舞台裏日記


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2008.4.30(水) 「フィガロの結婚」ゲネプロ

今日は・・・

午前:オケ合わせ

午後:場あたり

夜:ゲネプロ

という強行日程でした。
オーケストラは今回の公演のために集まってくださった方々ですが、
さすがプロのオケ・・・なんていい音なんだ・・・。
どこのオケのメンバーなのかは言えないらしく、
『PICCOLA BOTTEGA del TEATRO オーケストラ』と名乗っています。

オケ合わせを終えて、東京衣裳の美しい衣裳に着替えて舞台へ。
とても美しい調度品が並ぶ美しい舞台に、
とても美しい照明。
どうもこの公演は豪華絢爛です。

実際の舞台に物が並ぶと、
稽古場では起こらなかったいろいろな不都合が生じるので、
それを修正・確認していきながら場当たり終了。

メイク・ヘアメイクはピーノ先生がやってくれました。
『西洋人に見えるためのメイク』は今まで経験したメイクとは違い、
たとえば鼻にはパテを貼って、鼻を高くしたり、
ドウランの色もいつもの肌色や茶系のものではなく、
ピンクと白で『白人』に大変身。
髪の毛は地毛を巻いて、モーツァルトみたいな髪型。
ちなみに3幕では白カツラをかぶります。

ゲネプロは個人的には驚くほどスムーズに進み、
むしろ上手くいきすぎてしまいました。
出番がない時間の使い方など、ペース配分もほぼ完璧。
かなり流れるように全てのシーンを自然に演じることができました。
明日の本番はここからもう一つ丁寧に、着実に演じていく感じ。
今日は少しテンションが高く、無駄な動きもあったはずなので、
明日は動きを一つずつ減らしていくとちょうどいいはず。

それほど疲れた感じはなかったけど、
帰宅してみるとすごい脱力感と足などがとても熱を持っている。
長距離走を走った後のような状態になっていました。
今夜は湿布を貼ったり、自分でマッサージ・ストレッチをして寝ます。

いよいよ。
いよいよです。恐怖心や不安感よりもワクワク感の方が強いです。
この余裕が逆に不安だったりして・・・。
とにかく明日が全てです。頑張ります!!
当日券もございますが、
もし当日券をご購入の際はできたら「古澤」の名前を出してから買ってくださいね。



2008.4.29(火) いよいよです

午前中はハーモニーベルズの指導。
6月の合唱祭に向けて、いい方向に進んでいます。
とても上達していて、正直驚いています・・・。

午後は「フィガロの結婚」B組の通し稽古を見学。
実際に通しているのを観てみると、
改めて体力勝負だというのがわかりました。
こりゃあ2幕と3幕の間にしっかりバナナでも食べないと持たん・・・。
以前(8年前)は、この2-3幕の間に着替えやらカツラのセットやらで、
栄養補給をできずに3幕の途中から血糖値が下がって、
貧血を起こしたまま最後まで演じました(4幕の記憶がなかった)。
今回はそういった部分までしっかり計算して演じなければ・・・。
まさに過酷な耐久レースに出るような気分です。
怖い気持ちもあり、ワクワクしている気持ちもあり、複雑。

そうそう。
今日は共演者から「古澤さんのエロ伯爵っぷりがどんどんすごくなってますね。」
と言われました。
とっても褒め言葉・・・。嬉しかったです。

明日はオケ合わせ→場当たり→ゲネプロというこれまた耐久レース。
体力をしっかりつけて早めに寝ようっと。


まだ空席が多少あるそうです・・・。
これだけ頑張ったステージだから、たくさんの人に観てもらいたいなぁ。


2008.4.28(月) 「フィガロの結婚」A組通し稽古

昼間は東京ミューズアカデミーで授業。
夜は「フィガロの結婚」通し稽古でした。
通し稽古は通常の練習とはうって変わって非常に緊張します。
昨日の日記でも宣言した通り、
通し稽古は今までの稽古でやってきたことを忠実に再現することと、
やり残しているアイディアを試す最後の機会です。
今日はペース配分も含めて、いろいろ試してみました。

1幕は登場シーンからずいぶん埋めていった分、
あっと言う間に終わってしまった感がありました。
本当に全部やりきっただろうか???と思い返せないほど自然でした。
でもそれがもし「慣れ」になってしまっていたらいけないな・・・
・・・と、ちょっとだけ反省。

2幕は初っ端でいきなりミスってしまいました。
僕自身はすぐ立て直せたのだけど、共演者には迷惑をかけてしまった。
一番自信があった部分に気の緩みがあることを発見しました。
2幕は集中力!!
特に一度登場してから一瞬引っ込む以外は、
フィナーレまでジェットコースター。
迅速に頭を切り替えながら、一つ一つを丁寧に演じていきたいです。

↑2幕ケルビーノのアリア「恋の悩みを知る君は」
(左からケルビーノ:岡島さん、伯爵夫人:高橋さん、スザンナ:小山さん)


怒涛の2幕が終わっても、3幕は冒頭から登場。
いきなり難所と言える同時進行のセッコから2重唱。
さらに休むことなく難曲のアリアへ突入。
伯爵夫人のアリアの間に一度退場しますが、
すぐさま大きな「裁判」の6重唱。
それが終わると一瞬退場してすぐさまアントニオとの短いセッコ。
気がつくとすぐに3幕フィナーレまですべりこんでいきます。
フィガロのウソを追求するシーンも地味に難しいし、
結婚式のシーンも芝居的にはとても難所。
最後のアッコンパニャートも独りで長台詞。

4幕はフィナーレのみなので、この3幕までが本当に体力勝負。
体力・集中力をいかに保ちながら演じきれるか・・・。
8年前の失敗を引きずってずーっと避けていた伯爵役。
そのリベンジと、今までのオペラ経験の集大成としてこの大役に挑みます。

絶対にお見逃しなく!!!



2008.4.27(日) 「フィガロの結婚」B組通し稽古

午後から八王子で「あい混声合唱団」のヴォイトレ。
指揮者さんもお休みだったので、僕一人で2時間完全ヴォイトレでした。
前回から「コンコーネ」(声楽の練習曲集)を使って、
歌いながら声の上達を図ります。
若い合唱団なのだけど、大人の声を目指しています。
今日はずいぶん深い声を出してくれました。
ヴォイトレは1ヶ月に1回か、2ヶ月の1回。
次回までにどれだけ成長してくれるか楽しみです。


夜は「フィガロの結婚」B組の通し稽古。
僕はA組なので、今日は見学に徹しました。
同じ演出だけど、演じる人と、その組み合わせによって、
全く違う作品に見えます。
伯爵のキャラクターも、僕とピーノさんでは真逆に近くて面白い。
明日はうちの組の通し稽古。
いろいろ試せるのは明日が最後。
思いっきり演じられますように・・・。


2008.4.26(土) 読売コンサートin東金

読売コンサートシリーズ。今日は千葉県東金市にて。
8:00に家を出て、1030にやっとこさ東金駅に到着。
ホームに屋根のない素朴な駅でした。

↑東金駅
東金市文化会館に到着。
11:00からリハーサルをして、開演時間ギリギリにリハ終了。
ホールの外には長蛇の列ができていたそうです。

第1部はソロステージ。
僕は、オペラ「フィガロの結婚」の伯爵のアリアと、
オペラ「ドン・ジョヴァンニ」の『窓辺においで』と、
「千の風になって」を歌いました。

伯爵のアリアはもしかしたらお客様には伝わらなかったかも。
「窓辺においで」はマンドリンを弾く芝居や、
バラの花を一輪胸元から取り出したりとちょっとだけ工夫。
最後に花を投げるフリをしたら少しだけウケました。
「千の風〜」はこの曲の根強い人気からか、
「ブラヴォー」と声をかけてくださった方もいて、とても嬉しかったです。

第2部は作曲家:丸山博さんをお招きして、丸山さんの曲を歌いました。
丸山さんご本人にピアノを弾いていただき、とても光栄でした。

左から丸山さん、僕、ソプラノの手島さん、作詞者の池川さん

第3部は室内楽。僕は休憩。
第4部は「音楽でつづる世界の旅」
ソプラノの塩野さんの進行で様々な国の曲を演奏します。
アイルランド、フランス、ノルウェー、アルゼンチン、ドイツ、イタリア、アメリカ、オーストリア。
僕はイタリア担当ということで「ガンジス河に陽はのぼる」を歌いました。
ガンジス河だからイタリアじゃないんだけどね・・・(汗)
『イタリア人になりきって』という設定だったので、思いっきりノリノリで歌いました。
最後にオーストリアはウィーンということで、「メリーウィドーワルツ」を。
ソプラノの手島さんとワルツを踊りました。

アンコールは「早春賦」を会場の皆さんと。
一番前の席のお父さんは僕の顔をじーっと見ながら歌ってくださっていたし、
皆さん本当によく歌ってくださっていました。
文化のある町:東金市。・・・ステキですね。

終演後、打ち上げには参加せずに東金市をあとにしました。
いやー遠かった・・・。
でもお客様に温かく迎えられた素敵なコンサートになりました。



2008.4.25(金) 「フィガロの結婚」完成間近!

今日も午後に池袋のスタジオでお二人レッスン。
夜は「フィガロの結婚」の稽古があるので、
池袋で食事をしてから稽古に向かうことにしました。
メトロポリタンプラザのレストランフロア。
ちょっとお腹の調子が良くなかったので、和食を。
「豆富百珍 八かく庵」で、湯葉丼を食べました。
静かな店内・・・とても居心地が良かったです。
最初にそば茶とお茶菓子、豆乳が出てきて・・・

さらにおぼろ豆腐も出てきました。
980円の湯葉丼を頼んだだけなのに、この豪華さ。
すでにこの時点で感動。
さらにおぼろ豆腐にかけるだし醤油と、梅ゴマ、海水塩が絶品。
いよいよ湯葉丼!
・・・ご飯に湯葉が乗って、あんかけがかかっているシンプルな一品。
その上に三つ葉とおろしと梅が・・・本当にシンプル。
でも奥深い・・・。味噌汁、お新香、おからがついていて、
そしてデザートはイチゴと豆乳を葛で固めたもの。
満足満足!いい食事でした。


武蔵小杉へ移動して、「フィガロの結婚」稽古。
最近はこの稽古場に行くのが楽しくて仕方がない。

いよいよ「フィガロの結婚」本番まで1週間をきりました。
うん・・・だいぶ埋まってきている。

他の人が同じ役を演じても、同じ演出でも、
絶対に違うものになると思います。
りぴとだけのアルマヴィーヴァ像が完成しつつあります。

たとえば僕は血液型がB型なので、
りぴと版アルマヴィーヴァ伯爵もB型的な思考・行動をしているのだと思います。

きっと面白いと思うなぁ(自分で言う・・・)。
何よりも自分が演じているアルマヴィーヴァを自分が客席で見て笑いたいですもん。

なんかいつも怒ってばかりいるアルマヴィーヴァでもなく、
ただバカみたいにエロエロのアルマヴィーヴァでもなく、
とにかく瞬間瞬間に喜怒哀楽が変化していく、
ぐっちゃぐちゃな人なんだと思います。
だからどこか子供っぽさがあり、アホで、
それでいてどこか憎めない・・・そんなアルマヴィーヴァ。
みんなに愛されるアルマヴィーヴァを演じたいです。


2008.4.24(木) スタジオにこもる

今日は午後から3人:4時間連続のレッスン。
池袋のスタジオの一室にこもっていました。
生徒さんたちが足しげく通ってくださいます。
それに応えられるように・・・何かを持って帰ってもらえるように、
頑張ります。

夜は川口市民合唱団。
皆さん順調に、淡々と練習を重ねていっています。
今日もいちおう一曲完成。
ゴールデンウィークをはさむので、これまでやった曲も復習。
思ったよりも全然崩れていなくて安心しました。
「花に寄せて」の「てっせん・どくだみ」だけは、
未だに僕の求めている音楽がまだ伝わっていない模様。
僕も伝えるための言葉が見つからない。
実際に僕が歌ってみても、うまく伝わらないでいます・・・。
常に微妙に揺れ動く音楽でありながら、
メロディがメロディック過ぎてついつい気持ちが入り過ぎてしまうようです。
ふーむ・・・難しい。

夕食は近所の「牛角」。
食べ放題でたらふく食べました。
『ぽんてバニラ』が当たりました。うまかった〜。



2008.4.23(水) 東京→埼玉→神奈川

今日は午前中から阿佐ヶ谷でピアノ合わせ。
今度の土曜日に千葉県東金市で出演するコンサートの曲を、
ピアノ伴奏者さんと合わせました。
4曲を1時間半ほど練習して、すぐ移動。

午後は埼玉県へ。
高崎線宮原駅近くの会場で、父のコーラス:ベラフォンテの指揮。
来月の大宮ソニックシティでのコンサートのための立ち稽古。
あっと言う間に2時間が過ぎました。

湘南新宿ラインでグッスリ寝ながら移動。
夜は川崎市で「フィガロの結婚」の稽古。
今日はバルトロの小田桐さんがいらしたので、
バルトロ絡みのシーンを稽古。
小田桐さんとは和光市民オペラ「ラ・ボエーム」でご一緒しました。
久々の再会でしたが、ごくごく自然に「どうも〜」って感じでした。
1幕は自分でもかなり隙なく埋まってきた感じ。
【何もない】瞬間が一切なく、伯爵として全てを見、聞き、考えている。
いい感じ。
4幕フィナーレもやるべきことは決まったので、
今はどんどんアレンジを加えていっている段階。
もっと、お客さんがドキっとするようなエロっぷりを出したい・・・。
今日はやりませんでしたが、2幕もほぼ埋まっています。
あとは3幕!
最初の独り言からデュエット、そしてアリアへ・・・と、
3幕冒頭は伯爵役の鬼門!!
まだこのシーンはこっからです・・・。
残りわずか、ラストスパート頑張ります!!

ここまで頑張っている自覚がある舞台・・・。
一人でも多くの人に観に来て欲しいです。
全力投球をお見逃しなく!



2008.4.22(火) 6時間フィガロ・・・

午前中にハーモニーベルズ女声合唱団を指導。
思えば、僕が指揮者になってからもうすぐ約1年になろうとしています。
この1年間で皆さん本当にとても上達しました。
声もかなり揃ってきて合唱団としてのレベルも上がりました。
6月には合唱祭にも出演する予定・・・ますます気合いが入ります。

午後は池袋へ。
LABIの先にある「美濃屋文右衛門」で重ねソバごま汁を食べました。
う〜ん絶品。もしかしたら過去最高のソバかも・・・。
あまりの美味しさに一枚追加してしまいました。

1:30から一人レッスン。
2:30から「フィガロの結婚」個人稽古をしました。
そのまま休まずに川崎へ。「フィガロ〜」B組の音楽稽古に参加。
ずーっと歌い続けて・・・結局個人稽古も含めると、
今日一日、6時間「フィガロ〜」でした。
最後の方は頭がクルクルパーになっていて、
これまでの歌い手人生で一番歌っているはずの「伯爵のアリア」の歌詞も出ず。
あくびをしたらノドの奥の筋が一瞬つりました・・・。
かなり疲れた。

それにしてもこれだけ歌っても声が枯れることはなく、
単純に周りの筋肉が疲労しただけ。
それほどおかしな発声はしていないということがわかって、
少し安心しました。
もっと楽な出し方をしていれば疲れないんだろうな・・・。
っていうか、脳みその持久力はダメ。



2008.4.21(月) 「カルメン」フォトUP

昨日の「カルメン」の写真をちょっとだけUPします。
提供はレメンダードの横山くん。

↑ダンカイロ&レメンダード
【その他の写真↓】※ファイルサイズが大きいので携帯でご覧の方は注意
全身
マエストロと
盗賊たち
※関係者の皆さまへ・・・もし当HPでUPしてもよい写真があったら送ってくださいね。


今日から東京ミューズアカデミーの授業開始。
音大受験生の新曲の授業をしました。
とっても明るい子たちでこちらが圧倒される・・・。
その後、近くのスタジオで個人レッスン。
こちらは音大受験とは関係なく、のびのびと。
でも皆さん確実に進歩していて嬉しいです。
"Nessun dorma"とかしっかり歌えるようになったり、
きちんとチェンジしてハイC(高いド)までガッツリ出て自分で驚いている生徒など。
・・・
・・・みんな、オレより上手くならんどいて・・・(汗)
(※ウソです。どんどん上手くなってくださいね。)


2008.4.20(日) 江東オペラ「カルメン」終了!

江東オペラ「カルメン」が終了しました。
お越しいただいた皆様、関係者の皆様、
本当にありがとうございました。

天気予報がはずれて、小雨がぱらつく気候。
開演の2時間前にも関わらずすでにお客様が並んでいました。
ありがたや〜と思いながら、その脇を通り過ぎて楽屋へ。
まずは舞台に上がって動線を軽く確認。
今度は客席に行って、舞台の上にいる自分をイメージしながら発声練習。
子役の子達に絡まれながらもすり抜けて再び楽屋へ。
13:30に開場。

14:00に予定通り開演。
メイクの中野先生のご好意で、予定にはなかったのにメイクをしていただき、
超かっこいい顔を作ってもらいました。
これで俄然気合いも入りました。
1幕が終わる頃にメイクも完成。衣裳も着こんでスタンバイ。
衣裳の気になるところを少し直してもらって、いよいよ舞台へ。
舞台上ではエスカミーリョ扮する山口さんの見事な「闘牛士の歌」が歌われ、
舞台上も客席もとっても盛り上がっていました。
温まった舞台へGO!
あとは一気に演じていきました。
カルメンの名手:森永先生、迫力のホセ:土師先生を含めて、
素晴らしい共演者の皆様の支えもあってか、若干テンションが上がり気味の僕。
かなり自由に振り回させていただきました。
(※一箇所カルメンさんの台詞を喰ってしまいました・・・反省)


今回、初のダンカイロ役をやらせていただきました。
最初は「無理です」とお断りした役でしたが、
せっかくやらせていただけるのなら、と頑張って演じていきました。
まず最初の作業は・・・
自分の中にあるダンカイロ像(一般的なダンカイロ像)をかき消すこと。
ごっつくて、太い声で、重厚感のあるダンカイロ・・・。
「中年」という設定もありますが、それらは一度払拭。
自分なりのダンカイロを見つける作業でした。

3幕の最初のアンサンブルの後、ダンカイロは・・・
「ここで1時間休むぞ、相棒たち
 オレたちはこの先が安全かどうか確かめてこよう・・・」

と、合唱の皆を休ませてレメンダードと闇の中へ消えていきます。
僕はこの台詞に心惹かれました。
ボスでありながら命令して部下を動かすのではなく、
自ら危険な役を買って出るダンカイロ・・・かっこいい・・・。
僕にはこの役の重厚さは出せないと感じていたこともあり、
この役に自分自身が感じた『かっこ良さ』を追究していきました。
以下は恥を忍んで、今日の演技プランと舞台レポートを公開。


【2幕】
民衆を引き連れてエスカミーリョたちがパスティアの店を去った後に、
レメンダードと登場。
「いい儲け話がある、それに協力してくれねぇか?」
とカルメン、フラスキータ、メルセデスに協力を求めます。
横山くん演じるレメンダードはとってもコミカルで、
しかもダンカイロに絶対服従して演じてくれていました。
他のみんなも含めて、共演者を信じて・・・
・・・というと聞こえはいいのですが、要するにわがままに・・・
自由に、自分勝手に舞台をかき回すように5重唱を歌い演じました。
何よりも、周りを引っ掻き回して、巻き込んでいってしまうところに、
ダンカイロの人を魅了する求心力があるように思うからです。

皆が動いているときはどっしりと動かずに。
皆が止まっているときは大きく舞台を横切る形で突っ走る。
それに皆がリアクションして動いていく・・・
そうやってダンカイロが舞台上を支配している様子を作っていきました。
本番は予定通りではありましたが、いつも以上に周りを振り回したかしら。
とにかく「独りで演じる」方向にだけはいかないように、
「いたずら心」を常に持ち続けました。

5重唱はちょっと動き過ぎたので、今度は『静』のダンカイロ。
ズニガを捕らえてからは動きを最小限に抑えて、
ダンカイロの狂気の部分をほんの少しだけ見せました。
刀をズニガの首もとに突きつけてニヤリと笑う・・・それ以外は動かない。

2幕の終わりにホセを仲間に引き入れ、握手をするシーン。
幕が下りる瞬間だったから見えなかったと思いますが、
僕がホセに握手を求めると同時にレメンダードも手を差し出しました。
あまりにもキレイに揃ってしまったので、
ホセとレメンダードと三人で顔を見合って大笑い。
思わずレメンダードを小突くダンカイロ。
これもハプニングではあるけど、三人の関係としては成り立つし、
何よりも面白かったです(笑)

【3幕】
冒頭から板付きのダンカイロ。
幕が上がるとカンテラで合図し、盗んだ物を運ぶ仲間たちを呼び寄せる。
ここではダンカイロの「仲間への気配り」を入れたかったです。
ボス猿は仲間の猿への心配りを忘れない。
労を労うことができるリーダーに、人は従いたいと思います。
一人ずつになるべく声をかけるように心がけているダンカイロを、
(誰もそんなところは見ていないだろうけど)表現したかったのです。
・・・というのは演出家から、
「舞台から退場するシーンではダンカイロは最後尾についてください」
という指示があったのをヒントにしました。
人に優しくできるということは「弱さ」ではなく、「強さ」だと思うのです。

エスカミーリョとホセの決闘の仲裁シーン。
細心の注意を払って仲間を率いてきた場所に、
難なく現れたエスカミーリョと対峙。
相手を認めつつも仲間を危険にさらした自分への怒りがこみ上げる。

ミカエラがホセを連れ戻しに来る。
僕は敢えてこの場面を他の人物とは違う見方で演じてみました。
ミカエラの目の前でカルメンに自分の想いを押し付けようとするホセ。
傷つくミカエラの表情を見てサディスティックな好奇心を持つダンカイロ。
この状況を楽しんでいる・・・。
さらにはホセがカルメンに迫る様子を見て、
ホセの中の『狂気』にダンカイロは気付きます。
だから敢えて仲間たちを制してまでホセをギリギリまで野放しに。
ホセは結局ミカエラと共に故郷へ帰ることを決意し、去っていきます。

そこへレメンダードが近づいてきて・・・
(※このシーンはレメンダードの横山くんと話し合って決めた、ちょっとしたこだわり)
「あの二人(ホセとミカエラ)を殺っちまいますか?」と言うレメンダードに、
無言で「ほっとけ。それよりもここをずらかるぞ・・・。」と指示。
カルメンの様子と去り行くホセに視線を送るダンカイロと、
盗賊団を別の場所へ誘導するレメンダード、という構図で3幕を終えました。

こんな細かい部分にまでスポットは当たっていませんが、
自分たちのこだわりでディテールを演じることは大事。
演出家からのダメが入らない限り、いろんな可能性を試してみる・・・
そうすることで予想もしないような新たな可能性に行き当たることがあるのです。
それも演出家と演技者の間の信頼感によって築かれるもの。
そして共演者同士の信頼感で生み出されるもの。
そういった意味でたくさんの「信頼」の中で今回の舞台に立てたこと。
素晴らしい共演者・スタッフさんとご一緒させてもらえたこと。
久々に幸福感に溢れた舞台に立てたような気がします。
お越しいただいたお客様も含めて、たくさんの人に・・・

「ありがとうございました」

↑カーテンコールの様子


2008.4.19(土) 「カルメン」GP

ティアラこうとう大ホールでオペラ「カルメン」のGPでした。
ホールはとても響くのですが、歌いやすい感じでもなく・・・。
舞台がとても広いので、どうも空間を持て余してしまう感じ。
盗賊の衣裳を着こんで、ばっちりメイクをして、
無事、GPを終えました。
演じながらいろいろ問題点が見つかり、
その場の判断で演じていったので、頭(脳)がとても疲れました。

GPが終わった後はA組の本番を途中まで観ました。
さっきまで楽屋で大騒ぎしていた子役たちが、
舞台上でしっかり演じている姿に感心しました。

さ。明日。
頑張ります。



2008.4.18(金) 衣裳合わせ

今日はすごい雨でした。
1人レッスンしてから移動。
待ち合わせよりも1時間も早く着いたので、
フレッシュネス・バーガーでクラシックチーズバーガーとチャイを注文しました。
ふむ。おいしい。肉の味、野菜の味を堪能。

代々木八幡駅で待ち合わせをして、東京衣裳へ。
5月1日「フィガロの結婚」の衣裳合わせをしてきました。
担当のF井さんには以前にも何度か御世話になっていますが、
今日お会いしたら覚えていてくださいました。

テレビや映画、ミュージカルなど様々な衣裳を担当している東京衣裳
伯爵の衣裳は、
胸元と袖元にレースの飾りがビロビロついたシャツに、
金色の飾りがたくさんついた裾の長いベスト。
それに同じくたくさん飾りのついた上着に、短パン。
今日ははかなかったけどその下にタイツという形。
何種類か着させていただきましたが、
中には以前にも着たことのある衣裳もありました。

結局、青い色などでは僕の場合、爽やかになってしまうので、 黒のベルベット素材になりました。
か、かっこいい・・・。
これにクリクリの付け毛(サザエさんみたいなやつ)と襟足の馬の尾みたいな付け毛。
場面によっては白いカツラもかぶります。

会場ではおそらくプロマイドなどのグッズも販売される予感(前回の公演はそうだったから)。
ぜひぜひ皆様、お見逃しなく。



2008.4.17(木) 雨

雨が降りました。
午後は池袋で2人レッスン。
その後、川口へ。
時間があったので、
川口リリアのロビーで家から持ってきたおにぎりを食べる。
・・・なんだかちょっとさびしくなる。

夜は川口市民合唱団の指導。
最初はよくわからない曲だと思っていた「富山に伝わる〜」でしたが、
楽譜を読み込んでいくうちに、作曲者の意図がわかってきました。
良い曲に仕上げられそうです。



2008.4.16(水) 脳

午後に池袋でレッスンをしました。
久しぶりのレッスン。
他人のレッスンをすることで、自分の発声を見直す機会になる。
これも大事なことです。

夜は「フィガロの結婚」。
まずは稽古場の最寄り駅がわからず、とりあえず近い駅に降りてみる。
案の定、違う駅であることを思い出し、再度移動。
稽古場に到着するも、今日の場所は違ったことが判明。
手帳で確認して、もう一度電車でUターンして、再び稽古場に到着。
しかし、ここも違う・・・。
だんだん青ざめてきましたが、電話で確認するとさらに違う場所でした。
どうやら手帳に写し間違えた模様。
それで、みたび電車で移動。
さすがに頭も身体も疲労・・・どうなっているんだ今日は・・・。
と、駅に降りると、一つ前の駅で降りてしまいました。
しかも改札を出てしまった・・・。

そんなわけで、大パニックな一日でした。
ちょっと疲れているのかな・・・(汗)

「フィガロ〜」の稽古はいつもどおり。
ちょっと歌詞が出ない瞬間が多々ありましたが、
いちおう薄かったシーンをやらせてもらえたので、前進。
なんとなく伯爵のキャラクターも固まってきたし、
あとひと頑張りです。
みなさん、ぜひ来てくださいね。


【今日のクイズ】
「フィガロの結婚」が5月1日に公演されるのは、大変意義のあることです。
それはなぜでしょう???
わかった方は「楽屋で雑談」へ。


2008.4.15(火) 「カルメン」通し稽古

午前中にハーモニーベルズの指導。
いや〜かなりいい響きになってきました。

一度帰宅して昼寝。
あまり疲れている自覚はなかったけど、かなり爆睡。
1時間ほどグッスリ眠って再び出発。

夜は「カルメン」の通し稽古です。
1幕は出番がないので待機ですが、
いまいち集中できなかったので外で待機していました。
2幕に入って集中力を高めながらスタンバイ。
エスカミーリョのアリアの後に飛び出していきました。
5重唱はいまいちノリきれませんでしたが、3幕に入ってから少し集中。
どうしても芝居が一人の中で成立させようとしてしまう・・・。
後半からは周りの芝居を受ける、
もしくは受けやすい芝居をするようにしてみました。
・・・いつもエンジンがかかるのが遅い・・・(汗)

残すところ前日のゲネプロと本番のみ。
かっちょいいダンカイロを目指して頑張ります。



2008.4.14(月) あれ〜体調が・・・

今日はまた朝から体調不良。
きちんと寝ているはずなのに、起きた直後から疲れてる。
まだ身体の中に疲労は残っているようです。
あったかくなるダメなのかなぁ?

午後にレッスンを受けてきましたが、全然思ったように声が出ず。
コントロールがきかないし、力が入らない。
お腹の調子も悪いしなぁ。

夜は溝の口で「フィガロの結婚」の立ち稽古。
4幕だけ練習しました。
これで4幕はだいたい外枠はできた感じ。
細かいディテールはまだまだだけど、まずは安心。
むしろ他の幕をもっとやりたいな・・・と思います。
(※なぜなら4幕はフィナーレにしか出ないから)
最後の方は体調も良くなってきたけど、
終わった後の疲労感が半端ない。
「カルメン」も近いし、ちゃんと休まなきゃな。



2008.4.13(日) 「カルメン」オケ合わせ&「フィガロの結婚」

昨日の疲労はなんだったんだ?・・・というほど今日は快調。
でも寝坊。

お昼から「カルメン」のオケ合わせでした。
いよいよ本番に向けて佳境に入ってきました。
マエストロ森口の的確で生き生きとした指揮が、
ビゼーの音楽をグングンと牽引していきます。
いわゆる予定調和的なテンポの緩みがなく、
ズバッと次の音楽が飛び込んでくる感じ。
劇的な展開に思わずこちらも熱くなりました。

今日はなるべく硬めに一つ一つを丁寧に歌いながら、
その中でフランス語の流れをなるべくゆるやかに作るように気をつけました。
「緊張」と「緩和」が要求される音楽・・・。


夜は川崎へ移動。
「フィガロの結婚」ですが、今日は合唱中心の練習でした。
暗譜を苦労した3幕でしたが、今日はきちんと暗譜できていてホッとしました。
逆に1幕がポロポロとこぼれてしまっている・・・。
まだまだ気が抜けませんな。

伯爵役は楽しい。
フィガロたちにはめられて焦っている伯爵・・・。
かと思えば、援軍登場ですぐに機嫌が良くなる伯爵。
本当に楽しいです。

フィガロが仲間(合唱団)を引き連れて登場するシーン・・・指揮は小屋敷真さん


2008.4.12(土) やばい・・・身体が・・・

身体がしんどいです・・・。
今日は朝から首が痛くて、呼吸も浅く。

午後から父の合唱団ベラフォンテの指揮。
「第九」のパロディを練習しました。
動きがついたりして大変だけど、皆さん楽しそうに歌っていました。

練習が終わるとあわてて飛び出して大宮へ。
渋滞で遅れて大宮に到着し、電車で江東区へ移動。
「カルメン」の立ち稽古でした。
今日は通し稽古だと思っていたので急いで稽古場に駆けつけたのですが、
合唱団中心の流し稽古でした。
身体も声もしんどかったから助かりました。
やばいなぁ。急にどっかときた身体の疲れを取らなきゃ・・・。

あまりに疲れたので帰りに飯田橋駅内のスタバでお茶しました。



2008.4.11(金) チャペルで練習

今日も東京室内歌劇場で「フィガロの結婚」の音楽稽古。
僕はアントニオ役なのですが、フィガロ役の方がお休みだったので、
代役として全てフィガロを歌わせてもらいました。
現在、別の団体で伯爵役をイタリア語でやらせていただいて、
アントニオをやりながら、フィガロも歌わせてもらう・・・。
なんて贅沢なんだ・・・。
とっても楽しめました。

夜は熊谷ベーレンタール男声合唱団の指導。
今日は特別にチャペルで練習させてもらいました。
団員さんの一人が牧師さんなので・・・。
チャペルで歌うと、普段よりもよく響いてハーモニーを感じやすい。
発声中心の練習でしたが、
空間が広いとバランスも取りやすくてよかったです。

↑ハナ



2008.4.10(木) 勘が戻ってきた

2年前に研修所に通い始めてから、
自分のスタイルも作品に対するアプローチの仕方も、
すっかり封じられてしまいました。
「この作品のこの役はこういうイメージだから・・・」という、
固定概念ばかり押し付けられる。
いわゆるオーソドックスな(と思い込まれている)役作りを強いられてきました。
・・・それは、日本のオペラファンがそういうものを求めているからで、
それに応える公演をするには、
どこかのビデオとかで観た懐かしの名歌手たちの公演を真似するのが通例。
早くこの時代錯誤な状態をなんとかせねばね・・・。

で、新演出のビデオ・DVDを観れば良いかと言えば、それも結局サル真似。
何かに影響されることなく、
楽譜や台本からのみ得られるインスピレーションを信じて役作りをする・・・。
それが僕の本来のスタイルだったはず。
そこに、昨年からは新たな要素が加わりました。
ネイティブなイタリア人やイタリアにずーっと住んでいた人とご一緒することになって、
イタリア人の考え方や所作なども身近に学ぶことができました。

まだまだ自分自身は思考錯誤ではありますが、
そういった中で自分なりの役作りを以前よりも自信を持ってできることになりました。
そしてある程度、自分の中で役作りが固まってきた段階で、
DVDなどを観て、いろんなアプローチをしている名歌手さんたちから吸収。
これは良いと思ったものはどんどんパクっていく。
そうしているうちに、自分自身からも新しいアイディアが出てくる。
そしてもう一度楽譜・台本に戻ってきて、シンプルなところに落ち着く。
このループ作業こそが僕にとって大事でした。
・・・思い出しました。

様々な「フィガロの結婚」のDVDを観まくっています。
以前は同じように見えたそれぞれの伯爵役が、
一つとして同じアプローチのものはないことに気づきます。
その中でもなるべくネイティブ・イタリア人が演じているものをチョイス。
ここに一歩でも近づきたい!
再びオペラへの意欲に燃えているりひとです。


さて。
今日は午後にブルーアイランド版「フィガロの結婚」の音楽稽古。
バルトロさんがいなかったので、代役もやらせていただきました。
フィガロも伯爵もどっちもできますが、
お二人とも毎回しっかり出席されているのでチャンスなし。
本役のアントニオが一番苦労しています・・・。

夜は川口市民合唱団の指導。
今、合唱団の発声を改善中です・・・だいぶ前進しました。
今までのクセを拭い去り、新たな感覚を身につける作業ですので、
今が一番苦しいところ。
でも本当にとっても美しい声になってきて、伴奏の先生とも喜び合っています。
各公演のチラシをUPしました。
こちら⇒『出演予定』
  


2008.4.9(水) フィガロフィガロ

午後は茅場町で「フィガロの結婚」の音楽稽古。
こちらは日本語訳詞で、アントニオ役。
「かっこよくならないように・・・」という指示が出る。
そりゃあ難しい・・・(笑)
他の方が日本語で稽古をしている待ち時間に、
僕は隅っこでこっそり一緒に伯爵のパートをイタリア語で歌ってます。
もう一方の「フィガロ〜」公演の暗譜稽古をしています。
こいつぁ一石二鳥。

夜はそのもう一方の「フィガロ〜」の稽古。
今日は2幕の伯爵夫人とのケンカのシーン中心。
そのままフィナーレまで全てやっていきました。
B組のときにはアントニオ役として特別に日本語でやらせてくれました。
これでこちらも一石二鳥・・・にはならずにイタリア語と日本語で混乱。
でも2幕はだいぶ固まってきました。

今回のピッコラ・ボッテーガ・デル・テアトロ公演(5/1)の「フィガロ〜」は、
いわゆるドタバタ喜劇として演じるのではなく、
あくまで『普遍的な人間劇』を演じるのがコンセプト。
芝居としての「間」を大切にしながら真剣勝負で演じています。

一方、ブルーアイランド版公演(5/25,27)では、
徹底した喜劇。
観ている人が思わず「くだらね〜」と言ってしまいそうなほど、
笑いにこだわった舞台になりそうです。

どちらも明るく楽しい「フィガロの結婚」になりそうですが、
その中身はおそろしいほど真逆な内容。
ここがオペラの深いところですね・・・。
どちらもぜひぜひお楽しみいただければ幸いです。


そうそう・・・ブルーアイランド版「フィガロの結婚」のチラシがやっとできました。
青島広志先生が前面に出ているチラシでした(笑)


2008.4.8(火) 大雨

午前中にハーモニーベルズの指導。
6月の合唱祭に向けて一歩ずつ前進しています。

午後はまるまる空きになったので「フィガロの結婚」の譜読み。
夕方までしっかり歌って、美容院へ。
髪を切りました・・・。
・・・といっても、5月頭の「フィガロ〜」までは髪を切らないよう指示が出ているので、
髪をすいてもらって毛先をそろえる程度。
見た目はほとんど変わりませんが、かなり軽くなりました。

そのまま帰らずに、夜はミスドで暗譜。
こういう場所でガーッとやった方が集中できる。
・・・大容量のセッコと各幕の大フィナーレに舌を巻きます。
本当にすごい作品だなぁ。
改めて素晴らしい役をやらせてもらえるんだなぁと感無量。
この『伯爵役』はここ数年の集大成にしたい。
7年前に日本語版で演じた役ですが、本当に悔いが残りました。
あのときの教訓を忘れたことは一度もありません。
今回こそリベンジ!
たくさんの人に観に来ていただきたいです。


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2008.4.7(月) 午前中に悲劇・・・と偶然

午前中から某オペラの稽古・・・があったはずが、
事務所のミスで稽古場の鍵が開かない・・・。
結局そのまま稽古自体が取りになり、
キャスト&スタッフの皆さんと喫茶店でお茶をして帰りました。

正直ガックリきていたのですが、ここで偶然・・・。
なんと、某オペラで共演しているOさんがその喫茶店でバイトしていました。
この偶然で少し元気になりました。


1時間かけて一度帰宅して、HPの「出演予定」を更新。
夕方に再度外出して、川崎へ。
今日は夜に「カルメン」稽古が入っていたのが取りになったので、
急遽、ピーノ版「フィガロの結婚」の稽古に参加しました。
(※ここまで書くと、午前中の団体がどこだかわかってしまう・・・)

ここ一週間で必死に覚えた3幕頭の長い独り台詞が、
なんと丸々カットされることが発覚(誰も知らなかった・・・)。
久々に頭の中で『ガビーーン!』という音が鳴りました。
ちょっとこの時点で僕はイライラ・・・。
クールダウンするまでにかなり時間がかかりました。
後半はノリノリでしたが、全体的に精神的に乗り切れなかったです。

凹みまくりの一日・・・。
こんな日を乗り越えてオペラは作られていくんですよ〜
・・・って、違うか・・・。


2008.4.6(日) 「カルメン」通し稽古で泣く

今日はお昼から川崎で「フィガロの結婚」の稽古。
どうやらB組中心の稽古だったのですが、なぜか伯爵は僕が演じました。
A組と全然違うので、対応していくのがちょっと大変でしたが、
そこは臨機応変に・・・。
でもそろそろ固めていかないといけませんね。
暗譜は(徐々にではありますが)少しずつ進んでいる感じはしましたが、
以前入っていた(暗譜できていたところ)が抜け落ちたりしていて、
ちょっとショックでした・・・やはり毎日くり返さなければダメです。
それにしてもB組は本当に若手の実力派揃いの豪華キャスト。

川崎からダッシュで江東区へ移動。
「カルメン」の通し稽古でした。
ダンカイロ役は・・・今日はちょっと腰が浮いてしまいました。
うまくいったときとそうでないときの差がはっきりしてきたから、
あとはもっと安定感を。

ラストシーンは観ていて涙が出ました。
カルメン役の森永さんとホセ役の土師さんの熱演。
最後のデュエット前半は決して熱くならずに、
淡々と非常に丁寧に演じていらっしゃる感じ。
それなのに・・・泣いてしまいました。
「あれ?あれ?」という感じで自分でも驚いてしまったのですが、
静かな中にものすごく深くて濃密なものが伝わってきて、 その迫力に圧倒されて涙が出てしまう・・・そんな感じでした。
後半は一気にホセが逆上して荒れ狂い、
さらにそれが一度冷酷なまでに沈静化していって、最後に爆発する感じ。

エスカミーリョ役の山口さんの「闘牛士の歌」も素晴らしかったし、
まだ本番ではないのに、「ブラボー」が乱れ飛ぶ素晴らしい通し稽古でした。

これは一人でも多くの人に観てもらいたい公演だなぁ・・・と、
改めて思いました。



2008.4.5(土) 父の合唱団&「カルメン」

父が大宮で指導している女声合唱団「ベラフォンテ」の練習に参加。
来月にベラフォンテは大宮ソニックシティでコンサートをします。
その中の一曲をサポートで指揮することになりました。
ちなみに「ベラフォンテ」という名前はイタリア語の「Bella Fonte」で、
『美しい泉』という意味です。父の名前が古澤泉なので・・・。

「第九」をパロディにして、父の半生を描いた作品。
作曲・編曲は芸大作曲科卒の林きららさん。
作詞は父です。
こういう面白い曲はしっかりといい声で、
キレイに言葉が客席に届かなければいけないので、
言葉のさばき方をかなりしつこく練習しました。
父は出番がなく、軽く居眠り・・・。
たのんますぜ、父ちゃん。

大宮から高崎線で上野へ。
上野から銀座線と東西線の乗り継いで南砂町へ。
夜は「カルメン」の立ち稽古でした。
今日はレメンダードのSHINくんも来ていたので、コンビネーションを確認。
SHINくんは動けるし、こちらが何をやっても対応してくれるから安心。
基本の動線や芝居の動機などは確定したので、
あとはどんどん小ネタのアイディアを増やしていっています。
やっと楽しくなってきた・・・。

衣裳合わせもしました。
ダンカイロは予告通り、パイレーツ・オブ・カリビアン!
なかなかかっこいいです。乞うご期待。



2008.4.4(金) 「笛五郎の結婚」音楽稽古

昨日に引き続き、今日も東京室内歌劇場へ。
「フィガロの結婚」ならぬ「笛五郎の結婚」の音楽稽古でした。
全て日本語、セッコ部分は台詞。
役名も全て日本語の当て字になっております。
(※PC版からご覧になっている方は「出演予定」を参照)

研修所でお世話になった、伯爵夫人ならぬ社長夫人役の前澤先生、
昨年の「椿姫」でご一緒した伯爵ならぬ社長役の杉野さん、
先日の宮本益光さんのリサイタルでお会いした赤星さんと、
その他のキャストさんもいらしていて、フィナーレを練習しました。
(・・・というか僕は2幕と4幕のフィナーレにしか出ない)

夜は熊谷へ。ベーレンタール男声合唱団の指導。
だいぶキレイにハーモニーを作れるようになりましたが、
歌詞で歌うと発音のクセがバラバラになってしまいます。
次回は教会で練習できることになりました。
よく響く場所でもっともっと空間を感じながら歌えるようになりたいです。



2008.4.3(木) 筋肉痛

昨日の散歩の影響で筋肉痛。
足はともかく、なんだか内臓が痛い。
・・・息をするのも苦しかったです・・・。
まぁ、バカまっしぐら、ということで。

さて、今日は「フィガロの結婚」ブルーアイランド版の初稽古。
茅場町の東京室内歌劇場稽古場で、一人ずつの簡単なコレペティ稽古でした。
酔っ払い庭師のアントニオ役。
声を変に作らずに自分の声で歌いつつ、
それでいて微妙に音楽とチグハグに。
・・・酔っているニュアンスが求められます。
まずは自分の声をしっかり歌わせていただけて良かったです。

夜は川口へ。川口市民合唱団の指導です。
現在は声の完全修正を目標に練習をしています。
ハーモニーは本当に良くなって、音が下がるなどの現象もなくなりました。
このハーモニーをもっと豊かにするためにも、声を修正。
とても良い声になるときもあるんだけど、
最初は良かった自覚よりも、何か物足りなく感じるのだと思います。
今はちょうど過渡期・・・苦しい時期ではありますが、
厳しく、妥協なく求められているものが何なのかをつたえ続けていきたいです。
きっと素晴らしい合唱にたどり着くことでしょう!



2008.4.2(水) ちぃ散歩・・・ならぬ、「りと散歩」

お昼に新大久保でレッスンを受け、
その後、6時のオペラ稽古まで暇になりました。
一度帰宅する手もあるし、
ファミレスとかで時間を潰すことも考えましたが何かつまらない・・・。
・・・と、プラプラ考えながら歩いているうちに、
「このままどこまで歩けるだろう???」
と、ろくでもないことを思いついてしまいました。

そんなわけで、首都高沿いを歩いて行くことにしました。
首都高の下を有楽町線が走っているので、
池袋から飯田橋までを目標にスタート!


サンシャインの裏へ回り、マニアックなお店などが増えてきましたが、
どんどん人気がなくなっていきます。
まずは時代を反映するようなビルを発見。

「かんぽヘルスプラザ」・・・税金の無駄遣いです
ひっそりとたたずむ無駄な建物・・・。
なるほど、こういう場所にも遭遇するのだな・・・なんだか楽しくなってきました。

快調に歩いていくと、薄い存在感の「東池袋」駅に到着。

東池袋駅は都電が接続しているんですね。
だんだんさびしい感じになってきました。
坂も増えてきて、足も痛い。
・・・よりによって革靴で歩いてる・・・。

首都高は大きくカーブ・・・周りには何もなくなりました。
歩き始めて1時間。そろそろ後悔し始めるとやっと見慣れた光景が。
何度かオペラの稽古で来たことのある「護国寺」駅に到着。

あ〜もうここでギブアップして地下鉄に乗ろうかなぁと思ったのですが、
せっかくなのでまずは駅の裏の護国寺に入ってみることにしました。

とっても大きな門。門からは街を見下ろせるような感じ。
門をくぐると一気に静かな空間が広がりました。
境内までの高い石段が大迫力で、かっこいい。
石段を上ると、さらに大きな本堂が!
 
あまりの迫力に思わず「おぉ・・・」と声を漏らしました。本堂脇の枝垂れ桜も美しい。
すっかり癒されたので、最出発。
護国寺から江戸川橋に向かって大通りの坂を下っていきます。
この道は京都の町並みを模して作られたそうで、
護国寺の正面からまっすぐ大きな通りが伸びています。
なぜかイタリアンのお店が多いなぁと眺めながら歩いていると、
左手になにやら大きな門が・・・。
またお寺かな?と覗き込むと、なんとそこは政治界の名門「鳩山邸」でした。
門の先には城跡かと思うような小高い丘と大きな坂が。
さすがにそこを上る元気はなく、門を横目に通り過ぎました。

長い長い道を下っていくと、足腰も限界に近づきました。
やっと「江戸川橋」駅に到着。

いったん別れていた首都高と再会。川沿いに桜が植わっている江戸川公園。
ここで休憩して遅めの昼食。
あと一踏ん張り!飯田橋まで再出発しました。

江戸川橋駅前の交差点・・・車でよく通った道です。
歴史ある道から一気に味気ないコンクリートど淀んだ川のみの道へ。
あまりにも空気が汚いのと、つまらない道だったので、
橋を渡って川の反対岸へ。するとちょっとだけ下町風の住宅街に。
 
町工場やタバコ屋のある懐かしい風景。
しばし歩くと突然近代的な高層ビルが現れました。
トッパンホールが入っているトッパン小石川ビルです。
ロビーに入ってみるとコンサート情報がたくさんありました。
ビルを出ると日が少し傾き始めていました。

トッパンホール・・・いつかここで歌いたいです!
歌い手としての目標が一つ増えたのを感じ、決意も新たにラストスパート。

ぐるーっと弧を描くようにオフィス街を歩き、
一気に飯田橋の街のにぎわいに飛び込みます。
ついにゴール!!「飯田橋」駅に到着しました。
 
飯田橋駅前の大交差点・・・歩道橋の上から。桜もキレイ。
池袋をスタートしたのが14:30少し前。
飯田橋到着は結局17:00過ぎでした。
観光・休憩を入れて、だいたい2時間30分歩きました。
とっても疲れたけど、とても面白かったです。
歩いた道の地図

その後、飯田橋から東西線に乗り「カルメン」の稽古場へ。
リポDを飲んで立ち稽古。
集中した良い稽古ができました。
でも帰宅する頃には足腰がガタガタ・・・。
明日は筋肉痛だな。


2008.4.1(火) 富士山が見えた

日付が変わりエイプリルフールになった途端に奥さんのウソにだまされ・・・。
今朝はハーモニーベルズの指導。
いつも練習をしている場所から富士山がクッキリ見えました。
今日から新宿区合唱祭に向けての練習が本格的にスタート。
しばらくお休みをしていた団員さんも久々にいらしてくれました。

昼食は奥さんと食べる約束をしたので、池袋で待ち合わせ。
すると彼女の手にはなぜかお弁当とビニールシートが・・・。
なるほど・・・お花見をしよう、ということだな(笑)。
池袋駅から歩いてちょっと公園へ行ってお弁当を広げました。

↑奥さん特製弁当・・・玉子焼きの味つけが僕好みになっていました。
桜が満開で、風が強くて花びらがたくさん散っていました。
長い髪をかき分けながら、弁当箱に突入してくる桜の花を交わしながら、
のんびりとお弁当を食べました。
数年ぶりのお花見だ・・・。日本人に生まれてよかった。

↑顔はむっつりしていますが、本当は楽しい気分です。

夜は「カルメン」の稽古だったので、池袋駅で奥さんと別れて、
地下鉄を乗り継いで東陽町へ。
今日はA組中心の稽古と聞いていたので、
完全に見学モードで稽古場に到着したのですが、
続々とB組のキャストさんたちが集まってくる・・・。
ぬな・・・これは今日は僕も歌わなきゃいけないみたいだ。
結局2幕と3幕を1回ずつザーッとやっていきました。
特別な大きなダメ出しはなかったのですが、
まだまだ自分のダンカイロが出来上がってはいない。
道筋はできてきたのですが、確固たる人格としては形成し切れていないです。
目指せジョニー・デップ(??)



過去の日記


2008年 1月/2月/3月

2007年 6月/7月/8月/9月/10月/11月/12月

それ以前の日記