

午後は池袋でレッスン。
夜は上福岡で混声合唱団樹の指導です。
…と、その前に、上福岡駅前のファミレスで一服していたら、
演出の助手をしてくれている海下くんとバッタリ!!
思いがけず練習についての打ち合わせができてしまいました。
すごい偶然。

混声合唱団樹には、また新入団員さんが入りました。
難しい曲にも挑戦していますが、皆さん頑張っています。
10月のミュージックフェスタまでに仕上げるぞ!



2012.9.3(月) お知らせ

今日は午後から「こうもり」の組分け稽古。
昨日とは別の組でしたが、組によって様相がだいぶ違います。
稽古の仕方も違えていかないといけません。
組分け稽古になると、その辺りを考慮できるので、
これから少しやり方を変えながら進めていきたいと思います。

夜は新浦安で、合唱団LICHTの指導。
"Ave verum Corpus"はとても温かい音色でした。
本当に美しかった…。
僕の指導の仕方はこれまでの既成概念を壊したものなので、
新しい方法論で合唱を作っています。
「美しい音の羅列は歌ではない」
言葉が伝わってこそ初めて「歌」になるのです。
美しい音を求めるのはなく、美しい言葉を磨いていく。
そんな合唱を目指しています。
月に一回の練習ですが、皆さん生き生きと通ってきてくださっている。
練習後の懇親会「寄り道会」も毎回盛り上がっています。
今年はあと、10月&11月の2回ですが、
まだまだ参加者を募集していますので、
興味があればぜひお問い合わせください。
※次回10月1日(月)19:00〜浦安市中央公民館です。



2012.9.2(日) KAIDAN通し稽古&こうもり

お昼から晴海へ。
ついに音楽劇「KAIDAN」も通し稽古(H.P.)に入りました。
本番通りの衣裳を着て、着替えの時間も計算していきます。
僕は着替えに関してはそんなに大変ではないので、
とにかく芝居に集中。
一カ所、思いがけないところで台詞を噛みましたが、
それ以外は集中して全て演じられたと思います。
全体を通すと、本当に長編大作!
お客様を飽きさせず、引きこんだまま3時間持続するのは大変。
各自が責任重大です。
それでも、皆がほぼ完璧に仕上げてきていますから、
いい意味でプレッシャーを感じながら演じています。

ケツカッチンで府中へ。
オペレッタ「こうもり」の組分け稽古が始まりました。
合唱の皆さんも今日から立ち稽古。
第2幕をざーっと流していきました。
そして第1幕は細かく修正したりネタを増やしたり…。
第3幕の頭だけ少し出来ました。
なかなかいい感じに仕上がってきています。
各自の勉強と努力が伝わってくる、良い稽古だったと思います。



2012.9.1(土) 首都オペラ「カルメン」終演

過去最高の出来でした…。
正直、一回で終わりでは勿体ないし、
もっとたくさんの人に観てもらいたかった。

首都オペラ「カルメン」初日組が終演しました。
カルメン役の小林由佳さんの集中力がとにかくすごかった!
これだけ芯が一本通ったカルメンは僕は観たことがない。
その上であの美貌とスタイル…。
声も演技も素晴らしかったです。

ホセ役の村上敏明さんも絶好調。
アリア「花の歌」は舞台袖で聴いていて思わずガッツポーズしてしまいました。
弱さと狂気を見事に演じていました。

ミカエラ役の山口佳子ちゃん。
お人形さんのような見た目と、三幕で見せる強さ。
完璧なミカエラでした。
アリアを歌った後、拍手がしばらく止まりませんでした。

エスカミーリョ役の森口賢二さんはまさにハマり役。
ご自身のプロフィール写真が既にエスカミーリョの衣裳ですし。
自分の生き方に迷いのないことが目線・動き全てで表現されていて、
見事なまでにエスカミーリョでした。

ズニガ役の矢田部一弘さんは、いやらしいホセの上司役を。
モラレス役の岩田健志くんも笑顔の奥に見せる色気がミカエラの恐怖をあおる。

我が密輸団は絶妙のコンビネーションで演じられました。
芝居中にたくさんのアイコンタクトが行われ、
僕の視線に合わせて全ての動きを作っていってくれるから、
僕は不動のボス役として、威厳を表現できました。

巨漢のレメンダード役の澤崎一了くんが僕の指示で全て動いてくれる。
メルセデス役の小谷円香さんも何が起きても必ず僕の指示を待つ為に目線をくれる。
フラスキータ役の渡辺文子ちゃんは我が道をゆく役作りだけど、
いつもダンカイロにしなだれかかってくる。
こうして部下三人がボスである僕を中心にそれぞれのキャラクタで動くから、
組織としてとても強い密輸団であるように見えたと思います。
そして僕はいつもカルメンの心情変化を見逃さず、さらには全てを片目で見渡す。

最高のメンツで、最高のチームワークと自主性を持ったキャスティングだったと思います。
本当にどのシーンもいい集中力でいい意味でスリリングで、
そして網の目のような芝居ができました。
楽しかった…。

そして日本最高峰のスタッフ!
舞台美術・照明・舞台袖のスタッフ・・・皆さんが素晴らしかった。
こんなに舞台裏が気持ち良く、楽しく、手を取り合えたことが嬉しかった。
そんでもって、衣裳も素敵!小野寺さんのこだわりが本当にセンス良く、
ダンカイロも格好良く作ってくださいました。

 

 
衣裳の小野寺さんからの要望で、コートは着崩すようにしています。身体を大きく見せる工夫をしました。


抜群のチームワーク…密輸団
ダンカイロ:僕 フラスキータ:渡辺文子 メルセデス:小谷円香 レメンダード:澤崎一了


さてさて…ダンカイロという人物ですが…
まず「ダンカイロ」という名前はあだ名です。
「人の財布で賭けをする男」という意味です。
よくこの密輸団を「極悪ならず者集団」だと考える人がいるのですが、
そうではありません。
3幕の歌詞の中にも登場する税関吏たちが、
莫大な税金で不当に儲けているのを彼らが密輸することで、
ジプシーや平民たちがなんとか暮らしていけているのです。
いわば彼らは市民の味方!正義の集団なのです。
人殺しはしません。(今回の演出では税関吏を殺しましたけどね)

彼らのやり口はこうです。
「女を役人や軍人たちにあてがって、その隙にブツを運ぶ!」
捕えたズニガを殺さず簀巻きにして歩かせるのも、
3人の税関吏たちに女を送りこんで密輸をするのも、
決して殺生はせずに、ただ物資を運ぶだけのことをしているのです。
そんな密輸団の頭領ダンカイロは知将であり、最も人々から信頼されいる人物。
…ということを踏まえて役作りをしていきました。
ただしその中で【軽さ】と【狂気】を併せ持つ人物を匂わせました。

もうこれで終わりなんですよね…もったいないな。
本当に素晴らしい舞台でした。
お越しくださった皆さま、ありがとうございました!
一度観ただけでは全てを把握することは不可能だったと思います。
「あのシーンはどういう意味だったのか?」等、お客さんに考えさせる演出でした。
ご意見、ご感想など、「楽屋で雑談」までお寄せいただけたら嬉しいです。